魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
じっと見つめてくるリロイと目を合わせることができなかった。
想いは2年前から変わらず、一瞬でも忘れられるようにと努力してきたつもりだが…
“勇者様”は今も変わらず、この人だけ。
「結婚式には…僕も招待して頂けるんですか?」
「…そうですね、皆に祝ってもらいたいです。ここの再建が終わったらレッドストーン王国の騎士団の指導をしてくれるんでしょう?…最前列の席を用意します」
「…」
淹れてくれた紅茶を一口飲んだティアラは窓辺に寄ると、まだ空っぽのこの街が人の活気に溢れる光景を想像して小さな笑い声を上げた。
「ティアラ?」
「あなたはよく頑張ったと思います。ラスの傍はつらいけれど…離れるのはもっとつらいでしょう?」
「…幼馴染でしたから。僕にとってラスは今でも小さなお姫様ですよ」
「あなたも私も前進しなければ。フォーン王子が私に会いに来るのであれば…部屋は同じ方がいいんでしょうね。ラスたちにはそのように伝えておきます」
「それは駄目です。あなたはレディーで、王女だ。結婚式までは清き身で……ああ、申し訳ありません。僕が…」
「…いえ、2年前のあれはカウントしていませんから。あなたもそうでしょう?私はもう忘れました。…邪魔をしてごめんなさい、もう行きます」
「ティアラ」
すれ違いざま、ぐいっと腕を引かれたティアラは反射的にその手を振り払った。
…甘えてはいけない。
期待をしたって勝手にがっかりするのは自分の方なのだから。
――リロイの金色の瞳はティアラの強がりを見通していた。
本当は吐き気がするほどに嫌いな男と結婚してまでも王国を継がなければならないという王女としての誇りと務めを正面から受け止めて、心を殺そうとしているティアラ――
…だが自分のこの汚れた手ではティアラを受け止めてやれない。
立場も違うし、元々は対等に話のできる気軽な存在ではないのだ。
だが、結婚式までは安らいでもらいたい。
自分にできることなら、それまではいくらでも話し相手になるし、傍にいてやれる。
「ティアラ…あなたを守ります。僕にできることならなんでも言って下さい。あなたは…ラスと同じ位大切な人です。だから強がらないで。呼ばれればいつでも飛んで行くし、傍に居ます」
「…ありがとう…」
そう返すのが、精一杯。
想いは2年前から変わらず、一瞬でも忘れられるようにと努力してきたつもりだが…
“勇者様”は今も変わらず、この人だけ。
「結婚式には…僕も招待して頂けるんですか?」
「…そうですね、皆に祝ってもらいたいです。ここの再建が終わったらレッドストーン王国の騎士団の指導をしてくれるんでしょう?…最前列の席を用意します」
「…」
淹れてくれた紅茶を一口飲んだティアラは窓辺に寄ると、まだ空っぽのこの街が人の活気に溢れる光景を想像して小さな笑い声を上げた。
「ティアラ?」
「あなたはよく頑張ったと思います。ラスの傍はつらいけれど…離れるのはもっとつらいでしょう?」
「…幼馴染でしたから。僕にとってラスは今でも小さなお姫様ですよ」
「あなたも私も前進しなければ。フォーン王子が私に会いに来るのであれば…部屋は同じ方がいいんでしょうね。ラスたちにはそのように伝えておきます」
「それは駄目です。あなたはレディーで、王女だ。結婚式までは清き身で……ああ、申し訳ありません。僕が…」
「…いえ、2年前のあれはカウントしていませんから。あなたもそうでしょう?私はもう忘れました。…邪魔をしてごめんなさい、もう行きます」
「ティアラ」
すれ違いざま、ぐいっと腕を引かれたティアラは反射的にその手を振り払った。
…甘えてはいけない。
期待をしたって勝手にがっかりするのは自分の方なのだから。
――リロイの金色の瞳はティアラの強がりを見通していた。
本当は吐き気がするほどに嫌いな男と結婚してまでも王国を継がなければならないという王女としての誇りと務めを正面から受け止めて、心を殺そうとしているティアラ――
…だが自分のこの汚れた手ではティアラを受け止めてやれない。
立場も違うし、元々は対等に話のできる気軽な存在ではないのだ。
だが、結婚式までは安らいでもらいたい。
自分にできることなら、それまではいくらでも話し相手になるし、傍にいてやれる。
「ティアラ…あなたを守ります。僕にできることならなんでも言って下さい。あなたは…ラスと同じ位大切な人です。だから強がらないで。呼ばれればいつでも飛んで行くし、傍に居ます」
「…ありがとう…」
そう返すのが、精一杯。