魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
それからというもののラスはローズマリーとオーディンのことで頭がいっぱいになり、また頭痛の種ができてしまった魔王は強風にラスがさらわれないように背中からきつく抱きしめながらぼやいた。
「チビはさあ、あいつらのことより考えなきゃいけねえことがあるんじゃね?」
「え?何を?ねえねえコー、放浪の定めって言っても愛してる人とは一緒に居たいものでしょ?オーディンさんがお師匠さんのことを本当に好きになったら…」
「どうだかなあ…あいつはいまいち謎すぎるし俺もよくわかんね。だーかーらー、チビは俺とのことだけ考えてればいいの!」
「いっつも考えてるよ?コーの馬鹿、全然私の気持ち伝わってない!」
特大のきゅんが胸から聴こえた魔王はぷんすかになってしまったラスが可愛くて仕方がなくなり、べたべたしながらでれでれするとドラちゃんが首をねじって睨みつけて、優越感。
「伝わってるって!だから精霊界まで捜しに来てくれたんだろ?ちーびー、こっち向けって」
やわらかく呼びかけると、ラスがゆっくりと振り向き、小さなキスをすると手綱を握りしめてドラちゃんを空中庭園の上で旋回させた。
「コーはずっと寝てたんだから私のことなんて夢にも出て来なかったでしょ?…私の夢にだってコーは1回しか出てきてくれなかった。だから私…」
「チビはずーっと夢に出て来てたぜ。チビと結婚して、チビ似のかーわいい天使ちゃんの集団に囲まれてでれでれしながら暮らしてた。ま、もうすぐ現実になるけどな」
「天使ちゃんの集団?私は何人赤ちゃん生めばいいの?」
「たーくさん!もうすぐチビは俺と同じ永遠を生きる者になるんだ。チビが“いやだ”って言うまで生んでもらうんだー」
――子供のような笑顔で笑いかけてきたコハクを男として認識し、女としての喜びを目覚めさせてくれた男は手綱を絞って空中庭園へ降り立ち、ラスが滑らないように抱っこして下ろすと、ケルベロスに乗っているリロイたちの到着を空を見上げて待ちながら、耳にキスをした。
「生まれてくる子供たちも…死なないの?」
「さあ、わかんねえけど生んでみりゃわかることだし。それももうすぐ!」
ラスと見つめ合い、にっこり。
「チビはさあ、あいつらのことより考えなきゃいけねえことがあるんじゃね?」
「え?何を?ねえねえコー、放浪の定めって言っても愛してる人とは一緒に居たいものでしょ?オーディンさんがお師匠さんのことを本当に好きになったら…」
「どうだかなあ…あいつはいまいち謎すぎるし俺もよくわかんね。だーかーらー、チビは俺とのことだけ考えてればいいの!」
「いっつも考えてるよ?コーの馬鹿、全然私の気持ち伝わってない!」
特大のきゅんが胸から聴こえた魔王はぷんすかになってしまったラスが可愛くて仕方がなくなり、べたべたしながらでれでれするとドラちゃんが首をねじって睨みつけて、優越感。
「伝わってるって!だから精霊界まで捜しに来てくれたんだろ?ちーびー、こっち向けって」
やわらかく呼びかけると、ラスがゆっくりと振り向き、小さなキスをすると手綱を握りしめてドラちゃんを空中庭園の上で旋回させた。
「コーはずっと寝てたんだから私のことなんて夢にも出て来なかったでしょ?…私の夢にだってコーは1回しか出てきてくれなかった。だから私…」
「チビはずーっと夢に出て来てたぜ。チビと結婚して、チビ似のかーわいい天使ちゃんの集団に囲まれてでれでれしながら暮らしてた。ま、もうすぐ現実になるけどな」
「天使ちゃんの集団?私は何人赤ちゃん生めばいいの?」
「たーくさん!もうすぐチビは俺と同じ永遠を生きる者になるんだ。チビが“いやだ”って言うまで生んでもらうんだー」
――子供のような笑顔で笑いかけてきたコハクを男として認識し、女としての喜びを目覚めさせてくれた男は手綱を絞って空中庭園へ降り立ち、ラスが滑らないように抱っこして下ろすと、ケルベロスに乗っているリロイたちの到着を空を見上げて待ちながら、耳にキスをした。
「生まれてくる子供たちも…死なないの?」
「さあ、わかんねえけど生んでみりゃわかることだし。それももうすぐ!」
ラスと見つめ合い、にっこり。