魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
固く絞った冷たいタオルで身体を拭いてやっているうちにティアラの顔色が戻ってきてほっとしたリロイは、その時ようやくティアラが裸であることに気が付いて、よろめいた。
「ふ、ふ、ふ、服を着せないと…!服はどこに…」
おろおろしながらバスルームに戻り、ティアラが用意していた下着と白のネグリジェを手にしたリロイは思わずそれに見入ってしまってまた平常心を失った。
「こ、これをティアラが……ああ駄目だ、こんなこと考えちゃいけない…!早く着せないと…」
…正直どうやって着せればいいのかわからないし、ティアラの裸を見ながら着せることも絶対にできないという自信がある。
「もうこれしか…」
タオルを目に当てて頭の後ろで縛ると、手探りでネグリジェを手に取ってティアラを抱き起した。
「僕には下着は無理です。体たらくですみません」
ティアラの手を取って袖を通し、その度にやわらかい身体が手に指に伝わってリロイを翻弄した。
だがなんとかもたもたしつつもネグリジェを着せることに成功すると、何故か汗だくになっていたリロイはタオルを外して膝をついてひざまずき、まだ気絶しているティアラの手の甲にキスをした。
こんなことが何度も起きればきっと耐えられなくなる。
すでに1度この手でティアラを穢しているのだから、ティアラを抱きたくても理性が邪魔をして思うように行動できない。
だが…
あの傲慢で不遜なフォーンの元に嫁がせることだけは絶対にしたくない。
「…あなたに不幸になってほしくないのに」
――ラスの時には、“魔王と結婚すれば絶対不孝になる”と思い込んでいた。
それは間違いだったけれど…今回のティアラの場合は、必ず不幸になると確信している。
フォーンに指1本触れられればバルコニーから身投げしてしまいそうなほどに毛嫌いしているティアラを守りたい――
「ん……リロイ…?私…」
「ああ、起きましたか、良かった。湯あたりしてバスルームで倒れていたんですよ。…申し訳ありません、僭越ながら僕が着替えを…」
「え…?きゃあっ!?み、み、見たんですかっ!?」
顔を真っ赤にしながら掛け布団で身体を隠したティアラの反応が伝染したリロイは、後ずさりしながら慌ててバスルームに駆け込んでドアを閉めた。
「す、少しだけです!」
「で、でも…っ、し、下着も見たんですか!?」
「…申し訳ありません…」
リロイは脳裏にちらつくティアラの裸を消去しようと必死になって冷水のシャワーを頭から被った。
「ふ、ふ、ふ、服を着せないと…!服はどこに…」
おろおろしながらバスルームに戻り、ティアラが用意していた下着と白のネグリジェを手にしたリロイは思わずそれに見入ってしまってまた平常心を失った。
「こ、これをティアラが……ああ駄目だ、こんなこと考えちゃいけない…!早く着せないと…」
…正直どうやって着せればいいのかわからないし、ティアラの裸を見ながら着せることも絶対にできないという自信がある。
「もうこれしか…」
タオルを目に当てて頭の後ろで縛ると、手探りでネグリジェを手に取ってティアラを抱き起した。
「僕には下着は無理です。体たらくですみません」
ティアラの手を取って袖を通し、その度にやわらかい身体が手に指に伝わってリロイを翻弄した。
だがなんとかもたもたしつつもネグリジェを着せることに成功すると、何故か汗だくになっていたリロイはタオルを外して膝をついてひざまずき、まだ気絶しているティアラの手の甲にキスをした。
こんなことが何度も起きればきっと耐えられなくなる。
すでに1度この手でティアラを穢しているのだから、ティアラを抱きたくても理性が邪魔をして思うように行動できない。
だが…
あの傲慢で不遜なフォーンの元に嫁がせることだけは絶対にしたくない。
「…あなたに不幸になってほしくないのに」
――ラスの時には、“魔王と結婚すれば絶対不孝になる”と思い込んでいた。
それは間違いだったけれど…今回のティアラの場合は、必ず不幸になると確信している。
フォーンに指1本触れられればバルコニーから身投げしてしまいそうなほどに毛嫌いしているティアラを守りたい――
「ん……リロイ…?私…」
「ああ、起きましたか、良かった。湯あたりしてバスルームで倒れていたんですよ。…申し訳ありません、僭越ながら僕が着替えを…」
「え…?きゃあっ!?み、み、見たんですかっ!?」
顔を真っ赤にしながら掛け布団で身体を隠したティアラの反応が伝染したリロイは、後ずさりしながら慌ててバスルームに駆け込んでドアを閉めた。
「す、少しだけです!」
「で、でも…っ、し、下着も見たんですか!?」
「…申し訳ありません…」
リロイは脳裏にちらつくティアラの裸を消去しようと必死になって冷水のシャワーを頭から被った。