魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
午前中はコハクはクリスタルパレスの城の中でラスから誉められまくる想像をしてにやにやしつつ設計図を描き、ラスはまたもや受付嬢になって皆のアイドルと化していた。
そんな中デスはラスの隣にぴったり座っていたので不気味がられたが、レザーグローブをしているおかげで骨の手は見えず、彼が死神であることには誰も気付いていない。
そしてグラースは本来コロニー内の見回りをしているのだが、この日は何故かデスの横に立って腕組みをしつつ観察していた。
「いっつもグラースは居ないから傍に居てくれて嬉しいな」
「そうか?まあ面白いものを見つけたからしばらく観察をしようと思う」
「ふうん?何を?」
「こいつを」
グラースが指したのは膝を抱えて身体を揺らして椅子をゆさゆさ揺さぶっていたデスで、一瞬グラースに顔を上げたがすぐに興味を失くしたのか、また俯いた。
「え?グラースって…デスのことが好きなの?」
「その1歩手前だと思う。だから観察してみたいんだ」
リロイとティアラは顔を見合わせて目を丸くした。
グラースは未だに謎の人物で、色恋沙汰の話を一切聴いたことがなかったので、恐る恐る再度問うてみた。
「あの…デスを…?」
「なかなか綺麗な顔をしている。私は面食いなんだ」
「ぐ、グラースは肉食系なのね…」
包み隠さずデスの前で平然と言ってのけたグラースだったが、やはりそれに対してもデスは反応を見せず、テント内でも日傘をくるくる回している。
そんなデスとは対照的に明るい声を上げたのはラスで、デスの頭を撫でると下から顔を覗き込んで瞳を輝かせた。
「グラースがデスのこと好きなんだって!ちゃんと聴いてる?グラースってどう?綺麗だし強くてかっこいいでしょ?ねえ、どお?」
「…………別に…」
本当に興味がないのか返事も小さく素っ気なく、普通の女なら好いている男からそんな反応をされたら傷つくところだが、グラースは違った。
グリーンの瞳はさも楽しげに細められ、真っ赤な唇はにやりと吊り上り、舌なめずりをしそうな勢いだ。
「面白い。私を本気にさせたな」
「ぐ、グラース、落ち着いて…」
ティアラが諌めたがお構いなしのグラースは、そっぽを向いているデスを穴が開きそうなほど見つめ続けた。
そんな中デスはラスの隣にぴったり座っていたので不気味がられたが、レザーグローブをしているおかげで骨の手は見えず、彼が死神であることには誰も気付いていない。
そしてグラースは本来コロニー内の見回りをしているのだが、この日は何故かデスの横に立って腕組みをしつつ観察していた。
「いっつもグラースは居ないから傍に居てくれて嬉しいな」
「そうか?まあ面白いものを見つけたからしばらく観察をしようと思う」
「ふうん?何を?」
「こいつを」
グラースが指したのは膝を抱えて身体を揺らして椅子をゆさゆさ揺さぶっていたデスで、一瞬グラースに顔を上げたがすぐに興味を失くしたのか、また俯いた。
「え?グラースって…デスのことが好きなの?」
「その1歩手前だと思う。だから観察してみたいんだ」
リロイとティアラは顔を見合わせて目を丸くした。
グラースは未だに謎の人物で、色恋沙汰の話を一切聴いたことがなかったので、恐る恐る再度問うてみた。
「あの…デスを…?」
「なかなか綺麗な顔をしている。私は面食いなんだ」
「ぐ、グラースは肉食系なのね…」
包み隠さずデスの前で平然と言ってのけたグラースだったが、やはりそれに対してもデスは反応を見せず、テント内でも日傘をくるくる回している。
そんなデスとは対照的に明るい声を上げたのはラスで、デスの頭を撫でると下から顔を覗き込んで瞳を輝かせた。
「グラースがデスのこと好きなんだって!ちゃんと聴いてる?グラースってどう?綺麗だし強くてかっこいいでしょ?ねえ、どお?」
「…………別に…」
本当に興味がないのか返事も小さく素っ気なく、普通の女なら好いている男からそんな反応をされたら傷つくところだが、グラースは違った。
グリーンの瞳はさも楽しげに細められ、真っ赤な唇はにやりと吊り上り、舌なめずりをしそうな勢いだ。
「面白い。私を本気にさせたな」
「ぐ、グラース、落ち着いて…」
ティアラが諌めたがお構いなしのグラースは、そっぽを向いているデスを穴が開きそうなほど見つめ続けた。