魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスが深い眠りについた頃、コハクはラスの額にキスをしてそっとベッドを抜け出すと、隣のデスの部屋のドアをノックもなしにいきなり明けた。
ベッドに寝ていると思ったデスは何故かまん丸になってソファで寝ていたので、そっと近づいてみると…手にはラスがプレゼントしたレザーグローブが嵌められていた。
「ったくこいつは…こういうのが目覚めたらヤバいんだよなー」
恋に。
愛に。
――デスを起こすかと思ったコハクはテーブルを挟んでデスの前に座るとあぐらをかき、指を鳴らしてぼーっとしていると、部屋のドアをノックする音が。
しかしコハクはドアを開けず、それを理解しているかのようにすぐドアを開けて中へ入って来たのはオーディンとリロイだった。
「なんですか、男だけで集まるなんて」
「親睦会ー」
「でも死神は寝て…」
「あのさあ、こいつを避けるのやめてくんねえ?」
…リロイとオーディンは顔を見合わせた。
デスとオーディンは神同士だが交流を持ったことがない。
デスとリロイはまだ1度も会話を交わしたことがなく、死神という立場の男をラスの傍に置くのはやっぱり不安が先に立つ。
だがラスが殊の外デスに懐いていたようなので今までどうすることもできずに放置していたのだが…
「私は別に避けてませんよ。あなたがこき使うからただ単に話す時間がないだけですし、死神もろくに話してないじゃないですか」
コハクはその言い分を聴きながらテーブルに脚を投げ出し、結構大きめの声で話しているのに安心しきって寝ているデスの寝顔を見つめた。
「話しかけりゃ言葉数は少なくともちゃんと答えるし、デスが知らねえことは教えてやればすぐ覚える。こいつだって好きで口数が少ないわけじゃねえんだ。だから親睦会ってわけ」
「死神が…デスが危険な存在でないことはすぐにわかっていたが…じゃあこの親睦会で一言は返してもらえるように努力する」
リロイが誘いに乗ってくれたので、ソファに立てかけていた日傘の先で身体を突くと、とろんとした瞳と目が合った。
「………?」
「さー、飲むぞー。お前らチビが起きないように大声出すなよ。でもって盛り上がる!」
デスの首が思いきり傾いたが、コハクはそれを無視して棚から酒瓶を次々と取り出した。
ベッドに寝ていると思ったデスは何故かまん丸になってソファで寝ていたので、そっと近づいてみると…手にはラスがプレゼントしたレザーグローブが嵌められていた。
「ったくこいつは…こういうのが目覚めたらヤバいんだよなー」
恋に。
愛に。
――デスを起こすかと思ったコハクはテーブルを挟んでデスの前に座るとあぐらをかき、指を鳴らしてぼーっとしていると、部屋のドアをノックする音が。
しかしコハクはドアを開けず、それを理解しているかのようにすぐドアを開けて中へ入って来たのはオーディンとリロイだった。
「なんですか、男だけで集まるなんて」
「親睦会ー」
「でも死神は寝て…」
「あのさあ、こいつを避けるのやめてくんねえ?」
…リロイとオーディンは顔を見合わせた。
デスとオーディンは神同士だが交流を持ったことがない。
デスとリロイはまだ1度も会話を交わしたことがなく、死神という立場の男をラスの傍に置くのはやっぱり不安が先に立つ。
だがラスが殊の外デスに懐いていたようなので今までどうすることもできずに放置していたのだが…
「私は別に避けてませんよ。あなたがこき使うからただ単に話す時間がないだけですし、死神もろくに話してないじゃないですか」
コハクはその言い分を聴きながらテーブルに脚を投げ出し、結構大きめの声で話しているのに安心しきって寝ているデスの寝顔を見つめた。
「話しかけりゃ言葉数は少なくともちゃんと答えるし、デスが知らねえことは教えてやればすぐ覚える。こいつだって好きで口数が少ないわけじゃねえんだ。だから親睦会ってわけ」
「死神が…デスが危険な存在でないことはすぐにわかっていたが…じゃあこの親睦会で一言は返してもらえるように努力する」
リロイが誘いに乗ってくれたので、ソファに立てかけていた日傘の先で身体を突くと、とろんとした瞳と目が合った。
「………?」
「さー、飲むぞー。お前らチビが起きないように大声出すなよ。でもって盛り上がる!」
デスの首が思いきり傾いたが、コハクはそれを無視して棚から酒瓶を次々と取り出した。