魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
元々神だの悪魔だのに興味はなかった。
ただ昔は力を奮うことで抱えている悩みや鬱憤を晴らしていたことは事実。
その最中にふとしたきっかけで出会ったオーディンは、最初は毛嫌いしていたが…いつの間にか顔を合わせれば酒を飲んだり頼みごとを互いにしたりする顔なじみになっていた。
「お前の上司が魔法使いから魔力を奪わなければ混乱は起きなかったんだ。ローズマリーだって…」
「訳あってのことです。唯一絶対神のあの方が考えておられることは私たちにはわからぬこと。だからこそ私はあなたを見つけることができたんですよ。神にも悪魔にも成り得る危うい均衡を持った人間にね」
「チビを見つけることができなかったら成功してただろうな。こんな世界…チビが居ねえ世界なんかくそ食らえだ」
コハクとオーディンが見つめ合った。
グレーの隻眼はひたと真っ赤なコハクの瞳を捉え、その中にたゆたう無限大の魔力に陶酔し、瞳を逸らして膝の上の杖を撫でた。
「あなたとラス王女の子は一体どんな色を持って生まれてくるのでしょうね。髪が金で瞳は赤とか。もしくは髪が黒で瞳が緑とか」
「何色でもいい。俺は父親になるんだぜ。父親だぞ。俺は父親も母親も知らねえ。だから理想の親子像も正直よくわからねえ。だけど…愛してやるんだ。この手で愛して、慈しんでやりたい」
――オーディンがゆっくりと何度も頷いた時、隣室からラスのくしゃみが聴こえて慌てて立ち上がったコハクはいそいそと部屋を出ながらオーディンに忠告した。
「次は2度とねえからな。よく覚えとけ」
「あなたには魔法をみっちりと習得して頂きます。なに、あなたの頭の良さなら簡単なことですよ。ラス王女もきっとお喜びになるでしょう」
「…そっか?」
脚が止まり、ラスが喜んでくれる顔を想像した魔王は目尻を下げてでれっと笑いながら部屋を出て行き、オーディンの腹筋を崩壊させた。
「ふふふ、あの方は本当に面白い。いいでしょう、私がコハク様の永遠の右腕として長い時間をかけて教えて差し上げますよ。ああ楽しくなってきました」
ラスに試練を与え、ラスは見事に人を愛したことがなかったビーストの呪いを解いた。
コハクは超上級の魔法を習得し、解除不可能の結界を難なく解いた。
あの2人の子のことを考えると笑いが止まらなくなり、しばらくその場から動けずにいた。
ただ昔は力を奮うことで抱えている悩みや鬱憤を晴らしていたことは事実。
その最中にふとしたきっかけで出会ったオーディンは、最初は毛嫌いしていたが…いつの間にか顔を合わせれば酒を飲んだり頼みごとを互いにしたりする顔なじみになっていた。
「お前の上司が魔法使いから魔力を奪わなければ混乱は起きなかったんだ。ローズマリーだって…」
「訳あってのことです。唯一絶対神のあの方が考えておられることは私たちにはわからぬこと。だからこそ私はあなたを見つけることができたんですよ。神にも悪魔にも成り得る危うい均衡を持った人間にね」
「チビを見つけることができなかったら成功してただろうな。こんな世界…チビが居ねえ世界なんかくそ食らえだ」
コハクとオーディンが見つめ合った。
グレーの隻眼はひたと真っ赤なコハクの瞳を捉え、その中にたゆたう無限大の魔力に陶酔し、瞳を逸らして膝の上の杖を撫でた。
「あなたとラス王女の子は一体どんな色を持って生まれてくるのでしょうね。髪が金で瞳は赤とか。もしくは髪が黒で瞳が緑とか」
「何色でもいい。俺は父親になるんだぜ。父親だぞ。俺は父親も母親も知らねえ。だから理想の親子像も正直よくわからねえ。だけど…愛してやるんだ。この手で愛して、慈しんでやりたい」
――オーディンがゆっくりと何度も頷いた時、隣室からラスのくしゃみが聴こえて慌てて立ち上がったコハクはいそいそと部屋を出ながらオーディンに忠告した。
「次は2度とねえからな。よく覚えとけ」
「あなたには魔法をみっちりと習得して頂きます。なに、あなたの頭の良さなら簡単なことですよ。ラス王女もきっとお喜びになるでしょう」
「…そっか?」
脚が止まり、ラスが喜んでくれる顔を想像した魔王は目尻を下げてでれっと笑いながら部屋を出て行き、オーディンの腹筋を崩壊させた。
「ふふふ、あの方は本当に面白い。いいでしょう、私がコハク様の永遠の右腕として長い時間をかけて教えて差し上げますよ。ああ楽しくなってきました」
ラスに試練を与え、ラスは見事に人を愛したことがなかったビーストの呪いを解いた。
コハクは超上級の魔法を習得し、解除不可能の結界を難なく解いた。
あの2人の子のことを考えると笑いが止まらなくなり、しばらくその場から動けずにいた。