魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
結婚式当日――
再びフィリアとカイがグリーンリバーを訪れ、クリスタルパレスの大聖堂で式を行う準備を当日になっても慌ただしく行っていたリロイを呼び止めた。
「どうだい、緊張しているかい?」
「陛下…!緊張というか…まだ現実じゃないみたいで…よくわかりません。影が色々手筈を整えてくれたので、だいぶ楽な方なんじゃないかと思っています」
「魔王がねえ…。私と戦った時は随分と荒れていたものだが…魔王と私のプリンセスはどこに?」
正装のカイがきょろっと辺りを見回すと、リロイがバルコニーに出てカイを招きよせた。
誘われるがままにバルコニーに出て1階の庭に目を落とすと…ちょこちょこ動き回って花を摘んでいるラスの後ろをせかせかついて回っているコハクの姿と、両手に大量の花を持っているデスの姿があり、笑みが零れた。
「あれは何をしているのかな?」
「バージンロードを歩く時に花を降らせてくれるらしくて、そのための花だと思うんです。ラスも自分のことのように喜んでくれて準備を手伝ってくれました。ティアラも毎日エステに通って…もう大変ですよ」
「私の時もそうだったよ。だけど一生に1度の記念日になるのだから、花嫁を沢山誉めてあげなさい。王女の立場を正式に捨てて君に嫁ぐことに決めた覚悟を忘れないように」
リロイが背筋を伸ばしてカイに頭を下げると、2人の視線に気付いたのか、ラスが振り仰いできてカイの姿を見るなりその場でぴょんぴょんと跳ねて、コハクが慌ててラスを抱っこしていた。
18歳になったラスはまだまだ子供っぽかったが、そこがラスのいいところ。
純粋無垢で素直でまっすぐ育った娘に瞳を細めつつ、リロイの肩を抱いて室内に戻ったカイは、にっこり笑いながらリロイに追い打ちをかけた。
「明日はレッドストーン王国で式を挙げるのだから気張らないように。あと…オーフェンに殴られる覚悟もしておいた方がいいね。今日ここに来るまでにちょっと寄ってみたんだけど…怒っていたよ。ものすごくね」
「え…そ、そうなんですか…そうですよね…。僕みたいにただの平民が王女と結婚なんて…」
しゅんとうなだれたリロイの金の髪をくしゃくしゃかき混ぜたカイは、とぼけた口調でこうも言った。
「だけど泣き笑いだったよ。“娘が愛している男の元に嫁ぐことができて嬉しい”と言っていた。…幸せにしてやりなさい」
ついリロイが涙ぐんでいると、ラスを抱っこしたコハクが姿を見せた。
カイが両腕を広げてにっこり笑うと、ラスが駆け寄って腰に抱き着いた。
再びフィリアとカイがグリーンリバーを訪れ、クリスタルパレスの大聖堂で式を行う準備を当日になっても慌ただしく行っていたリロイを呼び止めた。
「どうだい、緊張しているかい?」
「陛下…!緊張というか…まだ現実じゃないみたいで…よくわかりません。影が色々手筈を整えてくれたので、だいぶ楽な方なんじゃないかと思っています」
「魔王がねえ…。私と戦った時は随分と荒れていたものだが…魔王と私のプリンセスはどこに?」
正装のカイがきょろっと辺りを見回すと、リロイがバルコニーに出てカイを招きよせた。
誘われるがままにバルコニーに出て1階の庭に目を落とすと…ちょこちょこ動き回って花を摘んでいるラスの後ろをせかせかついて回っているコハクの姿と、両手に大量の花を持っているデスの姿があり、笑みが零れた。
「あれは何をしているのかな?」
「バージンロードを歩く時に花を降らせてくれるらしくて、そのための花だと思うんです。ラスも自分のことのように喜んでくれて準備を手伝ってくれました。ティアラも毎日エステに通って…もう大変ですよ」
「私の時もそうだったよ。だけど一生に1度の記念日になるのだから、花嫁を沢山誉めてあげなさい。王女の立場を正式に捨てて君に嫁ぐことに決めた覚悟を忘れないように」
リロイが背筋を伸ばしてカイに頭を下げると、2人の視線に気付いたのか、ラスが振り仰いできてカイの姿を見るなりその場でぴょんぴょんと跳ねて、コハクが慌ててラスを抱っこしていた。
18歳になったラスはまだまだ子供っぽかったが、そこがラスのいいところ。
純粋無垢で素直でまっすぐ育った娘に瞳を細めつつ、リロイの肩を抱いて室内に戻ったカイは、にっこり笑いながらリロイに追い打ちをかけた。
「明日はレッドストーン王国で式を挙げるのだから気張らないように。あと…オーフェンに殴られる覚悟もしておいた方がいいね。今日ここに来るまでにちょっと寄ってみたんだけど…怒っていたよ。ものすごくね」
「え…そ、そうなんですか…そうですよね…。僕みたいにただの平民が王女と結婚なんて…」
しゅんとうなだれたリロイの金の髪をくしゃくしゃかき混ぜたカイは、とぼけた口調でこうも言った。
「だけど泣き笑いだったよ。“娘が愛している男の元に嫁ぐことができて嬉しい”と言っていた。…幸せにしてやりなさい」
ついリロイが涙ぐんでいると、ラスを抱っこしたコハクが姿を見せた。
カイが両腕を広げてにっこり笑うと、ラスが駆け寄って腰に抱き着いた。