魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスがまた自分を庇ってくれた――
小さな頃からもう幾度となく自分のことでカイたちと喧嘩をしてくれるラスの気持ちが嬉しくて、終始にやにやしっぱなしのコハクはラスをドラちゃんの背に乗せてひらりとその後ろにまたがった。
「コーがにやにやしてる。気持ち悪い」
「気持ち悪いとか言うな!だってさあ、チビが俺を庇ってくれたから嬉しくって嬉しくって」
「コーはおっきいのに庇われて喜ぶの?もうおじいちゃんなんだから大人にならなきゃ」
「お、おじいちゃん!?そりゃ長くは生きてるけど…傷ついた!泣きたい!死にたい!」
「早く行かなくちゃ夜になっちゃうよっ。早く早く」
嘘泣きをして見せたのにまるで無視のラスから急かされたコハクは、ラスの首筋にちゅっとキスをしてドラちゃんの腹を蹴った。
咆哮を上げた真っ黒な龍が大空に舞い上がる――
何度見ても神秘的で神々しい姿に人々は酔いしれたが…ドラちゃんが普段日向ぼっこをするのが好きで、ラスたちを待っている間はクリスタルパレスのコロニー内に居る子供たちの恰好の遊び場になっていることをレッドストーン王国の人々は知らない。
「なんか…緊張するよコー」
「なんで?実家に帰るだけじゃん。ついでにチビん部屋の中の物そっくり持って帰ろうぜ。欲しい物あったら言えよ」
――幼い頃から忙しかったカイたちの手を煩わせないために、あまり彼らに我が儘は発揮しなかったけれど…
よくよく考えると未婚の王女が魔王の子供を妊娠して王国を飛び出す――というのは、ものすごく世間体が悪いのかもしれない――
“魔王”という存在は特別人々の生活の基盤を根底から揺るがした存在ではない。
“魔王”という存在を知ってはいたが攻めては来なかったし、ホワイトストーン王国とグリーンストーン王国がやられた時はそれは驚いたが…姿を見たことのない人々はあまり“魔王”を怖がってはいなかった。
だが…“魔王の子供を妊娠した”と分かれば、いくらゴールドストーン王国の王女と言えども非難されることは間違いないのだろう。
…国民は知っているのだろうか?
カイたちは…彼らに責められてはいないだろうか?
「チビ?顔色が悪いぜ、どうした?」
「え?ううん、なんでもないよ。私…仲直りできるように頑張るね」
「おう」
頬にキスをしてくれたコハクの手をぎゅっと握ったラスは、それでも揺るがない想いを貫こうと決めた。
小さな頃からもう幾度となく自分のことでカイたちと喧嘩をしてくれるラスの気持ちが嬉しくて、終始にやにやしっぱなしのコハクはラスをドラちゃんの背に乗せてひらりとその後ろにまたがった。
「コーがにやにやしてる。気持ち悪い」
「気持ち悪いとか言うな!だってさあ、チビが俺を庇ってくれたから嬉しくって嬉しくって」
「コーはおっきいのに庇われて喜ぶの?もうおじいちゃんなんだから大人にならなきゃ」
「お、おじいちゃん!?そりゃ長くは生きてるけど…傷ついた!泣きたい!死にたい!」
「早く行かなくちゃ夜になっちゃうよっ。早く早く」
嘘泣きをして見せたのにまるで無視のラスから急かされたコハクは、ラスの首筋にちゅっとキスをしてドラちゃんの腹を蹴った。
咆哮を上げた真っ黒な龍が大空に舞い上がる――
何度見ても神秘的で神々しい姿に人々は酔いしれたが…ドラちゃんが普段日向ぼっこをするのが好きで、ラスたちを待っている間はクリスタルパレスのコロニー内に居る子供たちの恰好の遊び場になっていることをレッドストーン王国の人々は知らない。
「なんか…緊張するよコー」
「なんで?実家に帰るだけじゃん。ついでにチビん部屋の中の物そっくり持って帰ろうぜ。欲しい物あったら言えよ」
――幼い頃から忙しかったカイたちの手を煩わせないために、あまり彼らに我が儘は発揮しなかったけれど…
よくよく考えると未婚の王女が魔王の子供を妊娠して王国を飛び出す――というのは、ものすごく世間体が悪いのかもしれない――
“魔王”という存在は特別人々の生活の基盤を根底から揺るがした存在ではない。
“魔王”という存在を知ってはいたが攻めては来なかったし、ホワイトストーン王国とグリーンストーン王国がやられた時はそれは驚いたが…姿を見たことのない人々はあまり“魔王”を怖がってはいなかった。
だが…“魔王の子供を妊娠した”と分かれば、いくらゴールドストーン王国の王女と言えども非難されることは間違いないのだろう。
…国民は知っているのだろうか?
カイたちは…彼らに責められてはいないだろうか?
「チビ?顔色が悪いぜ、どうした?」
「え?ううん、なんでもないよ。私…仲直りできるように頑張るね」
「おう」
頬にキスをしてくれたコハクの手をぎゅっと握ったラスは、それでも揺るがない想いを貫こうと決めた。