魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
今度はコハクがラスを見守る側となった。

手出しをしてはいけない、とは言われていたが、ラスがどうやって四精霊の城までひとりで来れるのか…

ウンディーネはその道中をコハクに見せたのだ。


水鏡に映るある意味変わり果てたラスの姿を見たコハクは絶句し、手で口元を押さえると声を震わせた。


「これが…チビなのか…?」


『2年経てば成長するわよ。あちこち育っちゃって…勉強もしてたし料理も頑張ってたし、ただほとんど部屋から出なかっただけ。成長したおチビさんはどう?』


「どうって…チビ…すげえ綺麗になって…マジか…!マジでやべえ!爆発しそうなんだけど!」


目覚めてから数日、精霊界でヒキガエルに会ったり燕を助けたりしている様子をじっと見ていたコハクの口から突いて出た言葉は、ウンディーネの視点からコハクを見ていたラスを笑わせて、ほっとさせた。


「もう…コーったら…」


「もうすぐそこまで来てるわね。外に出たら?ここまで来るのは来れたけど、肝心なのはどうやって人間界に戻るか、だから。その辺の話は2人揃ってから話すわね』


コハクは目覚めてからすぐ腕立て伏せや歩く練習をして身体を鍛えていた。

ラスはコハクに会いたくて会いたくて仕方なかったのだが、なまじのんびり屋な気性であちこち寄り道してしまう姿にコハクは安心してバルコニーから外に出ると、快晴の青空を見上げて瞳を細めた。


「中身は変わってねえな。安心した」


『今からアレしたりコレしたりしよう、って考えてるんでしょ?この色ぼけ魔王』


「あったりめえだろが!俺とチビは…たった1日しか愛し合えなかったんだ。イロイロしたいに決まってんだろ」


――燕がコハクたちの頭上を旋回し、小さな小さなラスの姿が見えた。


「チビ…」


『コー!コーだ…!』


風に掻き消えるはずの声はコハクの耳に届き、ウンディーネがひゅっと指を振るとラスは元のサイズに戻って落下したが、あまり2年前と変わっていない軽さのラスをしっかり腕に受け止めたコハクは、瞳を潤ませるラスの顔をまじまじと見つめた。


「チビ…大きくなったな。なんか…全然違う」


「でも私だよ。コー…ずっと会いたかったの!生きてて良かったね…!信じてたよ!」


こうしてコハクとラスは再会したのだ。
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