魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
グリーンリバーについたラスは、自分の手を握っている男を見上げて目を白黒させていた。
「ああなんとお美しい…!あなたがゴールドストーン王国の珠玉のラス王女ですね?申し遅れました、私はフォーンと申します。ティアラの婚約者で…」
「…えっ!?ティアラの…」
…おっさんだ。
口ひげを生やし、目じりには皺があり、鼻は鷲鼻でさらに背は小さい。
怒髪天寸前のコハクの高い視点からはこのフォーンと名乗った男の頭がややハゲているのも見えていて、思いきりティアラに同情すると共に握って離さない手を手刀で叩き落とした。
「なに勝手にお触りしてんだてめえ」
「!?君は…なんだ?」
「俺はチビの婚約者ー。今度勝手に触ったら地獄の燃え盛る炎の上で躍らせてやるからな」
顔を寄せて低い声で囁いたコハクの真っ赤な瞳に恐れを為したフォーンが後ずさると、ラスはコハクの脚をぎゅうっと踏んで咎めた。
「駄目だよコー、この人…ティアラの婚約者なんだから…」
「こんなんが婚約者とかフィリアは頭おかしくなったのか?あんまりすぎるぜ。俺がボインと同じ立場だったら城のてっぺんから身投げするけどな」
フォーンの口髭がぶるぶると震え、精一杯胸を張ると勇気も精一杯振り絞って虚勢を張った。
「フィリア女王側からお話があったのです。私の国は小さいですが私の家は血統も良く、王国を継ぐべき素質があると…」
「でもハゲだろ?これからのボインの人生はお先真っ暗だな。チビ、行くぞ」
「し、失礼な!それにそのぼ、ボインとはティアラ王女のことですか!?失礼にもほどがある!」
きゃんきゃんとわめくフォーンを完全シカトしたコハクはラスを抱っこしてさっさと螺旋階段を上がりながらため息をついた。
「まさかあんなひどいなんてな」
「うん…ティアラが可哀そう。コー、絶対邪魔しなきゃ。一緒に邪魔してくれる?」
「いいねえ、俺そういうの大好き!」
イタズラ好きで実験好きの魔王がにやりと笑い、2人は楽しそうに笑うと早速部屋で作戦を練ることにした。
――フォーンはひとり城の入り口で取り残され、ここにたどり着くのに馬を飛ばしても2か月もかかったというのに、労いの言葉もなく逆に受けた仕打ちを逆恨みしていた。
「くそ…!」
プライドだけは、山のように高かった。
「ああなんとお美しい…!あなたがゴールドストーン王国の珠玉のラス王女ですね?申し遅れました、私はフォーンと申します。ティアラの婚約者で…」
「…えっ!?ティアラの…」
…おっさんだ。
口ひげを生やし、目じりには皺があり、鼻は鷲鼻でさらに背は小さい。
怒髪天寸前のコハクの高い視点からはこのフォーンと名乗った男の頭がややハゲているのも見えていて、思いきりティアラに同情すると共に握って離さない手を手刀で叩き落とした。
「なに勝手にお触りしてんだてめえ」
「!?君は…なんだ?」
「俺はチビの婚約者ー。今度勝手に触ったら地獄の燃え盛る炎の上で躍らせてやるからな」
顔を寄せて低い声で囁いたコハクの真っ赤な瞳に恐れを為したフォーンが後ずさると、ラスはコハクの脚をぎゅうっと踏んで咎めた。
「駄目だよコー、この人…ティアラの婚約者なんだから…」
「こんなんが婚約者とかフィリアは頭おかしくなったのか?あんまりすぎるぜ。俺がボインと同じ立場だったら城のてっぺんから身投げするけどな」
フォーンの口髭がぶるぶると震え、精一杯胸を張ると勇気も精一杯振り絞って虚勢を張った。
「フィリア女王側からお話があったのです。私の国は小さいですが私の家は血統も良く、王国を継ぐべき素質があると…」
「でもハゲだろ?これからのボインの人生はお先真っ暗だな。チビ、行くぞ」
「し、失礼な!それにそのぼ、ボインとはティアラ王女のことですか!?失礼にもほどがある!」
きゃんきゃんとわめくフォーンを完全シカトしたコハクはラスを抱っこしてさっさと螺旋階段を上がりながらため息をついた。
「まさかあんなひどいなんてな」
「うん…ティアラが可哀そう。コー、絶対邪魔しなきゃ。一緒に邪魔してくれる?」
「いいねえ、俺そういうの大好き!」
イタズラ好きで実験好きの魔王がにやりと笑い、2人は楽しそうに笑うと早速部屋で作戦を練ることにした。
――フォーンはひとり城の入り口で取り残され、ここにたどり着くのに馬を飛ばしても2か月もかかったというのに、労いの言葉もなく逆に受けた仕打ちを逆恨みしていた。
「くそ…!」
プライドだけは、山のように高かった。