魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクとこうして一緒に時を過ごすのは久しぶりだった。
2年間コハクが見つからず…
そして会えたと思ったらスノウの件で数か月離れ離れになり…
最終的にはオーディンから攫われて数週間もの間、ビーストと2人ぼっちの生活を経験した。
2年前はコハクは自分の影だったので、一心同体と同じだったが…今は本体に戻り、影から切り離されたコハクはどこにでも行けて、自分を置いて行動できる。
それは少し寂しかったけれど、喜ぶべきことだ。
だって…子供を授かることができたのだから。
「コー…眠たいな…ちょっと寝るけど置いてかないでね。クリスタルパレスに行く時は起こしてね」
「ん、わかった。おやすみチビ」
頬にキスをしてラスを抱きしめているうちにすぐ寝入ってしまい、それを見計らったタイミングのようにドアをノックする者が在った。
…それが誰だか知っていたコハクはラスが起きないようにそっとベッドから抜け出すと少しだけドアを開けて外に出て隣室を顎で差した。
「チビが寝てるから隣で話す」
「いいですよ」
訪ねてきた者は隻眼の男…オーディンだ。
ラスを攫った張本人は悪びれた様子もなくコハクの後をついて隣室へと入ると、グラスを2つ手にしてウォッカを注ぎ込んだ。
「私を怒るんでしょう?何故ラス王女を攫ったのか、糾弾するんでしょう?覚悟はできてますよ、さあどうぞ」
「お前は俺を使って戦争を起こそうとした…かに見えた。だけど違うだろ。お前の考えなんざ読めてるんだよ」
「ほう?私の考えが読めると?拝聴させて頂きましょうか」
グラスを受け取って一気に呷ったコハクは胃が焼けるような熱さを楽しみながら鼻を鳴らし、親しげにオーディンに笑いかけた。
「この世には俺の知らない魔法がまだ沢山ある。俺はそれを学ばず、そして持っている力を活用しようともしない。お前はそれが腹立たしいんだろう。何せ死と戦争の神だからな」
「ふふ、その言い草だと私が悪者に聴こえるじゃないですか。ですが大体当たっていますよ。コハク様…この世にはあなたの知らない魔法がまだ沢山あるのです。私はあなたにそれを伝授したい。わかってもらいたい。知ってもらいたいんです。…あなたは私たち神に等しき力を持っているのですから」
――コハクはまた鼻を鳴らした。
「めんどくせえからいやだね」
2年間コハクが見つからず…
そして会えたと思ったらスノウの件で数か月離れ離れになり…
最終的にはオーディンから攫われて数週間もの間、ビーストと2人ぼっちの生活を経験した。
2年前はコハクは自分の影だったので、一心同体と同じだったが…今は本体に戻り、影から切り離されたコハクはどこにでも行けて、自分を置いて行動できる。
それは少し寂しかったけれど、喜ぶべきことだ。
だって…子供を授かることができたのだから。
「コー…眠たいな…ちょっと寝るけど置いてかないでね。クリスタルパレスに行く時は起こしてね」
「ん、わかった。おやすみチビ」
頬にキスをしてラスを抱きしめているうちにすぐ寝入ってしまい、それを見計らったタイミングのようにドアをノックする者が在った。
…それが誰だか知っていたコハクはラスが起きないようにそっとベッドから抜け出すと少しだけドアを開けて外に出て隣室を顎で差した。
「チビが寝てるから隣で話す」
「いいですよ」
訪ねてきた者は隻眼の男…オーディンだ。
ラスを攫った張本人は悪びれた様子もなくコハクの後をついて隣室へと入ると、グラスを2つ手にしてウォッカを注ぎ込んだ。
「私を怒るんでしょう?何故ラス王女を攫ったのか、糾弾するんでしょう?覚悟はできてますよ、さあどうぞ」
「お前は俺を使って戦争を起こそうとした…かに見えた。だけど違うだろ。お前の考えなんざ読めてるんだよ」
「ほう?私の考えが読めると?拝聴させて頂きましょうか」
グラスを受け取って一気に呷ったコハクは胃が焼けるような熱さを楽しみながら鼻を鳴らし、親しげにオーディンに笑いかけた。
「この世には俺の知らない魔法がまだ沢山ある。俺はそれを学ばず、そして持っている力を活用しようともしない。お前はそれが腹立たしいんだろう。何せ死と戦争の神だからな」
「ふふ、その言い草だと私が悪者に聴こえるじゃないですか。ですが大体当たっていますよ。コハク様…この世にはあなたの知らない魔法がまだ沢山あるのです。私はあなたにそれを伝授したい。わかってもらいたい。知ってもらいたいんです。…あなたは私たち神に等しき力を持っているのですから」
――コハクはまた鼻を鳴らした。
「めんどくせえからいやだね」