魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスとコハクの子供…
さすがのグラースもその報告に目を見開き、だが口元に笑みを浮かべるとラスの頭を撫でた。
「良かったな。ちょっと順番が違うが…魔王もカイ陛下にとっちめられる覚悟はしてあるだろうから心配ない」
「…しまった…」
最大の難敵はラスの父親…カイだ。
ただでさえ結婚を反対されているというのに子供が先にできてしまい、怒れるカイの姿が目に浮かび、コハクが顔をしかめた。
だが…ラスは満面の笑みだ。
「お父様はおじい様になるんだよ。今年の冬には孫に会えるんだからとっても喜んでくれるよ。ね、コー」
「へっ?お、おう…」
浮かれるばかりでまだそこまで想像が行き着いていなかったコハクは、隅でまごついていたビーストに手を振るラスを咎めた。
「おいチビ、ライオン野郎を構うなよな」
「でも…またここで独りになっちゃうって思ったら…ビーストさん、こっちに来て」
まだぶつぶつ文句を言っているコハクを完全無視したラスが腕から降りてビーストに駆け寄ると、転びはしないかとはらはらしているコハクに皆が声をひそめて笑った。
「子供か…。おめでとう。元気な子を生め」
「ありがとう。ビーストさん…またずっとここに居るの…?ねえ、私たちと来ない?」
「おい、チビ!」
「私は確かに呪いをかけましたが、解く方法は王子自身が知っています。全く気付いてないようですが」
オーディンが欠伸をしながらのんびりとした口調で説明し、コハクが非難の声を上げたがこれも完全無視し、ビーストの毛むくじゃらで太い手を取ると首を振り、説得を続けた。
「じゃあ呪いが解けるまで一緒に居よ?ね、そうしようよ」
「…いや、いい。俺自身が方法を知っているのなら俺が解かないと。…ここでお別れだ」
ラスが悲しそうな顔をすると、ビーストは何度もためらいながら爪を引っ込めてラスの頬を撫でた。
「お前は…君は俺がはじめて好きになった女の子だ。幸せになってくれ。呪いが解けたら…会いに行く」
「ビーストさん…。……?ビーストさん…?身体が…光ってるよ…?」
「な、なんだこれは…」
――ビーストの身体が光に包まれた。
そしてオーディンが、ふっと笑った。
「愛。それこそが、呪いを解く鍵です」
鍵が、心の扉を開く。
さすがのグラースもその報告に目を見開き、だが口元に笑みを浮かべるとラスの頭を撫でた。
「良かったな。ちょっと順番が違うが…魔王もカイ陛下にとっちめられる覚悟はしてあるだろうから心配ない」
「…しまった…」
最大の難敵はラスの父親…カイだ。
ただでさえ結婚を反対されているというのに子供が先にできてしまい、怒れるカイの姿が目に浮かび、コハクが顔をしかめた。
だが…ラスは満面の笑みだ。
「お父様はおじい様になるんだよ。今年の冬には孫に会えるんだからとっても喜んでくれるよ。ね、コー」
「へっ?お、おう…」
浮かれるばかりでまだそこまで想像が行き着いていなかったコハクは、隅でまごついていたビーストに手を振るラスを咎めた。
「おいチビ、ライオン野郎を構うなよな」
「でも…またここで独りになっちゃうって思ったら…ビーストさん、こっちに来て」
まだぶつぶつ文句を言っているコハクを完全無視したラスが腕から降りてビーストに駆け寄ると、転びはしないかとはらはらしているコハクに皆が声をひそめて笑った。
「子供か…。おめでとう。元気な子を生め」
「ありがとう。ビーストさん…またずっとここに居るの…?ねえ、私たちと来ない?」
「おい、チビ!」
「私は確かに呪いをかけましたが、解く方法は王子自身が知っています。全く気付いてないようですが」
オーディンが欠伸をしながらのんびりとした口調で説明し、コハクが非難の声を上げたがこれも完全無視し、ビーストの毛むくじゃらで太い手を取ると首を振り、説得を続けた。
「じゃあ呪いが解けるまで一緒に居よ?ね、そうしようよ」
「…いや、いい。俺自身が方法を知っているのなら俺が解かないと。…ここでお別れだ」
ラスが悲しそうな顔をすると、ビーストは何度もためらいながら爪を引っ込めてラスの頬を撫でた。
「お前は…君は俺がはじめて好きになった女の子だ。幸せになってくれ。呪いが解けたら…会いに行く」
「ビーストさん…。……?ビーストさん…?身体が…光ってるよ…?」
「な、なんだこれは…」
――ビーストの身体が光に包まれた。
そしてオーディンが、ふっと笑った。
「愛。それこそが、呪いを解く鍵です」
鍵が、心の扉を開く。