魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスは毎日少しだけ昼寝をする。

その間、コハクはデスにラスを任せて地下室に籠り、探し物をする。

そして恋心に芽生えたデスは、ラスをベッドに寝かしつけて、ベッドサイドに腰掛けて小さな手を握っていた。


「ねえデス、グラースを避けないであげてね。グラースはずっと前にとっても悲しいことがあったの。だからデスが優しくしてくれると嬉しいな」


目を擦りながらグラースを擁護するラスの言葉にも全くぴんときていないデスは、ゆっくりとした動作で真っ黒なローを脱ぐと、ラスに顔を近付けてどきっとさせた。

そしてラスは朝キスまがいのことをされたのを思い出してしまい、少し半開きの綺麗な唇を見つめてしまう。


「で、デス?どうしたの?」


「…俺…ラスのこと……好き」


「うん、ありがとう。私もデスのこと好きだよ」


「……魔王と……どっちが好き…?」


「え?コーは私の旦那様になる人だから、コーの方かな。でもデスのことも好きだから。でもいきなりどうしちゃったの?ちょっとどきどきしちゃう…」


鼻の辺りまで布団を引っ張り上げて顔を隠しながらちら見されたデスは、またラスにしか感じない身体の奥底からの鼓動を聴いて、骨の指でラスの頬をなぞった。

するとラスがきゅっと瞳を閉じたので、“触りたい”という欲求が高まったデスは、ラスの隣に潜り込むと腕枕をしてコハクの真似をした。


「…どうして…目を閉じるの…」


「だ、だって…デスがちょっと男の人っぽいから…」


そろそろとラスが目を開けると、すぐ傍にデスの半開きの唇と、どこか潤んでいる少し垂れた瞳があり、また小パニックに陥ってデスの胸を押した。


「……俺…最初から…男…」


「うん、知ってるけど…コーに怒られたくないでしょ?私に触るとコーがすっごく怒るから、やめといた方がいいよ?」


「………でも…触りたいから…触る…」


デスの大きな手がラスの腹を撫でて、久しぶりにコハク以外の男にどきどきしてしまったラスは、骨の指のくすぐったい感触に笑いがこみあげて、お返しとばかりにデスの固い腹をくすぐった。

もちろんデスの表情が変わることはないが、なんだか変なムードはなくなり、欠伸をしたデスの肩に顔をこすり付けてまたとろとろと瞳を閉じる。


「ベビーを…助けてくれて、ありがとね…」


「……うん…」


そして2人で眠りに落ち、戻ってきたコハクがいらいら足踏みをしてデスをベッドから蹴落とすまですやすやと眠り続けた。
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