魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ケルベロスとドラちゃんの背からそれぞれ降り立つと、コハクは1度大きく息を吸ってラスの肩を抱いた。
「コー?」
「ここは地盤が緩いからノームを呼ぶ。あのさ、俺これからすげえ疲れることやるから帰ったら俺を癒してくれよな」
「うん、わかった。よしよし」
精一杯背伸びをしたラスから頭を撫でられてうきうきになった魔王は、脚でとんと地面を叩くと手を地面に翳し、名を呼んだ。
「ノーム、協力してくれ」
『ほら来たぞ、この老人をこき使うつもりじゃな』
「地面固めてくれるだけでいいんだ。頼むよ」
ラスの膝までしか背丈の無いつるつる頭で真っ白な長いひげを生やしたノームが魔法陣の中から現れると、ラスが抱っこした。
「ノームさんっ」
『おお、あのチビっ娘か。あちらではあまり会話できんかったが、まあ協力してやろう。…ほいっ』
ノームがラスの腕の中で両腕を広げると、2年前に訪れた時に地割れを起こして大きな亀裂が入っていた大地がぱきんという大きな音を立てた。
『これでこれ以上崩れることはない。後はサラマンダーたちの出番じゃろ。また儂に手伝えることがあれば呼びなさい』
――四精霊を召喚できるのは、もうコハクしか居ない。
何度見ても慣れない光景にリロイたちがまごついていると、ローズマリーが1歩進み出てラスの腕の中のノームに笑いかけた。
「お久しぶりね、ノーム」
『ローズマリーか。何百年以来だ?また会えて嬉しく思うぞ』
淡いピンクの長い髪を揺らしながらローズマリーが頷き、横に立っていたオーディンとノームが目を合わせると、互いに頭を下げた。
「?オーディンさんとノームさんは知り合いなの?」
「まあそんなとこ。ほらチビ、行くぞ。お前ら亀裂に落ちるんじゃねえぞ、助けねえからな」
ノームが消え、コハクがラスをさっと抱っこすると、一同は一旦別れた。
コハクとラスは城内へ。
オーディンは皆を率いて城下町へ。
人々は凍り付いたまま、コハクたちを出迎える。
穏やかな死を迎えるために、コハクたちを待っている。
「コー?」
「ここは地盤が緩いからノームを呼ぶ。あのさ、俺これからすげえ疲れることやるから帰ったら俺を癒してくれよな」
「うん、わかった。よしよし」
精一杯背伸びをしたラスから頭を撫でられてうきうきになった魔王は、脚でとんと地面を叩くと手を地面に翳し、名を呼んだ。
「ノーム、協力してくれ」
『ほら来たぞ、この老人をこき使うつもりじゃな』
「地面固めてくれるだけでいいんだ。頼むよ」
ラスの膝までしか背丈の無いつるつる頭で真っ白な長いひげを生やしたノームが魔法陣の中から現れると、ラスが抱っこした。
「ノームさんっ」
『おお、あのチビっ娘か。あちらではあまり会話できんかったが、まあ協力してやろう。…ほいっ』
ノームがラスの腕の中で両腕を広げると、2年前に訪れた時に地割れを起こして大きな亀裂が入っていた大地がぱきんという大きな音を立てた。
『これでこれ以上崩れることはない。後はサラマンダーたちの出番じゃろ。また儂に手伝えることがあれば呼びなさい』
――四精霊を召喚できるのは、もうコハクしか居ない。
何度見ても慣れない光景にリロイたちがまごついていると、ローズマリーが1歩進み出てラスの腕の中のノームに笑いかけた。
「お久しぶりね、ノーム」
『ローズマリーか。何百年以来だ?また会えて嬉しく思うぞ』
淡いピンクの長い髪を揺らしながらローズマリーが頷き、横に立っていたオーディンとノームが目を合わせると、互いに頭を下げた。
「?オーディンさんとノームさんは知り合いなの?」
「まあそんなとこ。ほらチビ、行くぞ。お前ら亀裂に落ちるんじゃねえぞ、助けねえからな」
ノームが消え、コハクがラスをさっと抱っこすると、一同は一旦別れた。
コハクとラスは城内へ。
オーディンは皆を率いて城下町へ。
人々は凍り付いたまま、コハクたちを出迎える。
穏やかな死を迎えるために、コハクたちを待っている。