魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「コー…お父さんとお母さんのこと聞かなくっていいの?どうしてここに捨てられたのか知りたくないの?」
ラスにとても心配されてものすごく嬉しそうな笑みを浮かべたコハクは、ラスを膝に乗せて頬ずりすると頭を抱いて抱きしめた。
「いいんだ。知ったっていい気分じゃない内容だろうし、俺がここに捨てられて、水晶に命を助けてもらって、ローズマリーに育ててもらった。ここに捨てられたから俺は今でも魔法を使うことができる。な、俺ってラッキーな奴だろ?」
前向きな発言にラスはコハクの背中に腕を回して撫でると頬にキスをした。
「うん、みんながコーを育ててくれたから今があるんだよね。コーのお母さん、コーを助けてくれてありがとう」
『いいえ、私たちの方こそ。それよりもこの子を助けてくれてありがとう。何かお礼がしたいけれど…』
イエローストーン王国から連れ帰ってきた水晶の精が姿を現わして頭を下げてきたので、ラスも丁寧に頭を下げていると、コハクはぴんとした顔をして周りをぐるりと見回した。
「コー?」
「あのさあ、イエローストーン王国を再建したいんだ。で、1つだけ協力してほしいことがあんだけど」
『なんでも言って。私たちにできることならなんでもするわ』
「王国を再建したとしても魔物が襲ってきたら意味がねえ。だけど俺が頂いた聖石は半分欠けてしまったから使い物にならねえ。でさ…」
『聖石に代わる水晶が欲しいのね?魔物から守ればいいの?それだけ?』
――とにかくコハクの力になりたいのかしきりに問いを重ねる水晶の森の女王は、キスをするような近さでコハクの真っ赤な瞳を見つめると、コハクは少し照れてしまいながら頷いた。
「それだけでいい。…協力してくれるか?」
『ええもちろん。コハク…私を連れ行って」
その答えを予想していなかったコハクが目を丸くすると、それがおかしかったのか水晶の森の女王は口元を手で隠しながら笑い、大木のような自身を見上げた。
『欠片を持って行って。お前の好きな大きさでいいわ。お前が再建する王国の姿を私も見てみたい』
「わあ…、コー、良かったね!コーのお母さん、ありがとう!」
嬉しがるラスに瞳を細めた。
ラスにとても心配されてものすごく嬉しそうな笑みを浮かべたコハクは、ラスを膝に乗せて頬ずりすると頭を抱いて抱きしめた。
「いいんだ。知ったっていい気分じゃない内容だろうし、俺がここに捨てられて、水晶に命を助けてもらって、ローズマリーに育ててもらった。ここに捨てられたから俺は今でも魔法を使うことができる。な、俺ってラッキーな奴だろ?」
前向きな発言にラスはコハクの背中に腕を回して撫でると頬にキスをした。
「うん、みんながコーを育ててくれたから今があるんだよね。コーのお母さん、コーを助けてくれてありがとう」
『いいえ、私たちの方こそ。それよりもこの子を助けてくれてありがとう。何かお礼がしたいけれど…』
イエローストーン王国から連れ帰ってきた水晶の精が姿を現わして頭を下げてきたので、ラスも丁寧に頭を下げていると、コハクはぴんとした顔をして周りをぐるりと見回した。
「コー?」
「あのさあ、イエローストーン王国を再建したいんだ。で、1つだけ協力してほしいことがあんだけど」
『なんでも言って。私たちにできることならなんでもするわ』
「王国を再建したとしても魔物が襲ってきたら意味がねえ。だけど俺が頂いた聖石は半分欠けてしまったから使い物にならねえ。でさ…」
『聖石に代わる水晶が欲しいのね?魔物から守ればいいの?それだけ?』
――とにかくコハクの力になりたいのかしきりに問いを重ねる水晶の森の女王は、キスをするような近さでコハクの真っ赤な瞳を見つめると、コハクは少し照れてしまいながら頷いた。
「それだけでいい。…協力してくれるか?」
『ええもちろん。コハク…私を連れ行って」
その答えを予想していなかったコハクが目を丸くすると、それがおかしかったのか水晶の森の女王は口元を手で隠しながら笑い、大木のような自身を見上げた。
『欠片を持って行って。お前の好きな大きさでいいわ。お前が再建する王国の姿を私も見てみたい』
「わあ…、コー、良かったね!コーのお母さん、ありがとう!」
嬉しがるラスに瞳を細めた。