魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
脚が萎えて、コハクたちを追いかけてゆく脚が正面の大扉の前で止まった。
…ラスはもしかしたら、今も自分を恨んでいるのだろうか。
裏表のない性格をしているのは知っているが、もしも…もしも恨んでいるのだとすれば…もう一生ラスの顔を正面から見ることができない。
あんなことをしでかして、今も仲良くしてくれているラスがもしも…恨んでいたら…
「リロイ。ねえ、リロイったら」
「…!ラス…」
「ちょっと行って来るだけだから。明日には戻って来れると思うの。コー、下ろして」
「はいはい。つーわけで俺とチビはちょっとデートを…」
「リロイ、抱っこして」
「はあ!?ちょ…チビ…なに言って…」
魔王が焦りまくって狼狽える最中、ラスはリロイに正面から抱き着いて顔を見上げた。
いつになく真顔で、その表情にどきりとしつつも、いつも我が儘を言って困らせる小さな頃のラスを思い出したリロイはコハクに目配せで“すまない”と合図を送ると、コハクは渋々引き下がってぶらぶらと外へと出て行った。
「はい、抱っこしたよ。どうしたの?」
「私…もうリロイがしたことを怒ってないから」
「え…」
「コーは生きてるから。生きて私の傍に居てくれてるから。だから…私の方こそ2年間ずっと口を利かなかったり無視したりしてごめんなさい。リロイが今もずっと気にしてるんじゃないかって私も気になってたの」
危うく…
危うくリロイは涙を落としそうになった。
天真爛漫でいて、そういった難しいことを考えると決まって考えるのをやめてしまう物ぐさ王女がずっとそのことを気にしてくれていたことがまた胸に刺さり、リロイはラスの肩口に顔を埋めて声を押し殺した。
「私がコーのお城に帰るのは、リロイがしたことを確かめるためじゃないの。私がずっと足踏みしてた2年間のはじまりの場所を…幸せだった時間を取り戻しに行くだけだから。だからぎくしゃくしてほしくないから…えーと…その…私の言ってること…」
「うん…うん、わかるよ…。行っておいで。僕は待ってるから。ラス…ありがとう」
「うん。リロイがコーの代わりに私を幸せにしてくれようとしてたのに、私は……この話もういいよね。リロイと2人きりで長く居るとコーが怒るからもう行くね。じゃあ行って来ます」
取り戻しに。
…ラスはもしかしたら、今も自分を恨んでいるのだろうか。
裏表のない性格をしているのは知っているが、もしも…もしも恨んでいるのだとすれば…もう一生ラスの顔を正面から見ることができない。
あんなことをしでかして、今も仲良くしてくれているラスがもしも…恨んでいたら…
「リロイ。ねえ、リロイったら」
「…!ラス…」
「ちょっと行って来るだけだから。明日には戻って来れると思うの。コー、下ろして」
「はいはい。つーわけで俺とチビはちょっとデートを…」
「リロイ、抱っこして」
「はあ!?ちょ…チビ…なに言って…」
魔王が焦りまくって狼狽える最中、ラスはリロイに正面から抱き着いて顔を見上げた。
いつになく真顔で、その表情にどきりとしつつも、いつも我が儘を言って困らせる小さな頃のラスを思い出したリロイはコハクに目配せで“すまない”と合図を送ると、コハクは渋々引き下がってぶらぶらと外へと出て行った。
「はい、抱っこしたよ。どうしたの?」
「私…もうリロイがしたことを怒ってないから」
「え…」
「コーは生きてるから。生きて私の傍に居てくれてるから。だから…私の方こそ2年間ずっと口を利かなかったり無視したりしてごめんなさい。リロイが今もずっと気にしてるんじゃないかって私も気になってたの」
危うく…
危うくリロイは涙を落としそうになった。
天真爛漫でいて、そういった難しいことを考えると決まって考えるのをやめてしまう物ぐさ王女がずっとそのことを気にしてくれていたことがまた胸に刺さり、リロイはラスの肩口に顔を埋めて声を押し殺した。
「私がコーのお城に帰るのは、リロイがしたことを確かめるためじゃないの。私がずっと足踏みしてた2年間のはじまりの場所を…幸せだった時間を取り戻しに行くだけだから。だからぎくしゃくしてほしくないから…えーと…その…私の言ってること…」
「うん…うん、わかるよ…。行っておいで。僕は待ってるから。ラス…ありがとう」
「うん。リロイがコーの代わりに私を幸せにしてくれようとしてたのに、私は……この話もういいよね。リロイと2人きりで長く居るとコーが怒るからもう行くね。じゃあ行って来ます」
取り戻しに。