魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「あー…、チビ?あ、あのさあ、やっぱ俺その水晶触りたいなー。触らしてくれないかなー」
ラスの胸の谷間にしっかり挟まっている水晶…いや、胸から目が離せない色ぼけ魔王が生唾を呑み込むと、ラスは冷たい風に身体を縮めながら首を振った。
「駄目だよ、落っことしたら危ないもん」
「じゃあ!着いたらすぐ!そこから俺が抜くし!」
俄然コーフンしきりの上ずった声を出してしまい、ラスがくすくす笑いながら見えてきた空中庭園から手を振っているティアラたちを指差した。
「もうみんな集まってるね!コー、これからどうするの?」
「最初にサラマンダー召喚して、次にセイレーンとウンディーネとノーム。今日はサラマンダーだけだ。あいつと話すの気合い要るんだよなー」
「私からもお願いしてみるから。コー、がんばろ」
――無邪気に笑うラスは2年前と同じだが、より綺麗になって、より輝いて見えるようになった。
しかも相変わらず疎いところがあり、それが余計に魔王を燃え上がらせていることにラスは全く気付いていない。
「みんなー、ただいまー」
「ラス、大丈夫だった?」
ラスを諦めたとは言え、それでもラス至上主義には変わりないリロイがマントを風にはためかせながらラスに手を伸ばすと、その手をラスが当たり前のように握ってリロイの腰に抱き着いた。
「あーっ!チビ!やめなさい!」
「あのね、これ見て」
「…!ら、ラス…なんてところに挟んでるの…」
「落ちないとこっていったらここしか思いつかなかったの。コーのお母さんがくれたんだよ」
「影の…お母さん?」
「まーその話は置いといて!まずチビこっちに来い!オーディン、お前は四精霊との交渉に付き合え。他は別命あるまで待機!」
隣に移動してきたラスの胸に相変らず釘付けな魔王の様子を見たローズマリーが、ラスのコートのボタンをしっかり上まで留めると明らかに魔王、がっかり。
「さ、これで集中できるでしょ?しっかりやってちょうだい」
「ふん、言われなくてもちゃんとやるし。俺はチビの勇者様だからな!」
胸を反らして大威張り。
ラスの胸の谷間にしっかり挟まっている水晶…いや、胸から目が離せない色ぼけ魔王が生唾を呑み込むと、ラスは冷たい風に身体を縮めながら首を振った。
「駄目だよ、落っことしたら危ないもん」
「じゃあ!着いたらすぐ!そこから俺が抜くし!」
俄然コーフンしきりの上ずった声を出してしまい、ラスがくすくす笑いながら見えてきた空中庭園から手を振っているティアラたちを指差した。
「もうみんな集まってるね!コー、これからどうするの?」
「最初にサラマンダー召喚して、次にセイレーンとウンディーネとノーム。今日はサラマンダーだけだ。あいつと話すの気合い要るんだよなー」
「私からもお願いしてみるから。コー、がんばろ」
――無邪気に笑うラスは2年前と同じだが、より綺麗になって、より輝いて見えるようになった。
しかも相変わらず疎いところがあり、それが余計に魔王を燃え上がらせていることにラスは全く気付いていない。
「みんなー、ただいまー」
「ラス、大丈夫だった?」
ラスを諦めたとは言え、それでもラス至上主義には変わりないリロイがマントを風にはためかせながらラスに手を伸ばすと、その手をラスが当たり前のように握ってリロイの腰に抱き着いた。
「あーっ!チビ!やめなさい!」
「あのね、これ見て」
「…!ら、ラス…なんてところに挟んでるの…」
「落ちないとこっていったらここしか思いつかなかったの。コーのお母さんがくれたんだよ」
「影の…お母さん?」
「まーその話は置いといて!まずチビこっちに来い!オーディン、お前は四精霊との交渉に付き合え。他は別命あるまで待機!」
隣に移動してきたラスの胸に相変らず釘付けな魔王の様子を見たローズマリーが、ラスのコートのボタンをしっかり上まで留めると明らかに魔王、がっかり。
「さ、これで集中できるでしょ?しっかりやってちょうだい」
「ふん、言われなくてもちゃんとやるし。俺はチビの勇者様だからな!」
胸を反らして大威張り。