魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスが感激している時、馬車の中でずっと考え事をしていたローズマリーに会いに来た男が居た。
「ローズマリー、入ってもいいですか?」
「……どうぞ」
くぐもった返事をするとドアが開き、苦笑したオーディンが顔を出した。
「怒ってますねえ。ですが謝りませんよ。こうしなければいけなかったんです」
「…なんでも屋さんの考えてることはちっともわからないわ。何が必要であの2人を引き離したの?ちゃんと説明してもらわないことには…」
非難すべき言葉が溜まりに溜まっていたが、それを封じたのは…オーディンの唇だった。
軽いフレンチなものだったが、そのキスは見事にローズマリーの不平を封じ、オーディンが隣に座ると身体が触れ合わないように隅っこに座り直した。
「私たち…恋人同士じゃないんだから勝手にキスしないで」
「私は人間の女性の中であなたを1番愛していますよ」
「…!」
オーディンは神だ。
幾多の神々が存在する中珍しくも人の側に在る者で、時に人々に戦をもたらし、時に救いをもたらす神なのだ。
知識を欲し、渇望し、右目を犠牲にこの世の全てを…理までをも知り尽くした男――
その男が、“愛している”と言った。
自分を…
「それは…どういう意味…?」
「そういう意味です。あなたは洗練されていて、私と対等でいれるほどの知識を持ち、そして美しい。コハク様のことはそろそろお忘れなさい。あの方の全てはラス王女なのですから」
「…何の話?とにかくコハクたちにちょっかいは出さないで。今度また同じようなことをしたら酷い目に遭わせるわよ」
「お仕置きですか?ふふ、私もお仕置きは得意ですよ。どちらが上手か試してみますか?」
「…ふふっ、馬鹿」
オーディンがローズマリーの肩を抱き、ローズマリーはオーディンの肩にもたれかかった。
――そしてラスは落雷で大きな穴が空いたはずの地面が綺麗に直っているのを見てぴょんぴょん跳ねて喜びまくり、リロイの手を引っ張り回していた。
「コーだよ、コーが直したんだよっ」
「ちょ、ラスっ、お腹に悪いから跳ねないで!安静に!お願いだから安静にしてて!」
冷や汗をかくリロイは…ラスの妊娠を素直に喜び、そして過去から1歩抜け出て前へと前進した。
そろそろ歩まなければ、と。
「ローズマリー、入ってもいいですか?」
「……どうぞ」
くぐもった返事をするとドアが開き、苦笑したオーディンが顔を出した。
「怒ってますねえ。ですが謝りませんよ。こうしなければいけなかったんです」
「…なんでも屋さんの考えてることはちっともわからないわ。何が必要であの2人を引き離したの?ちゃんと説明してもらわないことには…」
非難すべき言葉が溜まりに溜まっていたが、それを封じたのは…オーディンの唇だった。
軽いフレンチなものだったが、そのキスは見事にローズマリーの不平を封じ、オーディンが隣に座ると身体が触れ合わないように隅っこに座り直した。
「私たち…恋人同士じゃないんだから勝手にキスしないで」
「私は人間の女性の中であなたを1番愛していますよ」
「…!」
オーディンは神だ。
幾多の神々が存在する中珍しくも人の側に在る者で、時に人々に戦をもたらし、時に救いをもたらす神なのだ。
知識を欲し、渇望し、右目を犠牲にこの世の全てを…理までをも知り尽くした男――
その男が、“愛している”と言った。
自分を…
「それは…どういう意味…?」
「そういう意味です。あなたは洗練されていて、私と対等でいれるほどの知識を持ち、そして美しい。コハク様のことはそろそろお忘れなさい。あの方の全てはラス王女なのですから」
「…何の話?とにかくコハクたちにちょっかいは出さないで。今度また同じようなことをしたら酷い目に遭わせるわよ」
「お仕置きですか?ふふ、私もお仕置きは得意ですよ。どちらが上手か試してみますか?」
「…ふふっ、馬鹿」
オーディンがローズマリーの肩を抱き、ローズマリーはオーディンの肩にもたれかかった。
――そしてラスは落雷で大きな穴が空いたはずの地面が綺麗に直っているのを見てぴょんぴょん跳ねて喜びまくり、リロイの手を引っ張り回していた。
「コーだよ、コーが直したんだよっ」
「ちょ、ラスっ、お腹に悪いから跳ねないで!安静に!お願いだから安静にしてて!」
冷や汗をかくリロイは…ラスの妊娠を素直に喜び、そして過去から1歩抜け出て前へと前進した。
そろそろ歩まなければ、と。