魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクの唇は優しかった。

いつも優しいけれど、この男はいつも感動させてくれるし、笑わせてくれるし、楽しくさせてくれる。

…もしコハクが自分の影に居なかったら…一体自分はどんな人生を送っていたのだろうか?


知らない男と結婚して、王女としての運命を全うしたのだろうか?


「ん…、コー……コー…ん…っ」


ラスが漏らす吐息でいつも視界がぐらぐら揺れてしまうコハクは、いつもより高くて大きな声を上げるラスが昂っているのを感じてしなやかな腕で何度も強く抱きしめた。

正式なプロポーズをして、妖精たちも見えるようになって…小さな頃から花を愛していたラスにとっては夢のような出来事。

水晶の女王から水晶を譲ってもらうには実は結構根気が要ったのだが、最終的には粘り勝ちしてようやく入手できたことは、ラスには内緒。


「チビ…いつもより必要以上に可愛いんだけど。どした?ん?」


「ゃだ、コー…っ、顔見ないで…」


とろけるような表情を見せるラスに覆い被さったまま指を噛んで声を出すまいと耐えるラスに顔を寄せると、すぐにキスを求められて舌を絡め合う。

汗ばんだ身体からは良い香りがして、掌に伝わる滑らかな肌触りはラスだけでなく、コハクをも怒涛の如く昂らせていた。


「感じてくれてるんだろ?ちゃんと言葉で言わねえとやめちまうぞ?なあチビ、言えって」


「も、コーの、意地悪…っ。コー…すごく、気持ちいい、よ…大好き…!」


「何が大好きなんだよ。俺のことか?それとも…」


――それ以上言葉で攻めるのはやめておいた。

ラスの身体はとても熱く、ラスだけではなくコハクにも何度も快楽の波が押し寄せてくる。


…かつてどれほどの数の女を抱いたかわからないほどの夥しい女性経験をしてきたが、ラス意外に自分を昂らせて夢中にさせる女は、居ない。

ただ傍に居てくれるだけでいいし、時々的外れなことを言って笑わせてくれる大切な女だ。


ラスを永遠に離さないために、明日――不死の魔法をかける。



「チビ…俺と永遠に生きていこうな。生きることに飽きたら…一緒に死ぬ方法を探そう。ま、そんなことはねえだろうけど…いつも一緒だ。生きる時も死ぬ時も、一緒だ。誓ってくれ」


「うん…コー…っ、ずっと一緒だよ…!コーと一緒に色んなところを旅するの。永遠に…!」


「っくしょ、可愛いなあ。…ラス…愛してる」


「私も…コハク…愛してるよ…」



ラスがコハクの背中に爪を立てる。

狂おしいほどの愛は、一生変わらない。
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