魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
部屋に着くと、まず魔法で暖炉に炎を灯し、ラスを前に座らせて毛布で何重にもぐるぐる巻きにするとバスルームにお湯を張り、小さく震える身体を擦ってやった。
「大丈夫だよコー、ちょっと寒かっただけだから」
「無理すんなって。チビ、大丈夫か?」
唇も真っ青で、それでも心配させまいと気丈に笑みを浮かべるラスに瞳を細めたコハクはいきなり着ていた黒いシャツをがばっと脱いだ。
「コー?」
「人肌の方が断然あったかいぜ。それにっ、俺が風呂に入れてやるしっ」
――逸る気持ちがいつも空回りするコハクが面白かったのだが…いつもいつも自分を求めてくれていることが嬉しい。
まだ再会して数日しか経っていない。
コハクのことがとても大切で愛しいと気付いてからすぐにコハクを失い、いつだってコハクの傍に居たいし、いつも見ていてもらいたい。
…時々ちょっとウザくなるのだが、それは内緒。
「じゃあ私も脱ぐ」
「お、お、おうっ。……駄目だ見てらんねえ!」
脱がせるのは得意なくせに、ラス自らがコートを脱いでドレスのファスナーを下げると、背を向けていた魔王がちらっと肩越しに盗み見してきた。
「コー、早くあっためて」
「ん。…チビめ、色気まで習得したのか。俺が教えることは少なそうだなあ」
「そんなことないよ、おしべとめしべの授業も受けてないし、赤ちゃんがどこからやってくるのかも知らないもん」
「おしべとめしべはともかくガキは俺から………まあいいや、こっち来い」
コハクに身を寄せて引っ付くと、固くて引き締まった身体からはあたたかくてとても速い鼓動が聴こえ、顔を上げるとコハクがにかっと笑い、額にちゅっとキスをしてくると、転がった水晶に目を遣った。
「水晶、触りたいんでしょ?とっても綺麗だね」
「俺が触りたいのはチビだけ。それに…水晶より何万倍もチビの方が綺麗だ」
「コー…」
「…いいよな?」
――何を聴かれているのか、さすがにラスにもわかった。
ゆっくりと絨毯の上に押し倒されると、コハクの赤い瞳が和らぎ、ラスは唇を求めた。
「コー、いつも一緒だよ」
絶対に――
「大丈夫だよコー、ちょっと寒かっただけだから」
「無理すんなって。チビ、大丈夫か?」
唇も真っ青で、それでも心配させまいと気丈に笑みを浮かべるラスに瞳を細めたコハクはいきなり着ていた黒いシャツをがばっと脱いだ。
「コー?」
「人肌の方が断然あったかいぜ。それにっ、俺が風呂に入れてやるしっ」
――逸る気持ちがいつも空回りするコハクが面白かったのだが…いつもいつも自分を求めてくれていることが嬉しい。
まだ再会して数日しか経っていない。
コハクのことがとても大切で愛しいと気付いてからすぐにコハクを失い、いつだってコハクの傍に居たいし、いつも見ていてもらいたい。
…時々ちょっとウザくなるのだが、それは内緒。
「じゃあ私も脱ぐ」
「お、お、おうっ。……駄目だ見てらんねえ!」
脱がせるのは得意なくせに、ラス自らがコートを脱いでドレスのファスナーを下げると、背を向けていた魔王がちらっと肩越しに盗み見してきた。
「コー、早くあっためて」
「ん。…チビめ、色気まで習得したのか。俺が教えることは少なそうだなあ」
「そんなことないよ、おしべとめしべの授業も受けてないし、赤ちゃんがどこからやってくるのかも知らないもん」
「おしべとめしべはともかくガキは俺から………まあいいや、こっち来い」
コハクに身を寄せて引っ付くと、固くて引き締まった身体からはあたたかくてとても速い鼓動が聴こえ、顔を上げるとコハクがにかっと笑い、額にちゅっとキスをしてくると、転がった水晶に目を遣った。
「水晶、触りたいんでしょ?とっても綺麗だね」
「俺が触りたいのはチビだけ。それに…水晶より何万倍もチビの方が綺麗だ」
「コー…」
「…いいよな?」
――何を聴かれているのか、さすがにラスにもわかった。
ゆっくりと絨毯の上に押し倒されると、コハクの赤い瞳が和らぎ、ラスは唇を求めた。
「コー、いつも一緒だよ」
絶対に――