魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
もう我慢できなくなるかもしれない――


そう思いながらもティアラを抱っこしたリロイはティアラをベッドに連れて行ってゆっくりと横たえさせた。


「り、リロイ…?」


「…もう遅い。ちゃんと眠らないと目の下にくまができますよ」


「!じゃあ…リロイも一緒に寝て下さい」


「え?そ、それはちょっと…」


「ずっとソファーで寝るなんて無理だわ。身体が痛いでしょうしよく眠れないでしょう?お願い…私…な、なんにもしませんから」


必死に身体を厭ってくれるティアラの気持ちを汲んだリロイは、もそっとベッドに入ってティアラから距離を置いた所で横になると、頬を赤らめた。


「じゃあ…お言葉に甘えて」


「リロイ…腕枕をして下さい」


「!今何もしないって…」


「何もしません。キスとか…その…もっとすごいこととか…そういうのは望みませんから…」


照明を消した暗がりの中で見つめ合うと、リロイは少しだけ近付くと左腕を伸ばしてティアラの腰を抱いて引き寄せた。


「これでいいですか?」


「はい。リロイの腕…細いけれどたくましくて好き…」


「…ティアラ…」


小さく微笑みかけてきたティアラの唇に指を伸ばして触れるととてもやわらかい感触が伝わってきて、駄目だとわかっているのにリロイはティアラの唇にキスをして舌を絡めた。


「ん…リロ、イ…」


「杖の分際で申し訳ありません。でもあなたがあまりにも可愛いから…」


「嬉しい…」


音を立ててキスをしているうちに“もっとだ”と声を上げる自分自身が居て、白騎士として誇り高くあれと育てられたリロイはこの不毛な三角関係が崩壊しない限りはティアラを抱かないと決めていた。


「キスまでで我慢します。だからあなたも…」


「…はい…。リロイ…私の勇者様…!」


――こんな自分に“勇者様”と言ってくれるティアラ――


魔王が一体どんな作戦でフォーンを陥れようとしているのか想像できなかったが、あの男のことだ、絶対姑息な手段を使うに決まっている。

だがそれを想像するだけで笑いが込み上げてきて、ティアラの頭を胸に抱いて耳たぶにキスをして囁いた。


「影が何かするつもりらしいんです。あいつは敵に回さない方がいい」


その頃魔王は…

うきうきクッキング中。

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