魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
眠っているラスが起きないように気配を殺したカイが部屋を訪れると、添い寝していたコハクが気配を察知してむくりと起き上がった。
「ちっ、来たのかよ。フィリアとよろしくやってたんじゃねえのか?」
「誤解を受けるようなことを言うな。フィリアは旅の仲間だ。お前こそ魔王城に着くまでの間にティアラ王女に手を出したんじゃないだろうな」
「まあ出しかけたけど、やめといたし。それよかカイ、ぜってぇチビに変な気起こすんじゃねえぞ」
「俺をお前と一緒にするな。さあ出て行け。明日リーダー選の投票結果を見届けたら帰らなければならないんだ。今夜位一緒に寝たっていいだろ?」
「ふん、言っとくけど魔法で見張ってるからな。チビ、ベビー、また朝会おうな」
すやすや眠っているラスの頬と腹にキスをしたコハクが憤然と出て行くと、カイはくすくす笑いながらベッドに腰掛けて、ラスの表情を隠している前髪を払った。
どちらかといえばソフィーよりも自分に似ていて、相変わらずなお転婆でコハクをはらはらさせている毎日を考えると面白くて仕方がなくなってまだ笑っていると、ラスが目を覚ました。
「あ…お父様…来てくれたの?寝て。隣に寝てっ。早くっ」
「ちょっと待ちなさい、あまりはしゃぐと身体に良くないからね。わかっているのかい?」
「うんっ、わかった。だから早くっ」
…全くわかっていないラスがはしゃいだ声を上げてまたカイを困らせながらも、ラスの隣に潜り込んだカイは、髪を優しく撫でてやりながら、恥ずかしがって鼻の辺りまで掛布団を引っ張って顔を隠してしまっているラスの瞼にキスをした。
「魔王は優しくしてくれているかい?喧嘩は?まさか泣かされたりしてないだろうね?」
「ううん、全然。コーっておかしいの。やっぱり時々わかんないこと言うけど、素敵なパパになってくれそう。毎日子育ての本を読んで勉強してるんだよ。すごいよね」
「君が幸せなのが何よりだよ。今度お母様もここに一緒に連れて来ようか。孫ができるってとても喜んでるんだよ。あの子供部屋もお母様がほとんど準備したんだからね」
「え、そうなの?お母様…いっつもコーのこと悪く言うから口げんかしちゃうけど…お父様…私、お母様のこと嫌いじゃないの。大好きなの。でも…」
「お母様もわかっているから大丈夫。さあ私の可愛いプリンセス、どうしてお父様と遊ぼうか?くすぐり合いっこしようか?」
「きゃあーっ!お父様っ、こそばゆいっ!私もお返しするもんっ!」
ベッドから布団が落ち、身体をくすぐり合いまくって楽しい笑い声が部屋に満ちると、それを魔法で盗み聞きしていたコハクが隣のデスの部屋で寛ぎつつちっと舌打ちした。
「ちぇっ、俺も参加してえな…」
そしてデスのベッドで、ふて寝。
「ちっ、来たのかよ。フィリアとよろしくやってたんじゃねえのか?」
「誤解を受けるようなことを言うな。フィリアは旅の仲間だ。お前こそ魔王城に着くまでの間にティアラ王女に手を出したんじゃないだろうな」
「まあ出しかけたけど、やめといたし。それよかカイ、ぜってぇチビに変な気起こすんじゃねえぞ」
「俺をお前と一緒にするな。さあ出て行け。明日リーダー選の投票結果を見届けたら帰らなければならないんだ。今夜位一緒に寝たっていいだろ?」
「ふん、言っとくけど魔法で見張ってるからな。チビ、ベビー、また朝会おうな」
すやすや眠っているラスの頬と腹にキスをしたコハクが憤然と出て行くと、カイはくすくす笑いながらベッドに腰掛けて、ラスの表情を隠している前髪を払った。
どちらかといえばソフィーよりも自分に似ていて、相変わらずなお転婆でコハクをはらはらさせている毎日を考えると面白くて仕方がなくなってまだ笑っていると、ラスが目を覚ました。
「あ…お父様…来てくれたの?寝て。隣に寝てっ。早くっ」
「ちょっと待ちなさい、あまりはしゃぐと身体に良くないからね。わかっているのかい?」
「うんっ、わかった。だから早くっ」
…全くわかっていないラスがはしゃいだ声を上げてまたカイを困らせながらも、ラスの隣に潜り込んだカイは、髪を優しく撫でてやりながら、恥ずかしがって鼻の辺りまで掛布団を引っ張って顔を隠してしまっているラスの瞼にキスをした。
「魔王は優しくしてくれているかい?喧嘩は?まさか泣かされたりしてないだろうね?」
「ううん、全然。コーっておかしいの。やっぱり時々わかんないこと言うけど、素敵なパパになってくれそう。毎日子育ての本を読んで勉強してるんだよ。すごいよね」
「君が幸せなのが何よりだよ。今度お母様もここに一緒に連れて来ようか。孫ができるってとても喜んでるんだよ。あの子供部屋もお母様がほとんど準備したんだからね」
「え、そうなの?お母様…いっつもコーのこと悪く言うから口げんかしちゃうけど…お父様…私、お母様のこと嫌いじゃないの。大好きなの。でも…」
「お母様もわかっているから大丈夫。さあ私の可愛いプリンセス、どうしてお父様と遊ぼうか?くすぐり合いっこしようか?」
「きゃあーっ!お父様っ、こそばゆいっ!私もお返しするもんっ!」
ベッドから布団が落ち、身体をくすぐり合いまくって楽しい笑い声が部屋に満ちると、それを魔法で盗み聞きしていたコハクが隣のデスの部屋で寛ぎつつちっと舌打ちした。
「ちぇっ、俺も参加してえな…」
そしてデスのベッドで、ふて寝。