魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスにお願いされたことは全部叶えてやるつもりだったが、ベッドに一緒に入って一緒に腹を撫でていると、ラスの方からぎゅっとしてきて、ちゅっとしてきた。


「あのー…チビ?そんなにくっつかれるとさあ…そのー…チビは妊婦なんだしさ?」


「コー、お腹になんかあたってる」


「だって!仕方ねえじゃん!ちょ、もう黙ってろって。俺さっきまで心臓止まりそうだったんだからさ…」


「ごめんね…ってどうして私が謝らなきゃいけないの?ねえコー、明日お父様とお母様に赤ちゃんができたこと報告しに行かなくちゃ。だから早く寝よ?妊婦さんは沢山寝なくちゃいけないんだよ」


鼻梁の整った鼻をぺろんと舐められたコハクはラスを胸に抱き込んで首筋にちゅっとキスをした。


「ん、そだな。じゃあさ、俺がカイにいじめられたら助けてくれな。なるべく頑張るけどあいつ怒るとマジ怖いからさ…」


「平気だよ、お父様は優しくってかっこよくって勇者様なんだから」


「俺だって!超優しくって!超かっこよくて!チビだけの勇者様なんだからな!」


相変わらず張り合ってくるコハクの胸に頬ずりして瞳を閉じるとすぐに睡魔が襲ってきて、寝息を立てるラスの腹に手をあてて、ありったけの優しさをこめて癒しの波動を伝えた。


「ちゃんと生まれて来るんだぞ。チビと俺が待ってるからな」


そしてラスと眠りに落ちた。


――翌朝ラスが目覚めた時隣にコハクの姿はなく、ぼーっとしているとバスルームからシャワーを使っている音がした。


乱入しようかとも考えたが大きな欠伸をして待っているとドアが開き、まだ髪が濡れたままのコハクが腰にバスタオルを巻いただけの姿で出て来た。


「コー、おはよ。もう起きてたの?」


「緊張して眠れなかったっつーの。………チビあっち向いてろよ」


「どうして?」


「着替えるし!恥ずかしいじゃんかよ!頼むからあっち向いてて!お願い!」


髪から肩にぽたぽたと水滴が落ち、半開きの唇に何よりも大好きな赤い瞳が鮮やかで、ラスは背中を向けて座り直しながら着ていたネグリジェを脱いだ。

それをばっちり目撃していたコハクは自分の着替えもそっちのけでラスの生着替えに夢中になってしまいそうになりながらもパンツとシャツを着て髪を結び、気合を入れた。


カイとの対決、再び。
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