魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ばっちり自分好みに仕上げたラスを抱っこして皆と合流して朝食を摂ると、カイがひょっこり顔を出しに現れた。
「今日イエローストーン王国に視察に行くんだって?私のプリンセス、気を付けるんだよ」
「うんっ、わかった!」
「はあ?俺がついてんだから何も起きねえし。それよかぜってぇ約束は守ってもらうからな」
「男に二言はない。リロイ、白騎士団の隊長としてイエローストーン王国の再建に尽力しなさい。楽しみにしているよ」
「はい、カイ陛下。お任せを」
白騎士の鎧を着こなし、片膝をついて忠誠を尽くすリロイはやはり勇者様。
ラスもティアラもうっとりしてしまい、焦った魔王はラスが喋れないようにブルーベリーの実を口に突っ込むと抱っこして席を立ち、中庭に降り立った。
「よーし、ワン公、来い」
『魔王様ー、久しぶりー』
大地に掌を翳すと魔法陣が浮かび上がり、そこから3つの頭を持った真っ黒で巨大な犬が現れた。
魔犬ケルベロスは地獄の番人で恐れられる存在だが、ラスは逆に瞳を輝かせてケルベロスに手を伸ばした。
「ワンちゃんっ」
『ラスっ、僕のこと覚えてる?もう魔王様とラスに会えないかと思って寂しかったよ』
尻尾がちぎれんばかりにぶんぶんと振られ、ラスの顔を舐めようと近付いてきたケルベロスの真ん中の頭に思いきりコハクの拳骨がめり込むと…大人しくなった。
『きゃいんっ』
「ちょっと大所帯になるからチビと俺はこっちに乗るからな」
「え、どっち?」
「こっちー」
――コハクが空を仰ぐ。
ラスもつられて快晴の青空を見上げると、コハクが今度はしなやかな腕を空に向けて伸ばし、それを呼んだ。
「エロドラゴン、出番だぞ」
ドラゴンと聞いてリロイたちが色めき立つと、遠くから何かとてつもなく恐ろしい鳴き声が聴こえた。
「コー、あのドラゴンを呼んだの?」
「そ。チビへの態度はむかつくけどあいつに役立ってもらう。こっちの世界じゃドラゴンは神みたいなもんだからな」
そして小さかった黒い点がみるみる大きくなり、頭上で旋回するとその巨体を現わした。
リロイたち、唖然。
「今日イエローストーン王国に視察に行くんだって?私のプリンセス、気を付けるんだよ」
「うんっ、わかった!」
「はあ?俺がついてんだから何も起きねえし。それよかぜってぇ約束は守ってもらうからな」
「男に二言はない。リロイ、白騎士団の隊長としてイエローストーン王国の再建に尽力しなさい。楽しみにしているよ」
「はい、カイ陛下。お任せを」
白騎士の鎧を着こなし、片膝をついて忠誠を尽くすリロイはやはり勇者様。
ラスもティアラもうっとりしてしまい、焦った魔王はラスが喋れないようにブルーベリーの実を口に突っ込むと抱っこして席を立ち、中庭に降り立った。
「よーし、ワン公、来い」
『魔王様ー、久しぶりー』
大地に掌を翳すと魔法陣が浮かび上がり、そこから3つの頭を持った真っ黒で巨大な犬が現れた。
魔犬ケルベロスは地獄の番人で恐れられる存在だが、ラスは逆に瞳を輝かせてケルベロスに手を伸ばした。
「ワンちゃんっ」
『ラスっ、僕のこと覚えてる?もう魔王様とラスに会えないかと思って寂しかったよ』
尻尾がちぎれんばかりにぶんぶんと振られ、ラスの顔を舐めようと近付いてきたケルベロスの真ん中の頭に思いきりコハクの拳骨がめり込むと…大人しくなった。
『きゃいんっ』
「ちょっと大所帯になるからチビと俺はこっちに乗るからな」
「え、どっち?」
「こっちー」
――コハクが空を仰ぐ。
ラスもつられて快晴の青空を見上げると、コハクが今度はしなやかな腕を空に向けて伸ばし、それを呼んだ。
「エロドラゴン、出番だぞ」
ドラゴンと聞いてリロイたちが色めき立つと、遠くから何かとてつもなく恐ろしい鳴き声が聴こえた。
「コー、あのドラゴンを呼んだの?」
「そ。チビへの態度はむかつくけどあいつに役立ってもらう。こっちの世界じゃドラゴンは神みたいなもんだからな」
そして小さかった黒い点がみるみる大きくなり、頭上で旋回するとその巨体を現わした。
リロイたち、唖然。