魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスはすっかりカイとソフィーと打ち解けて、コハクはそれをとりあえず喜んだが、自分が二の次になることだけは許せなかった。
「もう十分ゆっくりしたろ?さっさと帰ってボインに日記届けようぜ」
「うん、でももうちょっと」
「また来ればいいじゃん!じゃあなカイ、また遊びに来てやるよ」
「今度はお前は来なくていい」
「うっせ!ぜってぇ俺も一緒に来るからな!ほらチビ、帰るぞ」
「やーだー!」
嫌がるラスを無理矢理抱っこしたコハクはドラちゃんの背に飛び乗り、続いてデスが跨ると一気に上昇した。
「お父様、お母様、またすぐ遊びに行くから!」
「ああ、待っているよ。ラス、身体に気を付けて」
「うん、わかった!」
…実はコハクと離れていることがちょっぴり寂しかったりもしていたのだが、実際またぎゅうぎゅうに束縛されるとやや鬱陶しく感じてしまうが、それは黙っておいたラスは、しきりに腹を撫でてくるコハクにもたれ掛ると細くて長い人差し指をきゅっと握った。
「コーの馬鹿。せっかく楽しくお話してたのに」
「次は俺と楽しくお話すんの!今日は部屋でおむつの替え方レッスンな!もちマニュアル完備!」
「お人形で練習するの?面白そうっ」
「人形ですんのも面白くねえし、デスでやってみるか」
「面白そう!」
「……いやだ…」
ラスの関心を引くことに成功したコハクはにんまりしてしっかりとラスの身体に腕を回して覆い被さるようにして日差しから庇ってやると、あっという間にクリスタルパレスに着いて屋上に着陸した。
「最初にティアラに会いに行こ。その後おむつの替え方ね。デスも一緒にやろ」
「……うん」
「なんでだよ、デスは関係ねえじゃん!チビと2人がいい!」
「デスだってベビーを沢山抱っこしたいだろうし…駄目?」
上目遣いでおねだりされてきゅんとした魔王は壁をどんどんと叩いて身悶えして指をわなわな震わせて絶叫。
「可愛いーーーーーー!」
「デス、行こ」
放置されてさらに萌えた魔王は急いでラスの前に回り込んで繋いでいた手に手刀を振り落して離れさせた。
「これは俺の役目なの!行こうぜチビ」
大人げない行動にむっとしたデスが珍しくもコハクの腰を拳で殴って反撃に出ると、滅多にスキンシップを取って来ないデスの思わぬ行動についにやっとしてしまったコハクは赤い瞳をぴかっと光らせて唇を吊り上げた。
「なんだ?やるのかおい」
「………ごめん、なさい…」
死神は平和主義。
鎌を振り下ろせば無敵だが、彼はラスの前では絶対に鎌を見せまいと決めていた。
「もう十分ゆっくりしたろ?さっさと帰ってボインに日記届けようぜ」
「うん、でももうちょっと」
「また来ればいいじゃん!じゃあなカイ、また遊びに来てやるよ」
「今度はお前は来なくていい」
「うっせ!ぜってぇ俺も一緒に来るからな!ほらチビ、帰るぞ」
「やーだー!」
嫌がるラスを無理矢理抱っこしたコハクはドラちゃんの背に飛び乗り、続いてデスが跨ると一気に上昇した。
「お父様、お母様、またすぐ遊びに行くから!」
「ああ、待っているよ。ラス、身体に気を付けて」
「うん、わかった!」
…実はコハクと離れていることがちょっぴり寂しかったりもしていたのだが、実際またぎゅうぎゅうに束縛されるとやや鬱陶しく感じてしまうが、それは黙っておいたラスは、しきりに腹を撫でてくるコハクにもたれ掛ると細くて長い人差し指をきゅっと握った。
「コーの馬鹿。せっかく楽しくお話してたのに」
「次は俺と楽しくお話すんの!今日は部屋でおむつの替え方レッスンな!もちマニュアル完備!」
「お人形で練習するの?面白そうっ」
「人形ですんのも面白くねえし、デスでやってみるか」
「面白そう!」
「……いやだ…」
ラスの関心を引くことに成功したコハクはにんまりしてしっかりとラスの身体に腕を回して覆い被さるようにして日差しから庇ってやると、あっという間にクリスタルパレスに着いて屋上に着陸した。
「最初にティアラに会いに行こ。その後おむつの替え方ね。デスも一緒にやろ」
「……うん」
「なんでだよ、デスは関係ねえじゃん!チビと2人がいい!」
「デスだってベビーを沢山抱っこしたいだろうし…駄目?」
上目遣いでおねだりされてきゅんとした魔王は壁をどんどんと叩いて身悶えして指をわなわな震わせて絶叫。
「可愛いーーーーーー!」
「デス、行こ」
放置されてさらに萌えた魔王は急いでラスの前に回り込んで繋いでいた手に手刀を振り落して離れさせた。
「これは俺の役目なの!行こうぜチビ」
大人げない行動にむっとしたデスが珍しくもコハクの腰を拳で殴って反撃に出ると、滅多にスキンシップを取って来ないデスの思わぬ行動についにやっとしてしまったコハクは赤い瞳をぴかっと光らせて唇を吊り上げた。
「なんだ?やるのかおい」
「………ごめん、なさい…」
死神は平和主義。
鎌を振り下ろせば無敵だが、彼はラスの前では絶対に鎌を見せまいと決めていた。