魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
城内は有識者から貴族からどこかの小国の王などでごった返し、そんな中ラスは、やはり皆とは違って異様な空気を纏っているコハクとデスに守護されてソファにちょこんと座っていた。
「ねえコー、みんなとお話ししたいな。駄目?」
「駄目!チビはそこから動かないこと!あああくそっ、男どもがみんなチビをやらしい目で見やがって…全員殺してやろうかマジで」
なまじ冗談とは言えない凶悪な表情を作ったコハクの拗ねた表情に笑みを誘われたラスは、重たい腹を抱えてよいしょと立ち上がると、コハクのネクタイを引っ張って隣に座らせた。
…2年前コハクが影から本体に戻ってからこっち、影だった時とはやはりどこかが違う。
よりセクシーになって、身体もさらにシャープになって、どこもかしこもまるで芸術品のように美しい。
現に女性たちから熱い視線で見つめられていたし、あからさまに色目を使っている女性も中にはいたのだが――コハクはそれをまるで無視して、男たちに向けて舌打ちをしていた。
「コー、女の人たちがコーを見てる。…また浮気するんでしょ」
「“また”とは失礼な!…確かに2年前のことは悪かったよ。仕方ないだろ、影のままチビをどうこうしたくなかったし…でももう女遊びしたりしねえから。絶対。チビが俺の隣に居てくれる限りは、絶対しねえって約束したろ?」
「うん、そうだったね。デスもすっごく見られてるけど…女の人に興味ないのかなあ?」
隣に座っていたデスは、人の目があるのでいつものように膝を抱えて座ることができず、長い足を無造作に放り出してそわそわしていた。
ラスはコハクの膝に上がり込んで背中を支えてもらいながら、デスに手を伸ばして頭を撫でた。
「緊張してるの?可愛い女の子は見つけた?みんなデスを見てるよ、気に入った女の子が居たら話しかけてみたら?」
「……ラスみたいに可愛い子……居ない…」
「いいこと言った!そうだぞ、チビみたいに可愛い女はこの世には存在しねえんだ。お前よくわかってんじゃねえか」
コハクが長い腕を伸ばしてラスがしたようにデスの髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
少し照れた表情を浮かべたデスが、ラスの頭をよしよしと撫でて、はたから見ると完全なる三角関係に見えていたが、本人たちはまるでそのことに気付いていない。
3人は、悪目立ちしていた。
「ねえコー、みんなとお話ししたいな。駄目?」
「駄目!チビはそこから動かないこと!あああくそっ、男どもがみんなチビをやらしい目で見やがって…全員殺してやろうかマジで」
なまじ冗談とは言えない凶悪な表情を作ったコハクの拗ねた表情に笑みを誘われたラスは、重たい腹を抱えてよいしょと立ち上がると、コハクのネクタイを引っ張って隣に座らせた。
…2年前コハクが影から本体に戻ってからこっち、影だった時とはやはりどこかが違う。
よりセクシーになって、身体もさらにシャープになって、どこもかしこもまるで芸術品のように美しい。
現に女性たちから熱い視線で見つめられていたし、あからさまに色目を使っている女性も中にはいたのだが――コハクはそれをまるで無視して、男たちに向けて舌打ちをしていた。
「コー、女の人たちがコーを見てる。…また浮気するんでしょ」
「“また”とは失礼な!…確かに2年前のことは悪かったよ。仕方ないだろ、影のままチビをどうこうしたくなかったし…でももう女遊びしたりしねえから。絶対。チビが俺の隣に居てくれる限りは、絶対しねえって約束したろ?」
「うん、そうだったね。デスもすっごく見られてるけど…女の人に興味ないのかなあ?」
隣に座っていたデスは、人の目があるのでいつものように膝を抱えて座ることができず、長い足を無造作に放り出してそわそわしていた。
ラスはコハクの膝に上がり込んで背中を支えてもらいながら、デスに手を伸ばして頭を撫でた。
「緊張してるの?可愛い女の子は見つけた?みんなデスを見てるよ、気に入った女の子が居たら話しかけてみたら?」
「……ラスみたいに可愛い子……居ない…」
「いいこと言った!そうだぞ、チビみたいに可愛い女はこの世には存在しねえんだ。お前よくわかってんじゃねえか」
コハクが長い腕を伸ばしてラスがしたようにデスの髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
少し照れた表情を浮かべたデスが、ラスの頭をよしよしと撫でて、はたから見ると完全なる三角関係に見えていたが、本人たちはまるでそのことに気付いていない。
3人は、悪目立ちしていた。