魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスに襲ってもらえたことで突き抜けて上機嫌なコハクが主導権を握って結婚式の準備が始まり、リロイとティアラは余韻に浸る時間もなく打ち合わせに追われる。
その間、ラスは手の空いたグラースに花冠の編み方を教えてもらい、少しずつ綺麗に編めるようになっていた。
だが足元には大量の色とりどりの失敗した花たちが散らばり、自分の不器用さを改めて痛感したラスは、グラースの肩に頭を預けた。
「私…不器用だよね。お料理はグラースに教えてもらって頑張れたけど…こういう細かい作業は苦手かも」
「努力すれば必ずできる。私も王国を出た後はなりふり構わず剣の腕を磨いて努力したんだ。諦めなければ、目標は達成できる」
「うん!グラース大好き」
テーブルに書類を広げてリロイと打ち合わせをしていたコハクがその会話を器用にも盗み聞きしていて唇を尖らせたが…何ぶん昨晩はとても楽しいことがあったばかりなので、心が寛容になっている。
いつもならすぐに食ってかかって割って入るはずなのに、そうせずにまた書類に目を落としたコハクの様子がいつもと違うことに気付いたリロイは、ティアラが淹れてくれた紅茶を口に運びながらコハクを上目遣いに見つめた。
「どうしたんだ?いつもと様子が違う」
「あ?あー…俺のこと?いやあ…実はさあ…」
馴れ馴れしくリロイの肩を抱いてバルコニーに出ると、ぐっと顔を近付けてリロイの耳元で昨晩の出来事をひけらかす。
「チビがさあ、昨日俺を襲ったんだ。いやーもう夢心地だった!今も夢心地!サイコーだった!恥ずかしがってんのがまた可愛くって!やべ、コーフンしてきた!」
「!ら、ラスが…?そ、そっか…でもお腹が大きいのに…」
「腹が大きくったって欲求はあるもんだろ。心配しなくったってゆっくりしたし。…それよかお前はどうなんだよ。毎晩だろ?ガキができんのも時間の問題じゃね?」
長い脚を組んで椅子に座りつつもラスから目を離さないコハクが問うと、リロイは頬を赤くしながら俯き、コハクと同じように愛しい瞳でカタログを熟読しているティアラを見つめた。
…コハクに指摘された通り、毎晩ティアラを抱いて、さらに愛しくなって、どうしてこんなに愛しい人が傍に居るのに2年も気付かなかったのだろう、と振り返る。
ラスの存在はそれほどまでに大きく、執着していたのだろう。
「…僕は変わったんだ。ティアラのおかげで変われた」
「へえ、俺と同じだな。俺もチビのおかげで変わった。俺たち案外気が合うかもな」
「よせ、全然嬉しくない」
白騎士団の鎧を脱いだリロイは何もかもから解放されて、まさに勇者像そのものの笑顔を浮かべてテーブルの下でコハクの脚を蹴った。
その間、ラスは手の空いたグラースに花冠の編み方を教えてもらい、少しずつ綺麗に編めるようになっていた。
だが足元には大量の色とりどりの失敗した花たちが散らばり、自分の不器用さを改めて痛感したラスは、グラースの肩に頭を預けた。
「私…不器用だよね。お料理はグラースに教えてもらって頑張れたけど…こういう細かい作業は苦手かも」
「努力すれば必ずできる。私も王国を出た後はなりふり構わず剣の腕を磨いて努力したんだ。諦めなければ、目標は達成できる」
「うん!グラース大好き」
テーブルに書類を広げてリロイと打ち合わせをしていたコハクがその会話を器用にも盗み聞きしていて唇を尖らせたが…何ぶん昨晩はとても楽しいことがあったばかりなので、心が寛容になっている。
いつもならすぐに食ってかかって割って入るはずなのに、そうせずにまた書類に目を落としたコハクの様子がいつもと違うことに気付いたリロイは、ティアラが淹れてくれた紅茶を口に運びながらコハクを上目遣いに見つめた。
「どうしたんだ?いつもと様子が違う」
「あ?あー…俺のこと?いやあ…実はさあ…」
馴れ馴れしくリロイの肩を抱いてバルコニーに出ると、ぐっと顔を近付けてリロイの耳元で昨晩の出来事をひけらかす。
「チビがさあ、昨日俺を襲ったんだ。いやーもう夢心地だった!今も夢心地!サイコーだった!恥ずかしがってんのがまた可愛くって!やべ、コーフンしてきた!」
「!ら、ラスが…?そ、そっか…でもお腹が大きいのに…」
「腹が大きくったって欲求はあるもんだろ。心配しなくったってゆっくりしたし。…それよかお前はどうなんだよ。毎晩だろ?ガキができんのも時間の問題じゃね?」
長い脚を組んで椅子に座りつつもラスから目を離さないコハクが問うと、リロイは頬を赤くしながら俯き、コハクと同じように愛しい瞳でカタログを熟読しているティアラを見つめた。
…コハクに指摘された通り、毎晩ティアラを抱いて、さらに愛しくなって、どうしてこんなに愛しい人が傍に居るのに2年も気付かなかったのだろう、と振り返る。
ラスの存在はそれほどまでに大きく、執着していたのだろう。
「…僕は変わったんだ。ティアラのおかげで変われた」
「へえ、俺と同じだな。俺もチビのおかげで変わった。俺たち案外気が合うかもな」
「よせ、全然嬉しくない」
白騎士団の鎧を脱いだリロイは何もかもから解放されて、まさに勇者像そのものの笑顔を浮かべてテーブルの下でコハクの脚を蹴った。