魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「ラスたち…帰って来ませんね」
夜になってもラスたちが帰って来ないので、フォーンと食事をするのがいやだったティアラは部屋にパンとサラダとスープを持ち込んでリロイと一緒に食べた。
「きっとカイ陛下たちと話が弾んでいるんでしょう。陛下の手紙にはラスを心配している様子が窺えましたから」
「でも…お母様たちにも会ったはず。気になります…」
ティアラの隣でコーヒーを飲んでいたリロイは顔を上げて窓から見える夜空に目を遣ると肩を竦めた。
「考えても仕方ありません。答えの出ないことを考えても時間がもったいないだけですよ。…ああ、これはラスの受け売りなんですけどね」
ようやく2人きりの時間にも少し慣れたティアラは小さなため息をついてあらかじめまとめておいた着替えセットを手にもじもじしながらバスルームを指した。
「じゃあ私…シャワーを浴びて来ます」
「はい、じゃあ僕はバスルームの外で見張ってますから」
騎士道精神でにこりと笑ったリロイにエスコートされてバスルームに行ったティアラは、バスタオルの下に隠していた白の下着セットを見られないように気を付けながらリロイを見上げた。
「じゃあ、あなたがシャワーを浴びる時は私が外で見張りますね」
「ふふ、じゃあよろしくお願いします」
どうしても期待が膨らんでしまうのは、もう仕方のないこと。
…だがそれはリロイも同じこと。
2人共同じ悩みを抱えつつ、ぎこちなくドアを閉めるとドアに耳を押し当てて息を潜めた。
すると本当にドアの前に立っている気配がして、ふんわりした気持ちになったティアラはシャワーを浴びて身体を擦り、バスタブの中を泡だらけにして中に飛び込んだ。
「い、いつかは私と一緒に…きゃっ、やだ恥ずかしい…!」
長い間入っているうちに上せてしまい、ふらふらしながらバスタブから出てバスタオルに手を伸ばした時――くらりと眩暈がして大きな音を立てて倒れ込んだ。
「!?ティアラ…?どうしました?……入りますよ、失礼します」
物音に素早く気付いたリロイは一瞬躊躇したがティアラからの返事がないので中に押し入ると、倒れているティアラを発見して慌てて抱き起した。
「ティアラ!大丈夫ですか!?ああ大変だ…」
ティアラが裸であることにも気づかない程に動揺したリロイはティアラを抱っこして急いでベッドへと運んだ。
夜になってもラスたちが帰って来ないので、フォーンと食事をするのがいやだったティアラは部屋にパンとサラダとスープを持ち込んでリロイと一緒に食べた。
「きっとカイ陛下たちと話が弾んでいるんでしょう。陛下の手紙にはラスを心配している様子が窺えましたから」
「でも…お母様たちにも会ったはず。気になります…」
ティアラの隣でコーヒーを飲んでいたリロイは顔を上げて窓から見える夜空に目を遣ると肩を竦めた。
「考えても仕方ありません。答えの出ないことを考えても時間がもったいないだけですよ。…ああ、これはラスの受け売りなんですけどね」
ようやく2人きりの時間にも少し慣れたティアラは小さなため息をついてあらかじめまとめておいた着替えセットを手にもじもじしながらバスルームを指した。
「じゃあ私…シャワーを浴びて来ます」
「はい、じゃあ僕はバスルームの外で見張ってますから」
騎士道精神でにこりと笑ったリロイにエスコートされてバスルームに行ったティアラは、バスタオルの下に隠していた白の下着セットを見られないように気を付けながらリロイを見上げた。
「じゃあ、あなたがシャワーを浴びる時は私が外で見張りますね」
「ふふ、じゃあよろしくお願いします」
どうしても期待が膨らんでしまうのは、もう仕方のないこと。
…だがそれはリロイも同じこと。
2人共同じ悩みを抱えつつ、ぎこちなくドアを閉めるとドアに耳を押し当てて息を潜めた。
すると本当にドアの前に立っている気配がして、ふんわりした気持ちになったティアラはシャワーを浴びて身体を擦り、バスタブの中を泡だらけにして中に飛び込んだ。
「い、いつかは私と一緒に…きゃっ、やだ恥ずかしい…!」
長い間入っているうちに上せてしまい、ふらふらしながらバスタブから出てバスタオルに手を伸ばした時――くらりと眩暈がして大きな音を立てて倒れ込んだ。
「!?ティアラ…?どうしました?……入りますよ、失礼します」
物音に素早く気付いたリロイは一瞬躊躇したがティアラからの返事がないので中に押し入ると、倒れているティアラを発見して慌てて抱き起した。
「ティアラ!大丈夫ですか!?ああ大変だ…」
ティアラが裸であることにも気づかない程に動揺したリロイはティアラを抱っこして急いでベッドへと運んだ。