魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
この森はリロイとコハクとの遊び場でとても大切な場所。
街へ行くことは一切許されなかったので、天気の良い日は白騎士の訓練があるのに我が儘を言ってリロイと遊んでもらった思い出の場所だ。
「リロイは本当に白騎士をやめるんだね。でもクリスタルパレスの王様になってくれるのなら…グリーンリバーから近いしいつでも会えるよね?」
「ま、そうだな。実質クリスタルパレスは聖石はねえけど、その代り水晶が守護してる。王国に加盟する資格も広大な土地もあるし、今までとあんま変わんねえよ」
「ほんと?リロイとティアラが結婚したら毎日遊びに行ってもいい?」
「駄目!チビは毎日ずっと俺と居るの!」
子供のような我が儘を言ってラスを抱っこすると、デスがのっそりと立ち上がって自然溢れる森を見上げながら呟いた。
「……ここ…綺麗…」
「魔界にはこんなとこないもんな。ここはチビの探検場所だから毎日騎士団の連中がチビが怪我しないように整備してんだ。今もやってるらしいぜ」
「え、そうなの?知らなかった…」
陰ながら、カイとソフィーはラスのためにしてやれることを全てしていた。
リロイは元々剣の素質があったが唯一の幼馴染でラスに好意を抱いていたリロイを最年少で白騎士団に迎え入れたのも税所はコネのようなものだったが、ラスのためにと励んだ結果リロイは隊長にまで昇格。
このままラスと結婚を…と望んだだろうが、魔王が黙っていなかった。
「あいつにゃロリコン扱いされたこともあったけど、まあいっか。チビを狙ってたのは確かだしー」
「いつから狙ってたの?」
「おたまじゃくしの時から!」
「え?意味わかんない。コーの馬鹿」
“コーの馬鹿”と言われる度にきゅんきゅんしてしまうヘンタイ魔王は、城の中に戻ると衣裳部屋に行って裾の広がった淡いピンクのマタニティドレス風の服を手にしてラスの胸に押し付けた。
「これがいい!あ、せ、僭越ながら俺が服を着替えさせて…」
「あ、デスにはこれがいいよっ」
「チビ!俺の話を聴いて!」
とうとう音を上げた魔王が悲痛な声を上げると、ラスが噴き出してコハクの胸にドレスを押し付け返した。
「じゃあ手伝って。髪も綺麗に結ってね」
「イエッサー!」
デスはドレッサーの上に用意された沢山のヘアピンを見て思いきり首を傾けた。
街へ行くことは一切許されなかったので、天気の良い日は白騎士の訓練があるのに我が儘を言ってリロイと遊んでもらった思い出の場所だ。
「リロイは本当に白騎士をやめるんだね。でもクリスタルパレスの王様になってくれるのなら…グリーンリバーから近いしいつでも会えるよね?」
「ま、そうだな。実質クリスタルパレスは聖石はねえけど、その代り水晶が守護してる。王国に加盟する資格も広大な土地もあるし、今までとあんま変わんねえよ」
「ほんと?リロイとティアラが結婚したら毎日遊びに行ってもいい?」
「駄目!チビは毎日ずっと俺と居るの!」
子供のような我が儘を言ってラスを抱っこすると、デスがのっそりと立ち上がって自然溢れる森を見上げながら呟いた。
「……ここ…綺麗…」
「魔界にはこんなとこないもんな。ここはチビの探検場所だから毎日騎士団の連中がチビが怪我しないように整備してんだ。今もやってるらしいぜ」
「え、そうなの?知らなかった…」
陰ながら、カイとソフィーはラスのためにしてやれることを全てしていた。
リロイは元々剣の素質があったが唯一の幼馴染でラスに好意を抱いていたリロイを最年少で白騎士団に迎え入れたのも税所はコネのようなものだったが、ラスのためにと励んだ結果リロイは隊長にまで昇格。
このままラスと結婚を…と望んだだろうが、魔王が黙っていなかった。
「あいつにゃロリコン扱いされたこともあったけど、まあいっか。チビを狙ってたのは確かだしー」
「いつから狙ってたの?」
「おたまじゃくしの時から!」
「え?意味わかんない。コーの馬鹿」
“コーの馬鹿”と言われる度にきゅんきゅんしてしまうヘンタイ魔王は、城の中に戻ると衣裳部屋に行って裾の広がった淡いピンクのマタニティドレス風の服を手にしてラスの胸に押し付けた。
「これがいい!あ、せ、僭越ながら俺が服を着替えさせて…」
「あ、デスにはこれがいいよっ」
「チビ!俺の話を聴いて!」
とうとう音を上げた魔王が悲痛な声を上げると、ラスが噴き出してコハクの胸にドレスを押し付け返した。
「じゃあ手伝って。髪も綺麗に結ってね」
「イエッサー!」
デスはドレッサーの上に用意された沢山のヘアピンを見て思いきり首を傾けた。