魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
フォーン以外が皆で和気藹々としていて、ひとり仲間外れなフォーンはなんとか仲間に入れてもらおうと躍起になって皆に話しかけていた。


「長旅の疲れも取れましたし、皆さんが総出で再建しているクリスタルパレスに私も行ってみたいのですが」


「馬飛ばせば2時間位で着けるぜ。あ、ちなみに俺とチビとデスは今日はグリーンリバーで買い物だから。後はお前らでよろしくやっといてくれよ」


「わかった。影が昨日手伝ってくれたおかげでかなり楽になったよ。今日からグループ分けをして皆さんに街を案内しようと思う」


「ああ、任せた。四精霊たちも引き上げさせっから後は人の手で頑張れよ」


コハクの膝の上でパンを両手に持ってぱくついていたラスは、ティアラが意味ありげにちらちらと視線をよこしてくるのに気付いており、小首を傾げると部屋の片隅に誘導された。


「ラス、お願いがあるの」


「うん、どうしたの?」


「あのね…」


ひそひそと小声で何やら内緒話をしている2人は時々肩を小突き合いながら瞳をきらきらさせていて、相手が女であれラスを独占されるのがいやな魔王はいらいら貧乏揺すりをして腹いせに隣のデスの皿に手を伸ばして大事にしていたイチゴをかっさらって口に入れた。


「………俺の…イチゴ…」


「お前さっき山盛りフルーツ食べたじゃんか。なあチビ、何の話…」


「女の子同士の内緒話。コーは男の子だから駄目」


にこにこ顔で戻って来たラスとは対照的に顔が真っ赤ななティアラは、隣に座るリロイから顔を覗き込まれてさらに熟れたトマトのようになった。

そうなると面白くないのはフォーンだ。


コハクと同様貧乏揺すりをしフォーンは、庭で待機しているドラちゃんとケルベロスを指してティアラに媚びへつらった。


「私もあれに乗せてもらえるんですよね?いやあ、伝説の生き物に乗れるなんて夢のよう…」


『誰がお前のような下種を乗せるか。真っ平だ』


『僕も。さっき魔王様から乗せちゃ駄目って言われたから駄目ー」


「魔王??」


…フォーンはコハクの正体を知らないことに今さらながらに気付き、面々は慌てて席を立つと2匹の背中に乗り込んでラスに手を振った。


「ラス、お転婆しちゃ駄目だよ」


「うん、わかった。行ってらっしゃい!」


そしてティアラとの内緒話に、うきうき。
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