魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクに抱っこされながら部屋に戻り、一緒について来たデスのためにコハクは部屋のシャンデリアに灯りを燈さず蝋燭だけにした。
「コー…こういうのって懐かしいね。コーが私の影だった時、私の部屋はいつも暗かったもんね」
「ん、そだな。俺があちこち歩き回れるようにチビがいつも部屋を暗くしてくれてた。懐かしいな」
「………」
ラスは全身が映る鏡見の前に立って横を向いたり背中を向けたりしているのでコハクが背後に立ってぎゅっと抱きしめると、ラスがコハクを見上げて腹に手をあてさせた。
「お腹っていつから大きくなるの?」
「6か月位からって本に書いてあったけど。でも今から腰回りとかさあ、このかーわいいお尻とかさあ、あとあとあと…む、む、胸も大きくなったりするんだぜ。これ以上に!早く見てえんだけど!」
色ぼけ炸裂のヘンタイ発言をしつつラスの腹を撫でまくると、膝を抱えてソファに座っていたデスが自身の骨だけの右手を見つめながらぼそりと呟いた。
「…………触ってみたい」
「ああ?今なんつった?触ってみたいって言ったか?なんでお前に触らせなきゃいけねんだよ」
「いいよ、触って触って。沢山の人に触って祝福してもらいたいから」
ラスがお腹を突き出すと、それ以上反対することができなくなった魔王は唇を尖らせながらもデスを人差し指をちょいちょいやってラスの前に立たせると、右手首を握って約束させた。
「絶対強く押したり殴ったりするなよ。いいか?」
「………うん」
恐る恐る手が伸び、袖の長いローブの先から骨の手が見えた。
本来なら怖がられて避けられて、恐れられる存在のはずなのに、ラスは頓着なくにこにこしていて、触ってくれるのを待っていた。
――デスはラスのまだ平らな腹に触れ、少しだけ手を動かして撫でた。
…生死を司っているからこそわかる、その胎動――
瞳を閉じてその胎動を感じていると、沈黙が不安になったのか、コハクがデスの肩を揺すった。
「おい、どした?なんか言えよ。まさか…ベビーがどうかしたのか?」
「…………なんでもない」
「なんでもなくねえだろ。なんなんだよ、なんか隠してんなら言えよ」
「……なんでもない」
“なんでもない”という表情ではなく、コハクは声を荒げてデスの胸ぐらを掴んだ。
「コー…こういうのって懐かしいね。コーが私の影だった時、私の部屋はいつも暗かったもんね」
「ん、そだな。俺があちこち歩き回れるようにチビがいつも部屋を暗くしてくれてた。懐かしいな」
「………」
ラスは全身が映る鏡見の前に立って横を向いたり背中を向けたりしているのでコハクが背後に立ってぎゅっと抱きしめると、ラスがコハクを見上げて腹に手をあてさせた。
「お腹っていつから大きくなるの?」
「6か月位からって本に書いてあったけど。でも今から腰回りとかさあ、このかーわいいお尻とかさあ、あとあとあと…む、む、胸も大きくなったりするんだぜ。これ以上に!早く見てえんだけど!」
色ぼけ炸裂のヘンタイ発言をしつつラスの腹を撫でまくると、膝を抱えてソファに座っていたデスが自身の骨だけの右手を見つめながらぼそりと呟いた。
「…………触ってみたい」
「ああ?今なんつった?触ってみたいって言ったか?なんでお前に触らせなきゃいけねんだよ」
「いいよ、触って触って。沢山の人に触って祝福してもらいたいから」
ラスがお腹を突き出すと、それ以上反対することができなくなった魔王は唇を尖らせながらもデスを人差し指をちょいちょいやってラスの前に立たせると、右手首を握って約束させた。
「絶対強く押したり殴ったりするなよ。いいか?」
「………うん」
恐る恐る手が伸び、袖の長いローブの先から骨の手が見えた。
本来なら怖がられて避けられて、恐れられる存在のはずなのに、ラスは頓着なくにこにこしていて、触ってくれるのを待っていた。
――デスはラスのまだ平らな腹に触れ、少しだけ手を動かして撫でた。
…生死を司っているからこそわかる、その胎動――
瞳を閉じてその胎動を感じていると、沈黙が不安になったのか、コハクがデスの肩を揺すった。
「おい、どした?なんか言えよ。まさか…ベビーがどうかしたのか?」
「…………なんでもない」
「なんでもなくねえだろ。なんなんだよ、なんか隠してんなら言えよ」
「……なんでもない」
“なんでもない”という表情ではなく、コハクは声を荒げてデスの胸ぐらを掴んだ。