魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
抱っこされたラスとコハクが合流すると、ラスは早速もじもじしながら腕から下ろしてもらい…リロイの隣に座った。
「チビ!こっちに座りなさい!俺の隣!」
「やだ。ねえリロイ、お願いがあるの」
「うん、いいよ。なんでも言って」
――金の髪に金の瞳…
今でもラスにとってのリロイは“勇者様”そのもので、優しく微笑みながら待ってくれているリロイの手をぎゅっと握ると、魔王がいらいらとテーブルの上を指先で叩き始めた。
ラスを尊重してやりたいと思ってはいるのだが、ラスが関わるといつもそれができなくなる。
心の狭い魔王がきりきりしながらリロイを睨むと、あろうことかラスがリロイの膝に乗っかった。
「チビ!そいつが爆発するからやめなさい!」
「ら、ラス?」
面々が興味津々で見守っていると、幼馴染で白騎士の隊長で勇者様然とした男の瞳をじっと見つめて当たり前のように言った。
「イエローストーン王国を再建したいの。だから手伝ってくれるよね?」
「…ラス…申し訳ないけど僕は君の傍には居れないんだ。僕はここを出て行くつもりだから」
それを聴いたラスの表情がかじかんだ。
想像もしていなかった答えにショックを受け、それが自分のせいであるという思いが圧し掛かり、それでもリロイの肩を揺すって説得をした。
きっとリロイでなければできないことがある。
リロイには一生傍にいてもらわないと、絶対絶対後悔する。
「どうして…?私がずっとリロイを無視してきたから?でも許してくれるってこの前…」
「言ったよ。言ったけど、また僕がおかしくなってしまうかもしれないでしょ?ラス…僕は君のことを愛しているんだ。こんな男を傍に置いちゃ駄目だよ。君には幸せになってほしいから」
――リロイからの“愛している”…
今だからこそ、その意味もとてもよくわかる。
ずっと幼馴染だと思っていた男は本気で自分のことを愛してくれていて、自分はコハクに恋をして…
リロイと自分の運命の赤い糸は絡まることはない。
けれど…自分にだって、譲れないものはある。
「…やだ」
「え?」
「やだ!」
王女の我が儘爆発。
「チビ!こっちに座りなさい!俺の隣!」
「やだ。ねえリロイ、お願いがあるの」
「うん、いいよ。なんでも言って」
――金の髪に金の瞳…
今でもラスにとってのリロイは“勇者様”そのもので、優しく微笑みながら待ってくれているリロイの手をぎゅっと握ると、魔王がいらいらとテーブルの上を指先で叩き始めた。
ラスを尊重してやりたいと思ってはいるのだが、ラスが関わるといつもそれができなくなる。
心の狭い魔王がきりきりしながらリロイを睨むと、あろうことかラスがリロイの膝に乗っかった。
「チビ!そいつが爆発するからやめなさい!」
「ら、ラス?」
面々が興味津々で見守っていると、幼馴染で白騎士の隊長で勇者様然とした男の瞳をじっと見つめて当たり前のように言った。
「イエローストーン王国を再建したいの。だから手伝ってくれるよね?」
「…ラス…申し訳ないけど僕は君の傍には居れないんだ。僕はここを出て行くつもりだから」
それを聴いたラスの表情がかじかんだ。
想像もしていなかった答えにショックを受け、それが自分のせいであるという思いが圧し掛かり、それでもリロイの肩を揺すって説得をした。
きっとリロイでなければできないことがある。
リロイには一生傍にいてもらわないと、絶対絶対後悔する。
「どうして…?私がずっとリロイを無視してきたから?でも許してくれるってこの前…」
「言ったよ。言ったけど、また僕がおかしくなってしまうかもしれないでしょ?ラス…僕は君のことを愛しているんだ。こんな男を傍に置いちゃ駄目だよ。君には幸せになってほしいから」
――リロイからの“愛している”…
今だからこそ、その意味もとてもよくわかる。
ずっと幼馴染だと思っていた男は本気で自分のことを愛してくれていて、自分はコハクに恋をして…
リロイと自分の運命の赤い糸は絡まることはない。
けれど…自分にだって、譲れないものはある。
「…やだ」
「え?」
「やだ!」
王女の我が儘爆発。