魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
有り得ないはずなのに…
復活したドラちゃんの背に乗ったのはコハクだけで、ラスはケルベロスの背に乗り込むと、真ん中の頭を撫でた。
「帰りはこっちに乗せてね」
『わー、チビだー!安全運転するね!』
ブルーストーン王国までの道中、一言も言葉を発さなかったケルベロスが、ラスには主の魔王以上に懐き、尻尾を振りまくる様に、オーディンは苦笑しながらコハクに頭を下げた。
「ラス王女はお任せを」
「ちょっと待て!俺だけがこっちなのか?チビ、一緒にこっちに…」
「やっ。ワンちゃん、行こ!グリーンリバーまで連れてって!」
3つの首がコハクに向かって舌を出し、空を蹴りながらあっという間に居なくなると、時々女の表情と態度を見せるラスにいつになくコハクはときめきを覚えた。
「やべえ…超きゅんきゅんするんですけど」
『早く行くぞ』
ふっと息を吐くと、ベルルにお使いを出した件について、ラスに絶対に話しておかなくてはいけないことを思い出し、しばらくの間ヘンタイ発言は控えようと決意した。
「早くガキができねえかなー。チビと俺のガキか…超見てぇ!」
妄想だけは日々たくましくなっていた。
――そしてラスはコハクと住むことになるグリーンリバーにあっという間に着き、オーディンが密かに魔法を使ってケルベロスをグリーンストーンの結界内に入れると、金色の花々が咲き乱れる屋上を旋回した。
…そこは、ラスとコハクだけしか入れない逢瀬の場。
ここでラスとコハクがはじめて結ばれたことは知らなかったが、勝手に入るとひどく怒られるのは目に見えていたので、正門前に降り立つと改造済みの魔物たちが出迎えてくれた。
「ラス様、お久しぶりです!」
「わあ、みんな!相変わらずエプロンしてるんだね!」
ラスの極上の笑顔に一同がでれーっとなっていると、黒い弾丸が飛んでくるのが見えたので、ラスが慌てて城内に駆け込んだ。
「ラスったら照れちゃって可愛いわ」
「さ、ここは私たち女の出番よ。絶対聞き出してやりましょう」
ローズマリーとティアラの手がわきわきと動いた。
復活したドラちゃんの背に乗ったのはコハクだけで、ラスはケルベロスの背に乗り込むと、真ん中の頭を撫でた。
「帰りはこっちに乗せてね」
『わー、チビだー!安全運転するね!』
ブルーストーン王国までの道中、一言も言葉を発さなかったケルベロスが、ラスには主の魔王以上に懐き、尻尾を振りまくる様に、オーディンは苦笑しながらコハクに頭を下げた。
「ラス王女はお任せを」
「ちょっと待て!俺だけがこっちなのか?チビ、一緒にこっちに…」
「やっ。ワンちゃん、行こ!グリーンリバーまで連れてって!」
3つの首がコハクに向かって舌を出し、空を蹴りながらあっという間に居なくなると、時々女の表情と態度を見せるラスにいつになくコハクはときめきを覚えた。
「やべえ…超きゅんきゅんするんですけど」
『早く行くぞ』
ふっと息を吐くと、ベルルにお使いを出した件について、ラスに絶対に話しておかなくてはいけないことを思い出し、しばらくの間ヘンタイ発言は控えようと決意した。
「早くガキができねえかなー。チビと俺のガキか…超見てぇ!」
妄想だけは日々たくましくなっていた。
――そしてラスはコハクと住むことになるグリーンリバーにあっという間に着き、オーディンが密かに魔法を使ってケルベロスをグリーンストーンの結界内に入れると、金色の花々が咲き乱れる屋上を旋回した。
…そこは、ラスとコハクだけしか入れない逢瀬の場。
ここでラスとコハクがはじめて結ばれたことは知らなかったが、勝手に入るとひどく怒られるのは目に見えていたので、正門前に降り立つと改造済みの魔物たちが出迎えてくれた。
「ラス様、お久しぶりです!」
「わあ、みんな!相変わらずエプロンしてるんだね!」
ラスの極上の笑顔に一同がでれーっとなっていると、黒い弾丸が飛んでくるのが見えたので、ラスが慌てて城内に駆け込んだ。
「ラスったら照れちゃって可愛いわ」
「さ、ここは私たち女の出番よ。絶対聞き出してやりましょう」
ローズマリーとティアラの手がわきわきと動いた。