魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
テーブルを挟んで目の前に居るラスとは何度も目が合うが、それにしても心の狭い魔王はだんだんいらいらしてきて、ラスに手を伸ばした。
「チビ、こっち来いって」
「まだお話してたいからやだ」
「あーっ、もー!オーディン、行くぞ」
「はいはい」
ここに居るとラスにではなく、ラスに話しかけるティアラやローズマリーたちに文句を言ってしまいそうだったので、ワインボトルを引っ掴むと席を立った。
すると案の定ラスが即座に立ち上がって身を乗り出してきて、にやり。
「コー、どこに行くの?」
「ちょっと男連中と飲むからチビは部屋に戻ってろよ。寄り道は禁止!」
「うん、わかった。早く帰って来てね」
…まるで新妻のようなセリフを笑顔で言われて耳が真っ赤になってしまったコハクが新鮮で、オーディンが含み笑いを浮かべるとワイボトルで思いきり後頭部を叩かれて悶絶。
「やめて下さいよ、頭が悪くなるじゃないですか」
「お前は少し頭悪いくらいがちょうどいいんだよ。おい小僧、お前も来い」
コハクが誘うとリロイも少し嬉しそうにして席を立ち、あろうことかラスがリロイの腕を引っ張って引き留めた。
「ら、ラス?」
「リロイも行っちゃうの?寂しい…」
「なんだその台詞!チビ!俺は許しませんよ!」
「こっちはこっちで女子会しましょうよ。今夜は無礼講で盛大に暴露大会しちゃうわよー」
ローズマリーが陽気に不気味な発言をしたので1番ぎくっとなった魔王は腰に手をあてて激しく見下ろしながら忠告した。
「おいローズマリー、チビに余計なこと言うんじゃねえぞ」
「べっつにー。弱点とか話したりしないから大丈夫よ」
「コーの弱点?聴きたい聴きたいっ」
「…」
まんまとラスを乗せることに成功したローズマリーが手で口元を隠して笑いを堪えている様が癪に障り、今度はリロイの後頭部をワインボトルで殴ると食卓の間を出て肩を落とした。
「俺…チビに嫌われたりしねえかな…」
「あなたの弱い部分を知ることができて逆にさらに大好きになるのでは?」
「そっか?……うん、そうだよな!」
…魔王、復活。
「チビ、こっち来いって」
「まだお話してたいからやだ」
「あーっ、もー!オーディン、行くぞ」
「はいはい」
ここに居るとラスにではなく、ラスに話しかけるティアラやローズマリーたちに文句を言ってしまいそうだったので、ワインボトルを引っ掴むと席を立った。
すると案の定ラスが即座に立ち上がって身を乗り出してきて、にやり。
「コー、どこに行くの?」
「ちょっと男連中と飲むからチビは部屋に戻ってろよ。寄り道は禁止!」
「うん、わかった。早く帰って来てね」
…まるで新妻のようなセリフを笑顔で言われて耳が真っ赤になってしまったコハクが新鮮で、オーディンが含み笑いを浮かべるとワイボトルで思いきり後頭部を叩かれて悶絶。
「やめて下さいよ、頭が悪くなるじゃないですか」
「お前は少し頭悪いくらいがちょうどいいんだよ。おい小僧、お前も来い」
コハクが誘うとリロイも少し嬉しそうにして席を立ち、あろうことかラスがリロイの腕を引っ張って引き留めた。
「ら、ラス?」
「リロイも行っちゃうの?寂しい…」
「なんだその台詞!チビ!俺は許しませんよ!」
「こっちはこっちで女子会しましょうよ。今夜は無礼講で盛大に暴露大会しちゃうわよー」
ローズマリーが陽気に不気味な発言をしたので1番ぎくっとなった魔王は腰に手をあてて激しく見下ろしながら忠告した。
「おいローズマリー、チビに余計なこと言うんじゃねえぞ」
「べっつにー。弱点とか話したりしないから大丈夫よ」
「コーの弱点?聴きたい聴きたいっ」
「…」
まんまとラスを乗せることに成功したローズマリーが手で口元を隠して笑いを堪えている様が癪に障り、今度はリロイの後頭部をワインボトルで殴ると食卓の間を出て肩を落とした。
「俺…チビに嫌われたりしねえかな…」
「あなたの弱い部分を知ることができて逆にさらに大好きになるのでは?」
「そっか?……うん、そうだよな!」
…魔王、復活。