魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
結局その後はカイとコハクとラスの3人でグリーンリバーの街並みを鑑賞しながら散歩をして、リロイたちと合流すると、ケルベロスとドラちゃんに分乗してクリスタルパレスに向かった。
すでに決選投票は行われており、リロイの姿を見た人々は歓声を上げてティアラとの結婚を祝福すると共に、カイの姿を見てまた驚きの声を上げた。
「あ、あの方は…魔王を倒した勇者カイ国王陛下では!?」
「おお、勇者がリロイさんを応援しに来たんだ!なんと神々しく凛々しいお姿!」
カイが誉められていることがとても嬉しくなったラスがつい抱っこしてくれているコハクの真っ黒な髪をくしゃくしゃにして喜びを全開にすると、コハクの機嫌が斜めになった。
だがそれよりももみくちゃになってラスにもし何かあったら大変だと考えたコハクが何も言わずに足早に人ごみをかき分けて城へ到着したが、カイは皆に囲まれてしまい、遅れている。
「お父様はやっぱり人気者だね。すっごく嬉しい」
「でも“魔王を倒した勇者カイ”だぜ。魔王って俺じゃん。別に倒れてねえし生きてるけど、それでも勇者扱いかよ。ふんだ」
「コー、拗ねないで。私にとってはコーもお父様も勇者様なんだから。ね?」
すぐに拗ねてしまう可愛い一面を見せるコハクのことも大好きなラスは、先ほどデスからキスまがいのことをされたせいもあり、コハクの綺麗な唇をついじっと見つめてしまう。
…最近特に腹が大きくなってきてからは肌を重ね合うこともなく、軽いキスをする程度。
自分に女としての魅力がないのでは、と不安を覚えたラスが黙り込むと、コハクはラスの緑の瞳を覗き込みながら螺旋階段を上がりつつ、頬にちゅっとキスをした。
「元気ねえけど、どした?どっか痛いのか?はっ、まさか腹が痛いのか!?」
「ううん、そうじゃないよ。ねえコー…私とキスしたくない?」
「へっ?キス?いやそりゃ毎日してえし、キス以外のことも毎日してえけど…」
「でも最近全然でしょ?今の私…お腹が大きくなって綺麗じゃないし…胸はちょっと大きくなったけど、最近全然コーが私に触ってくれないし…コー、病気なの?」
空中庭園に着いてラスをベンチに降ろしたコハクは、でれでれと鼻の下を伸ばしながら、ラスが求めてくれていることに無限の喜びを覚えた。
「や、あれって身体に負担がかかるしさ。…なんだ?したいのか?」
「えっ?…う、うん…。いっぱいコーを触りたいな」
「…やべえ!爆発する!なんだチビ、俺を挑発すんなって!」
悶えるコハクの腕に抱き着いたラスは、無邪気な小悪魔を演じて耳元でこそっと囁いた。
「じゃあ今日お家に帰ったら…しようね」
「喜んで!!」
魔王の返事は神速の如き早さだった。
すでに決選投票は行われており、リロイの姿を見た人々は歓声を上げてティアラとの結婚を祝福すると共に、カイの姿を見てまた驚きの声を上げた。
「あ、あの方は…魔王を倒した勇者カイ国王陛下では!?」
「おお、勇者がリロイさんを応援しに来たんだ!なんと神々しく凛々しいお姿!」
カイが誉められていることがとても嬉しくなったラスがつい抱っこしてくれているコハクの真っ黒な髪をくしゃくしゃにして喜びを全開にすると、コハクの機嫌が斜めになった。
だがそれよりももみくちゃになってラスにもし何かあったら大変だと考えたコハクが何も言わずに足早に人ごみをかき分けて城へ到着したが、カイは皆に囲まれてしまい、遅れている。
「お父様はやっぱり人気者だね。すっごく嬉しい」
「でも“魔王を倒した勇者カイ”だぜ。魔王って俺じゃん。別に倒れてねえし生きてるけど、それでも勇者扱いかよ。ふんだ」
「コー、拗ねないで。私にとってはコーもお父様も勇者様なんだから。ね?」
すぐに拗ねてしまう可愛い一面を見せるコハクのことも大好きなラスは、先ほどデスからキスまがいのことをされたせいもあり、コハクの綺麗な唇をついじっと見つめてしまう。
…最近特に腹が大きくなってきてからは肌を重ね合うこともなく、軽いキスをする程度。
自分に女としての魅力がないのでは、と不安を覚えたラスが黙り込むと、コハクはラスの緑の瞳を覗き込みながら螺旋階段を上がりつつ、頬にちゅっとキスをした。
「元気ねえけど、どした?どっか痛いのか?はっ、まさか腹が痛いのか!?」
「ううん、そうじゃないよ。ねえコー…私とキスしたくない?」
「へっ?キス?いやそりゃ毎日してえし、キス以外のことも毎日してえけど…」
「でも最近全然でしょ?今の私…お腹が大きくなって綺麗じゃないし…胸はちょっと大きくなったけど、最近全然コーが私に触ってくれないし…コー、病気なの?」
空中庭園に着いてラスをベンチに降ろしたコハクは、でれでれと鼻の下を伸ばしながら、ラスが求めてくれていることに無限の喜びを覚えた。
「や、あれって身体に負担がかかるしさ。…なんだ?したいのか?」
「えっ?…う、うん…。いっぱいコーを触りたいな」
「…やべえ!爆発する!なんだチビ、俺を挑発すんなって!」
悶えるコハクの腕に抱き着いたラスは、無邪気な小悪魔を演じて耳元でこそっと囁いた。
「じゃあ今日お家に帰ったら…しようね」
「喜んで!!」
魔王の返事は神速の如き早さだった。