魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
途中厨房によって高価そうな酒をごっそり拝借してご満悦のコハクの背中を追いかけながらリロイが焦った声を上げた。
「それはカイ陛下がご愛飲の…」
「俺からカイに言っとくって。それよかイエローストーン王国が再建したらあそこで有名だった蒸留酒をまた作って栄えさせるかー。それが1番手っ取り早いよな」
「そうですね、寒冷地ならではの強くてぴりっとくるあの蒸留酒は有名でしたから、設備が無事ならばすぐに人が戻って来るでしょう」
…一応本気で再建しようという気持ちはあるらしく、リロイが目を丸くすると、コハクは客室に入るなりソファに座って行儀悪く長い脚をテーブルの上に投げ出して組んだ。
「カイ陛下とはどんな話をしたんだ?」
「…チビが“1年でイエローストーン王国を再建する”って言っちまったから1年でどうにかする。お前にもきりきり働いてもらうからな」
「1年!?そんな…そんなことができるのか?」
「やるしかねえだろ。でないとせっかくまた会えたのにチビともう会えなくなっちまうんだ。俺も本気出すからな」
グラスにワインを注がずそのままラッパ飲みする魔王を頼もしいと言わんばかりの瞳で見つめていたオーディンは同調するように頷き、こちらは礼儀正しくワインをグラスに注ぎながら事も無げに言ってのけた。
「水晶に対抗できるのは4大元素の四精霊たちです。水晶は元々精霊界にあったものと言われていますから、今となっては唯一彼らと対話ができるコハク様しか交渉にあたれませんよ」
「ああ、わかってる。あーまた妖精の城の時みたいなことやんなきゃなんねえのかよ。あれむっちゃ疲れるんだからやりたくねえんだよなー」
…なんともレベル違いの話を平然とされて居心地が悪くなったリロイは気合いを入れるために強いウォッカをラッパ飲みし…咳き込んだ。
元々この勇者然としたリロイをからかいまくるつもりだったコハクは酔った素振りも見せずにワインをがぶ飲みしながらにやにや笑い、コルクの栓をリロイに投げつけた。
「お前、ボインとはどうなってんだ?あん時やっちまったんだろ?どうだった?可愛かったか?」
魔王の質問攻めトーク、開始。
「それはカイ陛下がご愛飲の…」
「俺からカイに言っとくって。それよかイエローストーン王国が再建したらあそこで有名だった蒸留酒をまた作って栄えさせるかー。それが1番手っ取り早いよな」
「そうですね、寒冷地ならではの強くてぴりっとくるあの蒸留酒は有名でしたから、設備が無事ならばすぐに人が戻って来るでしょう」
…一応本気で再建しようという気持ちはあるらしく、リロイが目を丸くすると、コハクは客室に入るなりソファに座って行儀悪く長い脚をテーブルの上に投げ出して組んだ。
「カイ陛下とはどんな話をしたんだ?」
「…チビが“1年でイエローストーン王国を再建する”って言っちまったから1年でどうにかする。お前にもきりきり働いてもらうからな」
「1年!?そんな…そんなことができるのか?」
「やるしかねえだろ。でないとせっかくまた会えたのにチビともう会えなくなっちまうんだ。俺も本気出すからな」
グラスにワインを注がずそのままラッパ飲みする魔王を頼もしいと言わんばかりの瞳で見つめていたオーディンは同調するように頷き、こちらは礼儀正しくワインをグラスに注ぎながら事も無げに言ってのけた。
「水晶に対抗できるのは4大元素の四精霊たちです。水晶は元々精霊界にあったものと言われていますから、今となっては唯一彼らと対話ができるコハク様しか交渉にあたれませんよ」
「ああ、わかってる。あーまた妖精の城の時みたいなことやんなきゃなんねえのかよ。あれむっちゃ疲れるんだからやりたくねえんだよなー」
…なんともレベル違いの話を平然とされて居心地が悪くなったリロイは気合いを入れるために強いウォッカをラッパ飲みし…咳き込んだ。
元々この勇者然としたリロイをからかいまくるつもりだったコハクは酔った素振りも見せずにワインをがぶ飲みしながらにやにや笑い、コルクの栓をリロイに投げつけた。
「お前、ボインとはどうなってんだ?あん時やっちまったんだろ?どうだった?可愛かったか?」
魔王の質問攻めトーク、開始。