魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスを独り占めしたいコハクは、ラスの部屋に着くとバルコニーに出てロッキングチェアに座り、考え込むふりをした。
「どうすっかなー…」
「コー…そんなに大変?みんなに手伝ってもらおうよ。私、みんなを呼びに…」
ラスが皆を呼びに部屋を出て行こうとしたので慌てて腕を掴んで引き寄せると、首を振った。
「俺もまだ考えまとまってねえし。カイの奴にやられたばっかだし。もうちょっと2人で居ようぜ」
「うん、わかった」
まんまと独り占めに成功すると、あたたかい光を降らせる太陽を見上げてラスに笑いかけた。
「さっき2年間影にむかって話しかけてたって言ってたけど、虚しくなかったか?逆につらくなかったか?」
「私?ううん、そうしてると落ち着いたからいつもしてたの。本当はコーが私に意地悪してるんじゃないかって思ってたし。でも1度も話しかけてくれなくって…」
居なかった日々を思い返すと涙が零れてきて、コハクは無言で膝に上がってきたラスをやわらかく抱きしめると鼻をつまんだ。
「ゃんっ」
「ばーか、可愛いんだよ。俺は2年間傷が癒えるまでずっと眠ってたんだ。でも誰かに呼ばれてる気がしてさ…。チビに呼ばれてたんだな、きっと」
「わかんない…。でも多分そうだよ。ずっと神様にお願いしてて、ずっとコーを呼んでたから。…あっ、そうだ」
いい雰囲気になりかけてコーフンしかけた時、ラスが膝から降りて部屋に入るとクローゼットを開けて中から全身を覆う真っ黒なマントを取り出してきた。
「それ…」
「コーのだよ。コーのお城で唯一これだけ持って来れたの。ここで目が覚めるまでずっと握って離さなかったってグラースが言ってた。だってこれ…コーの匂いがするから」
「チビ…」
「コーはこれ着てないとねっ。私が着せてあげるっ」
身体を起こしたコハクにマントを着せると、ようやく見慣れた姿になってまた膝に飛び乗った。
「考えっていつ頃まとまるの?コーなら指をひゅって振ってすぐ終わるでしょ?」
絶対的な信頼を寄せるラスの左手薬指に嵌まっているお揃いの指輪にキスをすると、太陽を見上げた。
「俺が本気出せばすぐ終わるぜ」
「どうすっかなー…」
「コー…そんなに大変?みんなに手伝ってもらおうよ。私、みんなを呼びに…」
ラスが皆を呼びに部屋を出て行こうとしたので慌てて腕を掴んで引き寄せると、首を振った。
「俺もまだ考えまとまってねえし。カイの奴にやられたばっかだし。もうちょっと2人で居ようぜ」
「うん、わかった」
まんまと独り占めに成功すると、あたたかい光を降らせる太陽を見上げてラスに笑いかけた。
「さっき2年間影にむかって話しかけてたって言ってたけど、虚しくなかったか?逆につらくなかったか?」
「私?ううん、そうしてると落ち着いたからいつもしてたの。本当はコーが私に意地悪してるんじゃないかって思ってたし。でも1度も話しかけてくれなくって…」
居なかった日々を思い返すと涙が零れてきて、コハクは無言で膝に上がってきたラスをやわらかく抱きしめると鼻をつまんだ。
「ゃんっ」
「ばーか、可愛いんだよ。俺は2年間傷が癒えるまでずっと眠ってたんだ。でも誰かに呼ばれてる気がしてさ…。チビに呼ばれてたんだな、きっと」
「わかんない…。でも多分そうだよ。ずっと神様にお願いしてて、ずっとコーを呼んでたから。…あっ、そうだ」
いい雰囲気になりかけてコーフンしかけた時、ラスが膝から降りて部屋に入るとクローゼットを開けて中から全身を覆う真っ黒なマントを取り出してきた。
「それ…」
「コーのだよ。コーのお城で唯一これだけ持って来れたの。ここで目が覚めるまでずっと握って離さなかったってグラースが言ってた。だってこれ…コーの匂いがするから」
「チビ…」
「コーはこれ着てないとねっ。私が着せてあげるっ」
身体を起こしたコハクにマントを着せると、ようやく見慣れた姿になってまた膝に飛び乗った。
「考えっていつ頃まとまるの?コーなら指をひゅって振ってすぐ終わるでしょ?」
絶対的な信頼を寄せるラスの左手薬指に嵌まっているお揃いの指輪にキスをすると、太陽を見上げた。
「俺が本気出せばすぐ終わるぜ」