魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
焦った様子でラスを捜しまくっているコハクとは対照的に、ローズマリーとティアラはのほほんとした足取りで城内を散策していた。
「何が起きたと思いますか?」
「ラスのこと?そうねえ、どうせコハクがやらしいことでもしようとしたんでしょ」
さすが長年コハクと共に暮らし、知り尽くした様子で城内を歩いていると、客室が並んでいるフロアのドアがかちゃりと開いた。
「てぃ、ティアラっ」
「ラス…どうしたの?」
熱があるのか真っ赤な顔をして手招きをされたので、こそこそと中へ入ると、きょろきょろと警戒しながらドアを閉め、その場にうずくまった。
「コーが変なこと言うの。だからなんか…コーのことがまともに見れなくなっちゃって…」
「なんて言われたの?どうせヘンタイ的なことでしょ」
「…コーの眼鏡姿が見たいって言ったら…“ベッドの上で”って……ゃだっ、コーの馬鹿!」
ローズマリーとティアラは顔を見合わせ、ティアラだけがラスのように顔を真っ赤にした。
2人して手で顔をぱたぱたと仰ぎ、ローズマリーは呆れたように肩を竦めた。
「それだけ?」
「え!?それだけって……だって…」
「一緒に毎日寝てるんでしょ?つまり…そういうことも毎日してるってことでしょ?」
――とうとう耐えきれなくなったラスがだっと走るとベッドの中に頭を突っ込んでしまい、お尻は出たまま。
「そうだけど…そんな風にストレートに言われたことなくて…いつもよくわかんないこと言うのに急にそんなこと言うから…」
「至極当然のことじゃないの。…コハクは昔から家族を求めてたわ。自分だけの居場所を求めてた。それがラス、あなたなのよ。だからあなたと家族を作りたいと思ってるし、だから毎日愛されてるのよ。コハクのこと、わかってあげてちょうだい」
…コハクのことを自分よりも理解している…
ローズマリーのそんな口ぶりにちりちりと嫉妬を覚えたラスは、自分が今どんな顔をしているのかもわからず、けれどきっと笑えない…
そんな確信があって“頭隠して尻隠さず”状態で居ると、誰かがノックをした。
「おい、そこにチビが…」
…やって来た。
「何が起きたと思いますか?」
「ラスのこと?そうねえ、どうせコハクがやらしいことでもしようとしたんでしょ」
さすが長年コハクと共に暮らし、知り尽くした様子で城内を歩いていると、客室が並んでいるフロアのドアがかちゃりと開いた。
「てぃ、ティアラっ」
「ラス…どうしたの?」
熱があるのか真っ赤な顔をして手招きをされたので、こそこそと中へ入ると、きょろきょろと警戒しながらドアを閉め、その場にうずくまった。
「コーが変なこと言うの。だからなんか…コーのことがまともに見れなくなっちゃって…」
「なんて言われたの?どうせヘンタイ的なことでしょ」
「…コーの眼鏡姿が見たいって言ったら…“ベッドの上で”って……ゃだっ、コーの馬鹿!」
ローズマリーとティアラは顔を見合わせ、ティアラだけがラスのように顔を真っ赤にした。
2人して手で顔をぱたぱたと仰ぎ、ローズマリーは呆れたように肩を竦めた。
「それだけ?」
「え!?それだけって……だって…」
「一緒に毎日寝てるんでしょ?つまり…そういうことも毎日してるってことでしょ?」
――とうとう耐えきれなくなったラスがだっと走るとベッドの中に頭を突っ込んでしまい、お尻は出たまま。
「そうだけど…そんな風にストレートに言われたことなくて…いつもよくわかんないこと言うのに急にそんなこと言うから…」
「至極当然のことじゃないの。…コハクは昔から家族を求めてたわ。自分だけの居場所を求めてた。それがラス、あなたなのよ。だからあなたと家族を作りたいと思ってるし、だから毎日愛されてるのよ。コハクのこと、わかってあげてちょうだい」
…コハクのことを自分よりも理解している…
ローズマリーのそんな口ぶりにちりちりと嫉妬を覚えたラスは、自分が今どんな顔をしているのかもわからず、けれどきっと笑えない…
そんな確信があって“頭隠して尻隠さず”状態で居ると、誰かがノックをした。
「おい、そこにチビが…」
…やって来た。