魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
スーツを着込んだコハクとデスは揃って背が高く、まるで兄弟のような2人の間に挟まってうきうきしたラスは、2人と腕を絡めて部屋を出た。
デスは着心地が悪いのかずっともぞもぞしていたが、コハクはラスにあれこれ着せ替えをさせられることもしょっちゅうなので気にせずラスの足元だけに意識を集中している。
「デス、すっごく似合ってるよ。すっごくかっこいい。前髪ちょっと切ってみる?長すぎない?」
「……顔…見られたくない…」
「どうして?女の子なら絶対見惚れちゃうほどかっこいいのに。デスのこと好きって思う女の子は沢山居ると思うよ?」
「…………ラスも…俺のこと…好き…?」
「うん、好き。私ね、面食いなの。お父様とかリロイとかコーとかデスとか綺麗でかっこいい男の人が大好きなの。最近ローブ着ること少なくなったでしょ?すごくいい傾向だと思うから、いろんな格好にチャレンジしてみようね。私が着替えさせてあげる」
ラスとデスの会話が弾み、そこに割って入りたいのにラスの足取りがふらふらしているので気が気でないコハクは、メイドや使用人たちから熱視線で見られていることにも気付かずにラスの額に軽いでこぴんをした。
「こらチビ、ちゃんと前見ろって。これからはドラやケルベロスに乗らずに馬車でレッドストーン王国まで行くからな。隣国の王女や国王が参列するんだからチビは国賓なの!じっとしてればいいからな」
「コーとデスも一緒でいいんでしょ?いい男に囲まれてハーレム体験したいっ」
「俺がいい男なのは当然だけど!デス…お前嬉しそうだな、どうした?」
「………なんでもない」
デスの口角が微妙に上がっていることに気付いたコハクが入り口に乗りつけていた馬車にラスを乗せた後声をかけると、デスは耳に前髪をかけながら、微笑んだ。
「……俺のこと…好きって言った…」
「お前の名前だけじゃなかっただろがぼけ。お前なあ、チビの傍にべったり居るけど、グラースはお前のこと諦めてねえみたいだぞ」
「………あの人…怖い…。俺……苦手…」
少し唇を尖らせながら馬車に乗り込んだデスに突然黄色い声が上がった。
「デス!その髪型、いい!前髪がすっきりしてて顔が見えててすっごくいい!わあコー、デスはやっぱりかっこいいねっ」
俄然興奮して黄色い声を上げて脚をばたばたさせているラスの関心を引こうとコハクも前髪を耳にかけて対抗すると、くりんと首がこちらに向いたラスの目がハート形になった。
男同士が火花を散らしていることに全く気付いていないラスは、レッドストーン王国に着くまでの間ずっと、黄色い声を上げ続けていた。
デスは着心地が悪いのかずっともぞもぞしていたが、コハクはラスにあれこれ着せ替えをさせられることもしょっちゅうなので気にせずラスの足元だけに意識を集中している。
「デス、すっごく似合ってるよ。すっごくかっこいい。前髪ちょっと切ってみる?長すぎない?」
「……顔…見られたくない…」
「どうして?女の子なら絶対見惚れちゃうほどかっこいいのに。デスのこと好きって思う女の子は沢山居ると思うよ?」
「…………ラスも…俺のこと…好き…?」
「うん、好き。私ね、面食いなの。お父様とかリロイとかコーとかデスとか綺麗でかっこいい男の人が大好きなの。最近ローブ着ること少なくなったでしょ?すごくいい傾向だと思うから、いろんな格好にチャレンジしてみようね。私が着替えさせてあげる」
ラスとデスの会話が弾み、そこに割って入りたいのにラスの足取りがふらふらしているので気が気でないコハクは、メイドや使用人たちから熱視線で見られていることにも気付かずにラスの額に軽いでこぴんをした。
「こらチビ、ちゃんと前見ろって。これからはドラやケルベロスに乗らずに馬車でレッドストーン王国まで行くからな。隣国の王女や国王が参列するんだからチビは国賓なの!じっとしてればいいからな」
「コーとデスも一緒でいいんでしょ?いい男に囲まれてハーレム体験したいっ」
「俺がいい男なのは当然だけど!デス…お前嬉しそうだな、どうした?」
「………なんでもない」
デスの口角が微妙に上がっていることに気付いたコハクが入り口に乗りつけていた馬車にラスを乗せた後声をかけると、デスは耳に前髪をかけながら、微笑んだ。
「……俺のこと…好きって言った…」
「お前の名前だけじゃなかっただろがぼけ。お前なあ、チビの傍にべったり居るけど、グラースはお前のこと諦めてねえみたいだぞ」
「………あの人…怖い…。俺……苦手…」
少し唇を尖らせながら馬車に乗り込んだデスに突然黄色い声が上がった。
「デス!その髪型、いい!前髪がすっきりしてて顔が見えててすっごくいい!わあコー、デスはやっぱりかっこいいねっ」
俄然興奮して黄色い声を上げて脚をばたばたさせているラスの関心を引こうとコハクも前髪を耳にかけて対抗すると、くりんと首がこちらに向いたラスの目がハート形になった。
男同士が火花を散らしていることに全く気付いていないラスは、レッドストーン王国に着くまでの間ずっと、黄色い声を上げ続けていた。