魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
解凍されたばかりでほかほかの土の状態は良好で、植木鉢を大切そうに抱えたラスを抱っこしたコハクは、視界の隅にちらりと映ったものを見て…肩を落とした。
「ちっ、あいつらか」
「どうした?何か変わったのか?」
「あいつらはフローズンだ。氷属性の犬くらいの蜥蜴で、寒い場所に住み着く。めんどいことになったなー、あいつら繁殖力すげえからなー」
「私が退治する。お前はラスと空中庭園に戻っていてくれ」
…凛々しすぎる。
いやな予感が的中した魔王がそろーっと視線を下げると…ラスの瞳はハート形になっていた。
「グラース…かっこいい!」
「それは褒め言葉じゃない」
苦笑しながら長剣を抜いたグラースは、リロイと同じ白騎士の鎧を着用している。
2人並んで立てば、あっという間に“勇者様”2丁が出来上がり、ラスはいつも何かと入っては2人を並ばせようと躍起になっていた。
「そんなに金髪がいいか?……髪…色変えよっかな…」
「駄目だよ、コーの真っ黒くてさらさらした髪大好きなんだからっ」
いじけた発言をすると、ラスがすぐ反論してくれて、魔王の機嫌はあっという間に急上昇。
「そっかー?でも…勇者様は金髪じゃなきゃ駄目なんだろ?」
ラスはすぐさま首を縦に振りながらも、コハクの首に腕を回すと耳たぶにちゅっとキスをして、魔王…爆発寸前。
「コーはもう私の勇者様だよ。リロイやグラースはみんなの勇者様だけど、コーは私のだけなの。わかった?」
「わかりました!だからチビ、あちこち触んないで!爆発しそうだから!」
嬌声を上げる色ぼけ魔王に肩を竦めたグラースは、またちょこまかと走る水色の蜥蜴を発見し、手を振った。
「早く上へ。生け捕りにできたら一匹持って行く」
「ああ、実験してみてえからよろしく。……なんだよチビ、ガン見しないでほしいんですけど」
コハクが髪を結んでいる姿はとても珍しく、一応立派な害獣が走り回っているにも関わらず、熱心にコハクを見つめ、鼻をちょんと押した。
「久しぶりにコーの眼鏡姿も見たいな」
「じゃあ後でベッドの中でな」
2年前ならその意味が通じなかったが、今は…
「ちっ、あいつらか」
「どうした?何か変わったのか?」
「あいつらはフローズンだ。氷属性の犬くらいの蜥蜴で、寒い場所に住み着く。めんどいことになったなー、あいつら繁殖力すげえからなー」
「私が退治する。お前はラスと空中庭園に戻っていてくれ」
…凛々しすぎる。
いやな予感が的中した魔王がそろーっと視線を下げると…ラスの瞳はハート形になっていた。
「グラース…かっこいい!」
「それは褒め言葉じゃない」
苦笑しながら長剣を抜いたグラースは、リロイと同じ白騎士の鎧を着用している。
2人並んで立てば、あっという間に“勇者様”2丁が出来上がり、ラスはいつも何かと入っては2人を並ばせようと躍起になっていた。
「そんなに金髪がいいか?……髪…色変えよっかな…」
「駄目だよ、コーの真っ黒くてさらさらした髪大好きなんだからっ」
いじけた発言をすると、ラスがすぐ反論してくれて、魔王の機嫌はあっという間に急上昇。
「そっかー?でも…勇者様は金髪じゃなきゃ駄目なんだろ?」
ラスはすぐさま首を縦に振りながらも、コハクの首に腕を回すと耳たぶにちゅっとキスをして、魔王…爆発寸前。
「コーはもう私の勇者様だよ。リロイやグラースはみんなの勇者様だけど、コーは私のだけなの。わかった?」
「わかりました!だからチビ、あちこち触んないで!爆発しそうだから!」
嬌声を上げる色ぼけ魔王に肩を竦めたグラースは、またちょこまかと走る水色の蜥蜴を発見し、手を振った。
「早く上へ。生け捕りにできたら一匹持って行く」
「ああ、実験してみてえからよろしく。……なんだよチビ、ガン見しないでほしいんですけど」
コハクが髪を結んでいる姿はとても珍しく、一応立派な害獣が走り回っているにも関わらず、熱心にコハクを見つめ、鼻をちょんと押した。
「久しぶりにコーの眼鏡姿も見たいな」
「じゃあ後でベッドの中でな」
2年前ならその意味が通じなかったが、今は…