魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
抱き着いてきたラスを抱っこしたコハクは、ラスの頬が赤いことに気が付いて相変わらず多大な心配をして額と額をぶつけた。
「ほっぺ赤いな、熱でも出たか?今日忙しかったし…」
「う、ううん、大丈夫。でも…その…さっきデスにキスされちゃった。あっ、ほっぺにだよ、だからデスを怒らないでね」
頬以外にもキスをされたのだが、それは言わない方がいいだろうと思ったラスは、少し唇を尖らせたコハクの唇にちゅっとキスをすると、バスルームを指した。
「私も入りたいな。でもコー、今集中してるんでしょ?じゃあ後でもいいから私をお風呂に入れてね」
「ああ、わかった。今めっちゃ成功しそうな気がする。チビ…俺を信じてくれるよな?」
「いつも信じてるよ。コーが失敗したら笑ってあげるって言ったでしょ?お腹抱えて笑い転げてあげるから心配しないで」
コハクの赤い瞳は明らかに集中した光を湛えていた。
冗談にも乗ってくる気配はなく、瞳の中にたゆたう青白い炎のような光に魅了されたラスは、腕から降ろされると、部屋の中央に白いチョークで魔法陣を描いているコハクをじっと見つめていた。
「死にたくても死ねなくなる。身体がばらばらになっても、いつか元通りになる。その間激痛はずっと続いて……ああ、これは俺が不死の魔法をかけられる前にお師匠から言われた言葉なんだ。チビ…これは魔法とかじゃなくて、呪いに近い。お前はやっと影になった俺の呪いから解放されたのに…」
「だから私が呪われたんじゃなくってコーが呪われてたんでしょ。私は大丈夫。いつもいつも、コーが傍に居てくれるから大丈夫。私の身体がばらばらになったら全部集めて元通りにしてね。コーを信じてるから、どんな痛みだって大丈夫」
複雑な魔法陣を描き終わったコハクが腰を上げると、唇の口角がわずかに上がっていたので、少し緊張が解れたのだとわかった。
…この男とずっとずっと一緒に一生生きてゆくのだと決めたのだから、不安になることはない。
何もかも捨てて、ついて行くのだと決めたのだから、絶対に大丈夫だ。
「チビ、こっちに」
手を取られて魔法陣の中心に誘われると、コハクはラスの額に大きな手をあてて、静かな瞳でラスを見下ろした。
「チビ…いや、ラス。俺と永遠を歩んで行こう。もう絶対お前を独りにはさせない。一緒に毎日楽しく過ごして、家族を沢山作ろう」
「うん、私も絶対コーを…コハクを独りにはさせないよ。浮気した時は子供を全員連れて実家に帰るんだから、覚えておいてね」
またコハクが微笑み、ラスは瞳を閉じた。
「ほっぺ赤いな、熱でも出たか?今日忙しかったし…」
「う、ううん、大丈夫。でも…その…さっきデスにキスされちゃった。あっ、ほっぺにだよ、だからデスを怒らないでね」
頬以外にもキスをされたのだが、それは言わない方がいいだろうと思ったラスは、少し唇を尖らせたコハクの唇にちゅっとキスをすると、バスルームを指した。
「私も入りたいな。でもコー、今集中してるんでしょ?じゃあ後でもいいから私をお風呂に入れてね」
「ああ、わかった。今めっちゃ成功しそうな気がする。チビ…俺を信じてくれるよな?」
「いつも信じてるよ。コーが失敗したら笑ってあげるって言ったでしょ?お腹抱えて笑い転げてあげるから心配しないで」
コハクの赤い瞳は明らかに集中した光を湛えていた。
冗談にも乗ってくる気配はなく、瞳の中にたゆたう青白い炎のような光に魅了されたラスは、腕から降ろされると、部屋の中央に白いチョークで魔法陣を描いているコハクをじっと見つめていた。
「死にたくても死ねなくなる。身体がばらばらになっても、いつか元通りになる。その間激痛はずっと続いて……ああ、これは俺が不死の魔法をかけられる前にお師匠から言われた言葉なんだ。チビ…これは魔法とかじゃなくて、呪いに近い。お前はやっと影になった俺の呪いから解放されたのに…」
「だから私が呪われたんじゃなくってコーが呪われてたんでしょ。私は大丈夫。いつもいつも、コーが傍に居てくれるから大丈夫。私の身体がばらばらになったら全部集めて元通りにしてね。コーを信じてるから、どんな痛みだって大丈夫」
複雑な魔法陣を描き終わったコハクが腰を上げると、唇の口角がわずかに上がっていたので、少し緊張が解れたのだとわかった。
…この男とずっとずっと一緒に一生生きてゆくのだと決めたのだから、不安になることはない。
何もかも捨てて、ついて行くのだと決めたのだから、絶対に大丈夫だ。
「チビ、こっちに」
手を取られて魔法陣の中心に誘われると、コハクはラスの額に大きな手をあてて、静かな瞳でラスを見下ろした。
「チビ…いや、ラス。俺と永遠を歩んで行こう。もう絶対お前を独りにはさせない。一緒に毎日楽しく過ごして、家族を沢山作ろう」
「うん、私も絶対コーを…コハクを独りにはさせないよ。浮気した時は子供を全員連れて実家に帰るんだから、覚えておいてね」
またコハクが微笑み、ラスは瞳を閉じた。