魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
デスのことも超気になってはいたのだが…

それよりもなんだか目が離せないのは、リロイとティアラの2人だった。

いつも一緒に居るし、いつも隣同士で食事をしているし、それに…2人とも楽しそうにしている。

ティアラはレッドストーン王国の次期王女としての道を選んだが、やはりそれは間違いだ。


リロイが当初の予定通りにゴールドストーン王国の白騎士を脱して自由の身になったならば…2人の未来は少しは明るいものになるのだろうか?


「ねえコー、緋色の騎士団とうちの白騎士団って規律は同じなのかな」


「ん?なんの話だよ。小僧のことか」


「うん。リロイにはうちに居てほしいけど…規律が同じなら…緋色の騎士団の隊長になれるなら、隊長は王族に求婚できたりするんだよ。私、勉強したの」


「へえ。だから小僧は白騎士に固執してたのか。ま、チビは手に入らなかったけどな。俺と張り合うなんざ1万年はええっつーの」


ラスの頬についた生クリームをぺろりと舐めた時スプーンを置く音がして、1番遠い席に目を遣ると、デスがパフェを完食して小さな声で“……ご馳走様でした”と言った。

コハクが少し目を離した隙に席を立ってまたデスの隣に座ったラスは、ナプキンを取るとデスの頬についている生クリームを拭ってやった。


「美味しかった?お代わりいる?」


「………お礼、する」


「お礼?お礼なんか要らないよ。ねえ、今日は泊まっていって。コー、いいよね?お友達なんでしょ?」


「えー!?…友達だけどさ…チビといちゃいちゃしてえし…デス、泊まりてえのか?」


「…………うん」


盛大なため息をついたコハクはまたラスを抱っこして膝に乗せるとデスの隣に座り、強めのでこぴんをした。


「今日だけだからな。鎌持ってうろつくなよ」


「………わかった」


話がまとまった時、オーディンとローズマリーが遅れて部屋に入って来ると、コハクはラスと指を絡めながらにやつき、声をかけた。


「お2人でお揃いなこって。どこに行ってたんだ?」


「ふふふ、秘密ですよ」


オーディンとデスが見つめ合い、神の中でも異質の部類のデスに頓着なく笑いかけた。

デスは表情を変えなかったが、表情がぱっと明るくなったのは、ラスだ。


「みんな揃ったね!じゃあご飯食べよっ」


腹を撫でながら。
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