魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
その頃ラスは、ちゃんとした人間の仕立て屋にメイクをしてもらっていた。
メイクといっても元々色白なので白粉を塗る必要もなかったのだが、コハクに“綺麗にしてもらえ”と言われていたので、仕立て屋の為すがままになっていた。
「まあ、なんて綺麗な肌!綺麗な唇!このままでもいい位ですわ!」
「すっごく綺麗にしてほしいの。コーが…私の旦那様に喜んでほしいから」
ドレッサーの前に座って脚をぷらぷらさせながらにこっと笑ったラスにぽうっとなってしまった女の仕立て屋は、その願いを叶えるべく最高のメイクを施した。
ピンク色のグロスを塗ってぷくぷくになった唇に喜んだラスが鏡を覗き込んでいると、リロイとティアラが到着した。
「少し早目に来てしまったかな?おはようラス」
「リロイ!ティアラっ!結婚式に来てくれてありがとう!コーは隣の部屋に居るよ」
「別に影に会いに来たわけじゃないからいいよ。…わ、少し見ない間に大きくなったね。抱っこしてもいい?」
ベビーベッドで手足をばたつかせていたベビーを抱っこしたリロイは正装姿だったが、どこか威厳のある雰囲気を湛えていた。
国政にも慣れ、ティアラと手を取って協力し合って国を動かし、少しずつ遠い存在になっていく。
それを口にすると悲しむので、にこっと笑ったラスは、元々真っ直ぐな髪に今度はアイロンを施されながら、形が崩れないように壁にかけてある金色の花で編んだ花冠とブーケを鏡越しに指差した。
「コーが枯れないように魔法をかけてくれたんだけど、あれが最高の出来なの。ティアラ…どう?綺麗に編めてると思う?」
「ラス…すごいわ、あなた靴下も編めなかったのにこんなに綺麗にできたのね。うん、すごく綺麗。ね、リロイ」
ラスが目尻を下げて嬉しそうに笑うと、いつも以上に綺麗になったラスに不覚にもどきどきしたリロイは、ふう、と大きく息を吐いた。
リロイがこうなることを予想していたティアラは、怒ることもなくむしろ絶対こうなると思っていたので、肩を竦めると、ラスの隣に座って整った横顔を見つめた。
「あのね、お母様が来年赤ちゃんを生むの。私に妹や弟ができるんだよ。でね、コーは私にこのリングをくれたの。妖精さんが見えるんだよ!それにねっ」
いちいち相槌を打ちながらラスのたどたどしい話を聞いていると、共に旅をしていた時のことを思い出す。
コハクはようやく…ようやく手に入れるのだ。
この世界で1番美しいと言われているラスを。
メイクといっても元々色白なので白粉を塗る必要もなかったのだが、コハクに“綺麗にしてもらえ”と言われていたので、仕立て屋の為すがままになっていた。
「まあ、なんて綺麗な肌!綺麗な唇!このままでもいい位ですわ!」
「すっごく綺麗にしてほしいの。コーが…私の旦那様に喜んでほしいから」
ドレッサーの前に座って脚をぷらぷらさせながらにこっと笑ったラスにぽうっとなってしまった女の仕立て屋は、その願いを叶えるべく最高のメイクを施した。
ピンク色のグロスを塗ってぷくぷくになった唇に喜んだラスが鏡を覗き込んでいると、リロイとティアラが到着した。
「少し早目に来てしまったかな?おはようラス」
「リロイ!ティアラっ!結婚式に来てくれてありがとう!コーは隣の部屋に居るよ」
「別に影に会いに来たわけじゃないからいいよ。…わ、少し見ない間に大きくなったね。抱っこしてもいい?」
ベビーベッドで手足をばたつかせていたベビーを抱っこしたリロイは正装姿だったが、どこか威厳のある雰囲気を湛えていた。
国政にも慣れ、ティアラと手を取って協力し合って国を動かし、少しずつ遠い存在になっていく。
それを口にすると悲しむので、にこっと笑ったラスは、元々真っ直ぐな髪に今度はアイロンを施されながら、形が崩れないように壁にかけてある金色の花で編んだ花冠とブーケを鏡越しに指差した。
「コーが枯れないように魔法をかけてくれたんだけど、あれが最高の出来なの。ティアラ…どう?綺麗に編めてると思う?」
「ラス…すごいわ、あなた靴下も編めなかったのにこんなに綺麗にできたのね。うん、すごく綺麗。ね、リロイ」
ラスが目尻を下げて嬉しそうに笑うと、いつも以上に綺麗になったラスに不覚にもどきどきしたリロイは、ふう、と大きく息を吐いた。
リロイがこうなることを予想していたティアラは、怒ることもなくむしろ絶対こうなると思っていたので、肩を竦めると、ラスの隣に座って整った横顔を見つめた。
「あのね、お母様が来年赤ちゃんを生むの。私に妹や弟ができるんだよ。でね、コーは私にこのリングをくれたの。妖精さんが見えるんだよ!それにねっ」
いちいち相槌を打ちながらラスのたどたどしい話を聞いていると、共に旅をしていた時のことを思い出す。
コハクはようやく…ようやく手に入れるのだ。
この世界で1番美しいと言われているラスを。