魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「お母様はコーのどこが嫌いだったの?」
単刀直入に聴かれたソフィーは、ラスと一緒にお風呂に入り、綺麗な金の髪を洗ってやりながら首を振った。
「もういいのよ。あなたと喧嘩したくないし、魔王は変わったからいいの。それよりもあなた…苦労したのね。精霊界へ行ったなんて…」
「そんなに大変じゃなかったよ。思ってるよりも早くコーと会えたし、コーと会えた時はほんとに嬉しくて…。お母様…2年間もほとんど話さなくってごめんね」
――ラスはあれからコハクの話をし続けていた。
かれこれもう2時間近く経っていたのだが一向に終わりがなく、風呂を出た後もまだラスの話は続いていて、あたたかいホットミルクを飲ませた時はさすがにうとうとし始めて思わずほっとしてしまった。
「眠たいなら横になりましょう。お母様が抱っこしてあげる」
「うんっ。それでね、その時コーがね…」
目を擦りながらも必死になってコハクの優しいところや助けてもらった時のことなどを夢現に語っていたが、とうとう落ちた。
「やっと寝たわね…。あなたが魔王のことを愛している気持ちは十分すぎるほど伝わっているわ。だから大丈夫」
話しかけても応えはなく、飽きることなくラスの髪を撫でてやっていると、そこにカイが合流した。
「私のプリンセスは寝てしまったかな?」
「ええ、私はラスが小さかった時の話をしたかったのに、魔王の話のみで終わってしまったわ。ねえ、あなたも来て」
「私はこれから魔王と話をしなければいけなからちょっとだけだよ」
ラスを真ん中にして川の字になった家族は、代わる代わるラスの腹に触れて笑みを零した。
「魔王の子供なんてと思っていたけれど…あなた…私嬉しいわ。もうおばあちゃんになってしまうのはいやだけど、仕方ないわよね」
「そのことなんだけど、ラスはお嫁に行ってしまうし、私たちはまだ若い。ソフィー、そろそろ2人目を考えようか」
「!あ、あなた…」
ラスの頭上でキスを交わしたカイとソフィーは、あどけない寝顔で口をむにゃむにゃ動かしているラスの両頬に代わる代わるキスをした。
「ちゃんと魔王と話をしてくるよ。彼はもう私が命を賭して倒しに行った時の彼じゃない。もしかしたら分かり合えるかも」
「ええ、話が終わったら戻って来てね。2人でラスの寝顔を楽しみましょうよ」
――にこっと微笑んだカイはそっと身体を起こして部屋を出ると、コハクたちの居る部屋へと脚を運んだ。
単刀直入に聴かれたソフィーは、ラスと一緒にお風呂に入り、綺麗な金の髪を洗ってやりながら首を振った。
「もういいのよ。あなたと喧嘩したくないし、魔王は変わったからいいの。それよりもあなた…苦労したのね。精霊界へ行ったなんて…」
「そんなに大変じゃなかったよ。思ってるよりも早くコーと会えたし、コーと会えた時はほんとに嬉しくて…。お母様…2年間もほとんど話さなくってごめんね」
――ラスはあれからコハクの話をし続けていた。
かれこれもう2時間近く経っていたのだが一向に終わりがなく、風呂を出た後もまだラスの話は続いていて、あたたかいホットミルクを飲ませた時はさすがにうとうとし始めて思わずほっとしてしまった。
「眠たいなら横になりましょう。お母様が抱っこしてあげる」
「うんっ。それでね、その時コーがね…」
目を擦りながらも必死になってコハクの優しいところや助けてもらった時のことなどを夢現に語っていたが、とうとう落ちた。
「やっと寝たわね…。あなたが魔王のことを愛している気持ちは十分すぎるほど伝わっているわ。だから大丈夫」
話しかけても応えはなく、飽きることなくラスの髪を撫でてやっていると、そこにカイが合流した。
「私のプリンセスは寝てしまったかな?」
「ええ、私はラスが小さかった時の話をしたかったのに、魔王の話のみで終わってしまったわ。ねえ、あなたも来て」
「私はこれから魔王と話をしなければいけなからちょっとだけだよ」
ラスを真ん中にして川の字になった家族は、代わる代わるラスの腹に触れて笑みを零した。
「魔王の子供なんてと思っていたけれど…あなた…私嬉しいわ。もうおばあちゃんになってしまうのはいやだけど、仕方ないわよね」
「そのことなんだけど、ラスはお嫁に行ってしまうし、私たちはまだ若い。ソフィー、そろそろ2人目を考えようか」
「!あ、あなた…」
ラスの頭上でキスを交わしたカイとソフィーは、あどけない寝顔で口をむにゃむにゃ動かしているラスの両頬に代わる代わるキスをした。
「ちゃんと魔王と話をしてくるよ。彼はもう私が命を賭して倒しに行った時の彼じゃない。もしかしたら分かり合えるかも」
「ええ、話が終わったら戻って来てね。2人でラスの寝顔を楽しみましょうよ」
――にこっと微笑んだカイはそっと身体を起こして部屋を出ると、コハクたちの居る部屋へと脚を運んだ。