魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
“殺したい”
それは本音だろう。
だが自分を殺してしまえば、ラスを殺してしまうのと同じこと。
コハクはカイの苦悩をわかっていて、敢えてその事実を叩き付けた。
現にカイは魔法剣を水平に構えるとコハクの首に押し当て、薄皮1枚が切れて血が滴った。
「首を落とせば…どの位で復活する?それで俺の気が紛れるかもしれない」
「さあ。お前に心臓刺された時は16年かかった。あの時は聖石の力があったからな。でも今その剣には聖石の加護はねえ。…あと…」
コハクが言いよどんだのでカイが眉をひそめると、劣勢にも関わらずコハクは肩で息をついて静かな瞳でカイを見据えた。
「…チビは出産の際死ぬ予定だった…らしい」
「!?お前…何を言って…ラスが!?」
「けど俺の友達がその運命を変えてくれた。だから多分大丈夫だ。今日はお前にチビの妊娠のことと、チビがそうなる運命だったことを伝えに来た」
――一人娘が辿る運命だった悲劇はカイを打ちのめし、赤い絨毯の上に魔法剣が落ちた。
唇はわなわなと震え、瞬きも忘れたかのように瞳を見開いたカイの肩に手を置いたコハクは力を込めて肩を握り、落ち着かせるように何度も頷いた。
「だから平気だって。チビは大丈夫だ。カイ…ちゃんと約束は守る。クリスタルパレスを建て直してチビがベビーを生んだら…結婚を許してくれ。頼む」
「……お前は…本当にラスを愛しているんだな」
「あたりめえだろ。チビは俺の天使ちゃんなんだからな。チビを傷つけるようなことはしねえ。絶対傍から離れねえから…だからさ」
もっと気持ちをわかってもらおうと詰め寄った時、扉が開く音がして2人が目を遣ると、ソフィーの元へ向かったはずのラスがひょっこり顔を出し、手を振ろうとして振り上げた手が止まった。
その視線の先には、足元に落ちた魔法剣が。
瞬時に険しい表情になったラスは小走りに駆け寄って来て2人に息を呑ませると、2人の間に割り込んできて、2人の手をぎゅっと握った。
「喧嘩…したの?」
「え…いや…ラス、違うんだよ。お帰り、私のプリンセス」
「お父様!コーからお話聞いた?あのね、赤ちゃんができたの。お父様はもうすぐおじい様になるんだよっ」
心底嬉しそうなラスの弾ける笑顔…
カイが小さく息をつき、ラスの頬にキスをした。
それは本音だろう。
だが自分を殺してしまえば、ラスを殺してしまうのと同じこと。
コハクはカイの苦悩をわかっていて、敢えてその事実を叩き付けた。
現にカイは魔法剣を水平に構えるとコハクの首に押し当て、薄皮1枚が切れて血が滴った。
「首を落とせば…どの位で復活する?それで俺の気が紛れるかもしれない」
「さあ。お前に心臓刺された時は16年かかった。あの時は聖石の力があったからな。でも今その剣には聖石の加護はねえ。…あと…」
コハクが言いよどんだのでカイが眉をひそめると、劣勢にも関わらずコハクは肩で息をついて静かな瞳でカイを見据えた。
「…チビは出産の際死ぬ予定だった…らしい」
「!?お前…何を言って…ラスが!?」
「けど俺の友達がその運命を変えてくれた。だから多分大丈夫だ。今日はお前にチビの妊娠のことと、チビがそうなる運命だったことを伝えに来た」
――一人娘が辿る運命だった悲劇はカイを打ちのめし、赤い絨毯の上に魔法剣が落ちた。
唇はわなわなと震え、瞬きも忘れたかのように瞳を見開いたカイの肩に手を置いたコハクは力を込めて肩を握り、落ち着かせるように何度も頷いた。
「だから平気だって。チビは大丈夫だ。カイ…ちゃんと約束は守る。クリスタルパレスを建て直してチビがベビーを生んだら…結婚を許してくれ。頼む」
「……お前は…本当にラスを愛しているんだな」
「あたりめえだろ。チビは俺の天使ちゃんなんだからな。チビを傷つけるようなことはしねえ。絶対傍から離れねえから…だからさ」
もっと気持ちをわかってもらおうと詰め寄った時、扉が開く音がして2人が目を遣ると、ソフィーの元へ向かったはずのラスがひょっこり顔を出し、手を振ろうとして振り上げた手が止まった。
その視線の先には、足元に落ちた魔法剣が。
瞬時に険しい表情になったラスは小走りに駆け寄って来て2人に息を呑ませると、2人の間に割り込んできて、2人の手をぎゅっと握った。
「喧嘩…したの?」
「え…いや…ラス、違うんだよ。お帰り、私のプリンセス」
「お父様!コーからお話聞いた?あのね、赤ちゃんができたの。お父様はもうすぐおじい様になるんだよっ」
心底嬉しそうなラスの弾ける笑顔…
カイが小さく息をつき、ラスの頬にキスをした。