魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
黒いシャツとパンツに白いネクタイ…
最近コハクはいつものマントを着ていない。
マントを着ていないと一見コハクが魔法使いだとは到底思えない。
どちらかというと、格闘タイプに見える。
「コーがネクタイしてるの好き。かっこいいよ」
「マジで!?おい、ちょ、引っ張んなって」
髪をひとつに束ね、ネクタイをしたコハクはラスを抱っこしながら移動中、ラスがずっとネクタイを引っ張っていて、構われていることにでれでれ。
今日は皆とは別行動でずっとラスと2人きりでいられる魔王はラスが絶対に転んだりしないように抱っこし続け、そしてラスが“歩きたい”と言った時はしっかり手を繋いで離さない、という約束をしていた。
「ねえコー、お父様たちへの報告が終わったら庭の森に行こうよ。あったかくなったし、昔みたいにお散歩しよ」
「昔みたいっつたって俺はほとんどチビの影の中に居たろ?まあいっか、絶対手ぇ離すなよな」
身体のラインがぴったりと出る純白のマーメイドドレスとピンクのバラのコサージュをつけたラスは薄くメイクをしていて、グロスを塗った唇は艶やかでぷっくりとしていて、キスしたい衝動に駆られながらもなんとか我慢してラスを馬車に乗せた。
ただその時庭に真っ黒いローブを着た者が背中を向けてしゃがみこんでいるのを見たラスは窓を開けてその人物に声をかけた。
「デスさんっ!おはよ!」
「…………おはよ」
聴こえるか聴こえないかの小さな声で呟いたデスが振り返り、コハクに手招きをされて腰を上げると馬車に近寄ってきた。
ラスはまだデスに謝罪をしていなかったので、窓から手を伸ばすとデスがゆっくりとした動作で小指を握ってくれた。
「昨日は変な顔しちゃってごめんね?怒った?」
「…………ううん」
「よかったっ。あのね、今からコーとゴールドストーン王国に戻るの。デスさんも一緒に…」
デスがちらりとコハクを見るとぶんぶんと首を振って嫌がっていたので、デスもゆっくり首を振ると小指を離した。
「………いい。さよなら」
「もう帰るの?コーが呼び出したらまた来てくれる?」
何故か必死にデスを引き留めようとするラスにコハクはきりきりしながらも声に出して止めなかった。
するとデスが小さく笑みを浮かべた。
「………またね」
そして、消えた。
最近コハクはいつものマントを着ていない。
マントを着ていないと一見コハクが魔法使いだとは到底思えない。
どちらかというと、格闘タイプに見える。
「コーがネクタイしてるの好き。かっこいいよ」
「マジで!?おい、ちょ、引っ張んなって」
髪をひとつに束ね、ネクタイをしたコハクはラスを抱っこしながら移動中、ラスがずっとネクタイを引っ張っていて、構われていることにでれでれ。
今日は皆とは別行動でずっとラスと2人きりでいられる魔王はラスが絶対に転んだりしないように抱っこし続け、そしてラスが“歩きたい”と言った時はしっかり手を繋いで離さない、という約束をしていた。
「ねえコー、お父様たちへの報告が終わったら庭の森に行こうよ。あったかくなったし、昔みたいにお散歩しよ」
「昔みたいっつたって俺はほとんどチビの影の中に居たろ?まあいっか、絶対手ぇ離すなよな」
身体のラインがぴったりと出る純白のマーメイドドレスとピンクのバラのコサージュをつけたラスは薄くメイクをしていて、グロスを塗った唇は艶やかでぷっくりとしていて、キスしたい衝動に駆られながらもなんとか我慢してラスを馬車に乗せた。
ただその時庭に真っ黒いローブを着た者が背中を向けてしゃがみこんでいるのを見たラスは窓を開けてその人物に声をかけた。
「デスさんっ!おはよ!」
「…………おはよ」
聴こえるか聴こえないかの小さな声で呟いたデスが振り返り、コハクに手招きをされて腰を上げると馬車に近寄ってきた。
ラスはまだデスに謝罪をしていなかったので、窓から手を伸ばすとデスがゆっくりとした動作で小指を握ってくれた。
「昨日は変な顔しちゃってごめんね?怒った?」
「…………ううん」
「よかったっ。あのね、今からコーとゴールドストーン王国に戻るの。デスさんも一緒に…」
デスがちらりとコハクを見るとぶんぶんと首を振って嫌がっていたので、デスもゆっくり首を振ると小指を離した。
「………いい。さよなら」
「もう帰るの?コーが呼び出したらまた来てくれる?」
何故か必死にデスを引き留めようとするラスにコハクはきりきりしながらも声に出して止めなかった。
するとデスが小さく笑みを浮かべた。
「………またね」
そして、消えた。