魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスがリロイのせいで泣いていることに対してぶちキレ寸前だった魔王はぎりぎりの妥協案を提案した。
「わかった。じゃあこうしようぜ」
「コー…?」
泣き腫らした瞳で顔を上げたラスの頬をぺろんと舐めると、お尻をなでなでしながらリロイを睨んだ。
「イエローストーン王国再建には手を貸してもらう。それがお前がチビにできる贖罪だ。俺にも引け目感じてるんだろ?だったらさっさと手伝ってさっさと居なくなればいい」
「…贖罪…」
確かに罪は罪だ。
コハクを死の淵まで追い遣った罪…
ラスを2年間孤独にさせてしまった罪…
どちらも自分自身許し難く、白騎士としてあるまじき行為で一生自身を赦すことはできないだろう。
だったら…その提案に乗るしかない。
「わかった、手伝う。でもそれが終わったら僕は白騎士をやめてこの王国を出て行くよ。ラス、ごめんね、それだけは変えられないから」
「……うん、わかった。リロイ、ありがとう」
精一杯の笑顔で笑いかけてくれたが、やっぱり目が合うとまた次々と涙が溢れてきて、コハクからしっしと手を払われてその場から離れた。
――コハクと生きると決めたからにはいつか別れは来る。
みんなみんな、先に死んでゆく。
それが世の理だけれど、その理を曲げてまでコハクと一緒に生きたいと思ったのは自分自身。
「コー…ありがと」
「ん、チビがあいつに泣かされるのは腸が煮えくり返るからな。チビ、俺は猶予を与えてやったんだぜ。王国再建にはどの位時間がかかると思ってんだ?その間にチビが小僧を説得すりゃいい。チビの好きなようにしろよ」
「え…?猶予?コー…私がリロイを説得してもいいの?怒らない?」
「怒るに決まってんだろ。でも俺が我慢すればいい。いずれチビを独り占めできるのは俺だからな。…ああくそっ、もう後悔してきた!」
「コー大好き!私のために…ありがとう、コー!」
小さく舌打ちしたコハクの頬にキスをしまくるとみるみる鼻の下が伸び、コハクの頭より上まで抱え上げられるとくるくると回った。
「きゃー!」
「お触りはなるべく禁止!チューも駄目!」
…相変わらず、やきもち。
「わかった。じゃあこうしようぜ」
「コー…?」
泣き腫らした瞳で顔を上げたラスの頬をぺろんと舐めると、お尻をなでなでしながらリロイを睨んだ。
「イエローストーン王国再建には手を貸してもらう。それがお前がチビにできる贖罪だ。俺にも引け目感じてるんだろ?だったらさっさと手伝ってさっさと居なくなればいい」
「…贖罪…」
確かに罪は罪だ。
コハクを死の淵まで追い遣った罪…
ラスを2年間孤独にさせてしまった罪…
どちらも自分自身許し難く、白騎士としてあるまじき行為で一生自身を赦すことはできないだろう。
だったら…その提案に乗るしかない。
「わかった、手伝う。でもそれが終わったら僕は白騎士をやめてこの王国を出て行くよ。ラス、ごめんね、それだけは変えられないから」
「……うん、わかった。リロイ、ありがとう」
精一杯の笑顔で笑いかけてくれたが、やっぱり目が合うとまた次々と涙が溢れてきて、コハクからしっしと手を払われてその場から離れた。
――コハクと生きると決めたからにはいつか別れは来る。
みんなみんな、先に死んでゆく。
それが世の理だけれど、その理を曲げてまでコハクと一緒に生きたいと思ったのは自分自身。
「コー…ありがと」
「ん、チビがあいつに泣かされるのは腸が煮えくり返るからな。チビ、俺は猶予を与えてやったんだぜ。王国再建にはどの位時間がかかると思ってんだ?その間にチビが小僧を説得すりゃいい。チビの好きなようにしろよ」
「え…?猶予?コー…私がリロイを説得してもいいの?怒らない?」
「怒るに決まってんだろ。でも俺が我慢すればいい。いずれチビを独り占めできるのは俺だからな。…ああくそっ、もう後悔してきた!」
「コー大好き!私のために…ありがとう、コー!」
小さく舌打ちしたコハクの頬にキスをしまくるとみるみる鼻の下が伸び、コハクの頭より上まで抱え上げられるとくるくると回った。
「きゃー!」
「お触りはなるべく禁止!チューも駄目!」
…相変わらず、やきもち。