魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
白いテーブルの上に袋を置き、中を開くと、最初に見たラスに向かって大きく口を開いた。
「おいこらてめえ、ふざけたことすんじゃねえぞ」
首をがっちり掴んででこぴんをするとすぐに大人しくなり、がたがたと身を震わせながらまん丸になったので、ラスが額を撫でてやり、フローズンを庇った。
「可哀そうだよ」
「可哀そうじゃねえし。こいつらが湧いてるから復興が遅れてるんだぞ。いいからチビ、見てろって」
フローズンの目に布を巻いて視界を塞ぐと、少し冷たい全身を撫でながら何かを探っていた。
その間ラスは邪魔にならないように椅子に座り、コハクの横顔を見つめていた。
――鼻が高く、唇は薄いが下唇が少しふっくらしていて、眉は上がっていて、赤い切れ長の瞳は最高級のガーネットやルビーよりも綺麗だ。
皆からよく“性格が悪い”と言われているが、そう感じたことはあまりない。
自分が無知なせいもあるのだが、大切にしてくれていることは確かなので、不満を抱いたことはない。
強いて言うならば…
女癖が悪いところだろうか。
2年前、様々な姫君たちと深い仲になったこと…実はちょっとだけ根に持っている。
「私がもしコーみたいに改造できるなら、コーの女癖を治したいな」
「んっ?ごめん、今なんか言ったか?集中してて聴こえなかったからも1回言ってくれ」
「ううん、なんでもなーい。あっ、コー、お腹のとこが光ってる!」
「あー、ここかー。じゃあ見てろよ」
フローズンのお腹が小さく光り、そこにコハクの指がメスも使わずに潜っていった。
こつんと何かが指にあたるような音がすると、ばたばたと暴れていたフローズンが大人しくなり、そしてコハクの手には、真っ黒な小さな石が乗っていた。
「それ…なあに?」
「これがあいつらを悪くしてる根源なんだ。これを取ったからもうこいつは安全。チビ、触ってみろよ」
「うん、わかった」
目隠しを取ると、フローズンの黄色の瞳はきょとんとしていて、ラスと目が合うと首を傾げてのそりと歩いて近寄り、長い舌でラスの手をぺろんと舐めた。
「わあ、可愛い!」
「へっへー、俺って天才!」
自画絶賛。
「おいこらてめえ、ふざけたことすんじゃねえぞ」
首をがっちり掴んででこぴんをするとすぐに大人しくなり、がたがたと身を震わせながらまん丸になったので、ラスが額を撫でてやり、フローズンを庇った。
「可哀そうだよ」
「可哀そうじゃねえし。こいつらが湧いてるから復興が遅れてるんだぞ。いいからチビ、見てろって」
フローズンの目に布を巻いて視界を塞ぐと、少し冷たい全身を撫でながら何かを探っていた。
その間ラスは邪魔にならないように椅子に座り、コハクの横顔を見つめていた。
――鼻が高く、唇は薄いが下唇が少しふっくらしていて、眉は上がっていて、赤い切れ長の瞳は最高級のガーネットやルビーよりも綺麗だ。
皆からよく“性格が悪い”と言われているが、そう感じたことはあまりない。
自分が無知なせいもあるのだが、大切にしてくれていることは確かなので、不満を抱いたことはない。
強いて言うならば…
女癖が悪いところだろうか。
2年前、様々な姫君たちと深い仲になったこと…実はちょっとだけ根に持っている。
「私がもしコーみたいに改造できるなら、コーの女癖を治したいな」
「んっ?ごめん、今なんか言ったか?集中してて聴こえなかったからも1回言ってくれ」
「ううん、なんでもなーい。あっ、コー、お腹のとこが光ってる!」
「あー、ここかー。じゃあ見てろよ」
フローズンのお腹が小さく光り、そこにコハクの指がメスも使わずに潜っていった。
こつんと何かが指にあたるような音がすると、ばたばたと暴れていたフローズンが大人しくなり、そしてコハクの手には、真っ黒な小さな石が乗っていた。
「それ…なあに?」
「これがあいつらを悪くしてる根源なんだ。これを取ったからもうこいつは安全。チビ、触ってみろよ」
「うん、わかった」
目隠しを取ると、フローズンの黄色の瞳はきょとんとしていて、ラスと目が合うと首を傾げてのそりと歩いて近寄り、長い舌でラスの手をぺろんと舐めた。
「わあ、可愛い!」
「へっへー、俺って天才!」
自画絶賛。