魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
神様の鳥が祝福をしに来てくれた…

ものすごく感激したラスは人の姿になった黄色い鳥の金茶の髪を撫で回し、頬にキスをした。


「どうして赤ちゃんができたことを知ってるの?碧い鳥さんたちはどうして会いに来てくれないの?」


「碧い鳥たちはとても忙しいんだ。あと本来1度救った者の前には現れないことになってるんだけど、“すでに1度禁を破った”って言ってたし、だから僕が代理!」


黄色い鳥の金に近い瞳はじっとラスの腹を見据え、テーブルから降りるとラスの前で膝を折り、腹を包み込むように掌を広げると瞳を閉じた。


「…いい子だね。とてもいい子だ。それに可愛い」


「見えるのっ?男の子?女の子?あ、でもううん、教えなくていいよ!ベビーが生まれてくるまで楽しみにしてるから」


「そう?じゃあ教えないけど…この子のお父さんはどこ?見てみたいな」


「今ご飯を作りに行ってくれてて…」


会話を重ねているとドアが開く音がして、カートを引いたコハクが戻ってきたが…ラスの前でひざまずいている謎の男の子を見つけると、赤い瞳が光ったように見えた。


「誰だてめえ。チビ、離れろ」


「コー、この子は天使さんだよ。碧い鳥さんと朱い鳥さんの仲間なんだって。ベビーを祝福しに来てくれたの。それでね、あのね」


相変わらず口下手なラスが必死に黄色い鳥を庇おうとしていて、その謎の男の子の正体を知ったコハクはやや警戒しながらも同じテーブルにつくと、そばかすだらけの男の子は頓着なくコハクの膝に上り込んだ。


「おい、何してんだ」


「君があの子のお父さんかあ。ふふふふ、へえ、うん、納得だな」


「…見えてんのか?女の子だよな?」


「え、えっと…」


男の子の両耳を引っ張りながら半ば脅迫めいたことを言うとラスが唇を尖らせたのでそれ以上追及するのはやめて男の子の口にチェリーを突っ込んだ。


「一緒に食って行けよ。あと…ありがとな」


「ううん、とっても可愛い子に会えて僕も嬉しかった。わあ、美味しそうだね!」


「コーの料理はとっても美味しいの。一緒に食べてって」


ラスのリクエスト通り、カートには4段重ねの蜂蜜たっぷりのパンケーキが乗っていた。


天使が祝福してくれた。

もっともっと、生まれてくる日が楽しみになった。
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