魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「私たちはもう魔王と君の結婚を反対していないよ」
「…嘘…。お父様はコーに呪われたし、コーのことずっと嫌いだったでしょ?お母様は最初からコーのこと大嫌いだったでしょ?だから私のことも大嫌いなんでしょっ?」
感情を高ぶらせて声を震わせるラスが血が滲むほど唇を噛み締めているので、カイはここまでラスを追い詰めてしまったにとてつもない責任を感じて何度も首を振った。
「最初は反対していたよ。君と魔王がこうならないようにとお母様と誓って君を外に出さなかったんだから。…でも逆効果だった。魔王は私たちよりも君の近くに居て、君の最大の理解者になったんだ」
「…コーが好きなの。愛してるの。ベビーのパパなんだよ。コーはパパになって、私はママになるの。だからお父様たちに反対されても平気。私はもう王女じゃなくなるし、悲しいけどお父様たちに反対されてもいいの。ここには戻って来なくなるだけだから」
「ラス…私の…お母様の話を聴いて。ラス…お母様は今でも魔王のことを認めてあげられていないけれど、あなたのために理解できるように努力するわ。だからお母様に魔王のことを教えて。お願いよ、ラス…」
ソフィーの言葉を受けてようやく身体の力を抜いたラスをカイとソフィーの私室へ連れて行くと、メイドが熱いお湯の入ったポットとティーセットを運んで来た。
それでもまだ完全にカイとソフィーの言葉を信じられずに俯いてたのだが、幼い頃に時々ソフィーが淹れてくれたオレンジティーの甘い香りが鼻腔をくすぐると、昔を思い出して顔を上げた。
「本当に…認めてもらえるの?」
「そうだよ。すでにイエローストーン王国が…ああ今はクリスタルパレスだったね。あの街が再建した話もリロイからの手紙で知っているんだ。魔王は君と結婚するために必死になって頑張ったんだね。さすがの私たちも認めざるを得なくなったし、君と喧嘩してからお母様と何度も話し合ったんだ。もし君が帰って来てくれたなら、結婚を認めようって」
――カイたちが本当に結婚を認めてくれたのだとわかった瞬間、ラスの瞳からぽろぽろと涙が零れた。
ソフィーはそんなラスの膝にソーサーとオレンジティーの入ったティーカップを置くと隣に座ってラスの長い金の髪を撫でた。
「今日は泊まっていきなさい。お母様と一緒に寝ましょう?お母様に魔王の話を聴かせてちょうだいな」
「…うん、わかった。お父様…お母様…ありがとう。コーと喧嘩しないでね。いつもふざけてるように見えるけど、最近お勉強もしてるし真面目なの。だからお願い」
「勉強…?」
その意味を問おうとした時、ノックも無くドアが開いた。
「…嘘…。お父様はコーに呪われたし、コーのことずっと嫌いだったでしょ?お母様は最初からコーのこと大嫌いだったでしょ?だから私のことも大嫌いなんでしょっ?」
感情を高ぶらせて声を震わせるラスが血が滲むほど唇を噛み締めているので、カイはここまでラスを追い詰めてしまったにとてつもない責任を感じて何度も首を振った。
「最初は反対していたよ。君と魔王がこうならないようにとお母様と誓って君を外に出さなかったんだから。…でも逆効果だった。魔王は私たちよりも君の近くに居て、君の最大の理解者になったんだ」
「…コーが好きなの。愛してるの。ベビーのパパなんだよ。コーはパパになって、私はママになるの。だからお父様たちに反対されても平気。私はもう王女じゃなくなるし、悲しいけどお父様たちに反対されてもいいの。ここには戻って来なくなるだけだから」
「ラス…私の…お母様の話を聴いて。ラス…お母様は今でも魔王のことを認めてあげられていないけれど、あなたのために理解できるように努力するわ。だからお母様に魔王のことを教えて。お願いよ、ラス…」
ソフィーの言葉を受けてようやく身体の力を抜いたラスをカイとソフィーの私室へ連れて行くと、メイドが熱いお湯の入ったポットとティーセットを運んで来た。
それでもまだ完全にカイとソフィーの言葉を信じられずに俯いてたのだが、幼い頃に時々ソフィーが淹れてくれたオレンジティーの甘い香りが鼻腔をくすぐると、昔を思い出して顔を上げた。
「本当に…認めてもらえるの?」
「そうだよ。すでにイエローストーン王国が…ああ今はクリスタルパレスだったね。あの街が再建した話もリロイからの手紙で知っているんだ。魔王は君と結婚するために必死になって頑張ったんだね。さすがの私たちも認めざるを得なくなったし、君と喧嘩してからお母様と何度も話し合ったんだ。もし君が帰って来てくれたなら、結婚を認めようって」
――カイたちが本当に結婚を認めてくれたのだとわかった瞬間、ラスの瞳からぽろぽろと涙が零れた。
ソフィーはそんなラスの膝にソーサーとオレンジティーの入ったティーカップを置くと隣に座ってラスの長い金の髪を撫でた。
「今日は泊まっていきなさい。お母様と一緒に寝ましょう?お母様に魔王の話を聴かせてちょうだいな」
「…うん、わかった。お父様…お母様…ありがとう。コーと喧嘩しないでね。いつもふざけてるように見えるけど、最近お勉強もしてるし真面目なの。だからお願い」
「勉強…?」
その意味を問おうとした時、ノックも無くドアが開いた。